昔々のことである、昭和14年から20年まで県北の小さな田舎の小学生時代はと爺に問われたら、良く遊び、遊び過ぎてよく眠り、良く学ばなかった6年間だったと答えるだろう。
3年生だった昭和16年12月8日には大東亜戦争がはじまり、日本軍の勝ち戦だけを知らされながら、日本は神の国であるから絶対に負けないと教えられて、子供心に信じ続けていた。
学校では、一般教科よりも軍人になるための体力づくりとして体育や行軍と称した遠足、水泳、スキー教育が、学校行事も薬草の採取、イナゴ取り、落穂ひろいなど奉仕活動が行われていた。
国防婦人会と書いたタスキをかけた勇ましいお母さんたちの防空訓練があつたが、アメリカの爆撃機B29が飛来することもなかったので、戦災にも会わず穏やかな6年間だったと思う。