国内シェア首位の悲しき選択
日中逆転下の企業提携
このタイトルは、マスコミ等でのNECが中国レノバとパソコン事業での提携の話である。提携というより、NECが低収益で価格競争が厳しい同事業を中国のレノバ・グループとの合弁会社に移管することになった話である。
かって国内パソコ市場の5割をシェアを誇ったNECが、ついにパソコン事業での主導権をレノバに握られた今回の企業提携は衝撃でないと言えばうそになるが、当協会のパソコンもすべてNEC製品であり、自己所有も同じであり、驚きはあるが、顧客企業や販社は意外に冷静に受け止めており、今やGDP世界第2位の中国の力に、時代の潮流を感じているのだろうか。
レノバのパソコンをNECの国内生産拠点、流通網を使って拡販する。NECは逆にレノバが中国に持つ巨大な顧客基盤を活用し、強みのIT(情報技術)システムで商機を探りたい。とのお互いの思惑が合致したものと受け止められている。
NECはこの2年、ハードウェア事業の再構築を進めてきた。赤字の元凶だった半導体は、2010年4月に子会社のNECエレクトロニクスを同業のルネサステクノロジーと統合し、携帯電話機事業も世界で勝ち残るために規模の拡大が不可欠と判断し、10年6月にカシオ計算機、日立製作所と統合している。残るハード事業で最大の課題がパソコンだった。規模のメリットを確保し、レノバの部品調達力を生かしてコスト競争力を高める。そして、NECのITサービスや情報システム構築事業を中国市場に売り込んでいく足がかりにするねらいだ。
いずれにしても、巨大マーケットの中国との今後は日本大手企業の提携は、ITや車、食品などあらゆる分野で加速していく気配だ。このような動きが日本の企業にとって、一時的な経営手法なのか、長期的な面で同なのか、日本経済の今後に影響する動きであることは間違いなさそうだ。
かごしま企業家交流協会
hpp//www.kagoshima-kigyouka.com/