平成元年4月に現在の地に転居して35年目になる。周りは野菜やスイカ畑に囲まれ、キジが悠々と歩き回り、ハトが集団で飛び回り、スズメが砂浴びしている喉かな情景だつた。
今ではほとんどの畑が学生マンションや駐車場と化してしまった。残った我が家の前の畑も持ち主の高齢化で昨年二軒の住宅に変わり、裏手の畑には三階建てのアパートが建設中である。
我が家の東側に隣接する15区画の駐車場も、近隣にマンションが新築されてから満車近くになった。以前は地方出身の大学生たちが、駐車場で談笑する賑やかな場だったが今はない。
毎年、春になると見慣れない学生と出会い、声を掛け合う楽しい雰囲気があった。一度声をかけると、翌日には挨拶が返ってきたものだが、現代っ子は声掛けしても何の反応もない。