ちょっとてんてこりんな題になったのですがお許しください。
というのは、昨日
“ 君王掩面救不得 回看血涙相和流 ”
と、玄宗皇帝が楊貴妃を失っての悲しみを歌った場面を説明したのですが、これを普通は、
「君王は面を掩<オオ>い 救わんとして得ず。 回<カエ>り看<ミ>れば血と涙と相い和して流る」
と読まれているのですが、私の「校本古文前集」には、「回看」が「回首」となっており、そして
「首を回ぐらせて」と読ませ、首は頭のことで、「過去のことをふりかえって思う」という意味になるのだそうです
その他の本には、この部分が「頭」となっている本も当然あるようです。まあ、内容的に見れば、「看」も「首」もそんなに大きな意味での違いはないのですが、このように、その原本はなくて、その写しが出廻っているのですからどれが正しいのやら分かりません。それぞれに学者が自分勝手に解釈して「これが正しい」のだと勝手に決め付けただけに過ぎません。あまり問題にせずとも好いのですが、私のお師匠さんはやたらと自分の意見を強調していたことを思い出して此処に書いてみただけです。