く~にゃん雑記帳

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<ツタンカーメンのエンドウ豆> 「3000年の眠りを破って発芽」って、本当?

2015年05月02日 | 花の四季

【花は可愛いスイートピー風、莢は濃い紫色、豆は緑色】

 話題の「ツタンカーメンのエンドウ豆」。昨年10月頃に種蒔きすると、しばらくして発芽。年が明けて暖かくなるにつれぐんぐん成長し、4月に入ると高さが2mを超えるほどに育った。莢の中の豆を食べる実エンドウの1種。花は可愛いピンクと赤紫色のツートンカラーで、赤花系のキヌサヤやスナップエンドウとさほど違いはなさそう。変わっているのは濃い紫の莢の色だが、中身は普通の緑色の豆だった。

 「エジプト王家のツタンカーメンの墓から豪華な副葬品とともに発見されたエンドウ豆。そのタネが3000年の眠りを破って発芽し、人々を驚かせた」。種子が入った袋の裏側に「品種の特長」をこう記していた。ツタンカーメンといえば、わずか18歳で没した古代エジプト第18王朝のファラオ。ミイラが被っていた豪華な「黄金のマスク」で知られる。

 「王家の谷」で未盗掘のツタンカーメンの墓を発見・発掘したのは英国の考古学者ハワード・カーター。100年近く前の1922年のことだった。このエンドウの種子はその際に見つかったといわれ、その後、栽培に成功して英国から米国へ。そして日本では1960年代以降、小学校などで評判になって各地に広まった。静岡県藤枝市には「ツタンカーメンのえんどう豆研究会」というグループも発足、この豆を使った和菓子や草木染ハンカチなどの商品化に取り組んでいる。

 エンドウ豆の原産地はエチオピアから中近東、中央アジアにかけての地域。エジプトの王墓から見つかっても不自然ではない。日本でも2000年前の古代ハスといわれる「大賀ハス」の種子の発見・出芽例もある。エンドウ豆の〝来歴〟にもロマンがあふれている。信じたい気持ちは強い。だが、こんなちっぽけなエンドウ豆の種子が果たして3000年間も生きたまま休眠するということがあり得るのだろうか? エジプト考古学の第一人者吉村作治先生はどうも否定的なようだが……。

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