く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ヒメフウロ(姫風露)> 伊吹山や四国の剣山などの石灰岩地に自生

2015年05月11日 | 花の四季

【ゲンノショウコと同じ仲間、注目集める美肌成分】

 フウロソウ科フウロソウ属(ゼラニウム属)の1~2年草。北半球や南アメリカの温帯地域に広く分布する。ただ日本での自生地域は滋賀・岐阜・三重県境の伊吹山地・鈴鹿山脈と四国の剣山ぐらい。しかも石灰岩地という特殊な環境下に限られてきた。

 日当たりを好み、5~6月ごろ高さ30~50cmほどの細い茎の先に、愛らしい薄紅色や赤紫色の5弁花を付ける。花径は1.5cm前後で、花びらに数本の縦じまが入る。「姫風露」とはなかなか風情のある名前だが、これとは別に「シオヤキソウ(塩焼草)」という異名も。草全体に特有の匂いがあり、それが塩を焼いた匂いに似ていることに由来するという。

 同じフウロソウ属の仲間にはハクサン(白山)フウロ、グンナイ(郡内)フウロ、エゾ(蝦夷)フウロ、ビッチュウ(備中)フウロなどがある。下痢止めや胃腸病に効く民間薬として広く知られるゲンノショウコ(現の証拠)も同じ仲間。ヒメフウロも自生地域周辺などでは薬草として扱われ、効き目がいいことから「イシャナカセ(医者泣かせ)」と呼ばれてきた。

 最近注目を集めているのが抽出エキスによる美肌効果。紫外線による皮膚の〝光老化〟に深く関わるトリプターゼという酵素の働きを抑制し、しみやしわの発生を予防・改善するという。ヒメフウロは徳島県でごく近い将来絶滅する可能性が大きい絶滅危惧Ⅰ類として登録されている。岐阜・三重・高知各県でも同Ⅱ類。ただ最近では園芸品種の苗が出回っているせいか、道端や公園の片隅で見かけることも増えているそうだ。

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