僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

コンパからナンパへ ~前編~

2010-11-19 | Weblog
学生時代の話である。
私の友達にやたらモテる男Kがいた。
男前で口数が少なく硬派。まぁ典型的なモテる条件が整っていたので当たり前だが。
私はいうと、まるっきり正反対のキャラクターなので、当然モテなかったが、そのうち誰か俺を好きになる人もでてくるでしょ、と、牧歌的な気持ちでいたので、特にAが羨ましいとも思っていなかったのだが、ある出来事を機にその考え方は一変した。

それは、Aと私を含む男性3人と女性3人の最もスタンダードな人数のコンパでの出来事。
A以外、つまり私ともう一人の男性は特にモテるわけでもない泣かず飛ばず組(以下NT組)だったので、Aの女性独占状態を防ぐために、その日のコンパでは特に頑張った。
セミ(店の柱にしがみついてミィミィと鳴く、当時の学生の鉄板ネタ)はするわ、漫才はするわ、とにかく場を盛り上げることは大汗をかいてなんでもした。
そしてやがてコンパも終わりの時間。俺達NT組はそれぞれに目星をつけていた女性に、今晩返してなるものかと毛アタックを開始した。
やれ、セミでは俺が一番柱の高いところへとまっただの、小銭なら財布一杯持ってるだの、今日は電車の線路がいつもより広がっているので電車が脱線する可能性があるだの、送りオオカミはこの間最後の1頭を俺が仕留めたのでもういないだの、言えば言うほどモテなくなる言葉の連発である。
結果、「今日はとっても楽しかった、ありがとう。またね」という、NT組には、「アホボケカス」の婉曲としか聞こえない定番ワードで締めくくられたのは必然であった。

ところでKである。彼は私たちが必死で場を盛り上げている間も、ほとんどしゃべることはなく、私たちNT組のアタックも時折笑顔を浮かべて見つめているだけだった。
そしてもう仕方なくこのまま解散か、という状況下、彼は初めて、このコンパの女性メンバー圧倒的NO.1で、俺達NT組は恐れ多くてアタックできずにいた女性にはっきりと聞こえる声でこう言ったのだ。

K:「今日帰るんか?」 女性:「ううん、帰らない」

なんじゃとおぉぉぉ!!!???たったそれだけで!!!???
俺達NTが、わずかばかりのセミの命を賭けたのに?電車の線路を広げるのは人間ワザではないぞ!送りオオカミをやっつけたやないの!Kは俺達の1000分の1しか口を動かすことができんヘタレやないか!たった一言なら赤ん坊でもしゃべるでちゅー!俺達NT組が同じことを言ったら「うん」だったろうに、そのもうひとつの「う」はなぜもれなく付いてくるのよ!?
まったくバカバカしいたらありゃしない。でも無茶苦茶羨ましい。NT組3時間の汗と涙と笑いを、Kにたった2秒で持っていかれたこの日を境に、私は男前に対抗してモテるためにはどうしたらいいのか、ということを真剣に考えるようになった。

そしてKN組二人が出した結論はこうだ。男前と横並びで比べられたら勝ち目はない。でも、男前を連れていかないと、コンパで女性が集まらない。なら、いっそのこと、コンパをあきらめて男前がいないところで勝負しようではないか、と。
それが、ナンパであった。これも男前が有利には違いないが、こればっかりは黙っていてはできない。無口なAには決して(とまではいかないが)できないのだ蟻の脳くらいだけざまあみやがれなのである。私たちがKに勝つにはこれしかないと思った。

かくして、私たちNT組の、「コンパからナンパへ」という主戦場の鞍替えが始まったのである。

~後編へ続く~

白鵬に学ぶ

2010-11-16 | Weblog
白鵬の連勝がついに止まった。
しかし、異国のモンゴルから来て一人横綱の重責を背負っての63連勝。ただただ尊敬に値する。

そうしてみると、双葉山の偉大さが改めて分かるが、その双葉山の連勝を69で止めたのが安芸の海という力士。でも、連勝を止めて喜んでいる安芸の海に師匠はこう言ったという。
「勝って騒がれるより、負けて騒がれる力士になれ」と※。 ※11/16読売新聞朝刊より
勝っておごらず負けていさぎよく。礼節を重んじる相撲界に君臨する師匠らしいなんと素晴らしい言葉ではないか。
今もこのような師匠がたくさんいたなら、相撲界もあそこまで不祥事が続くことはなかっただろうに。

さて、今後白鵬以外に、負けて騒がれる力士が生まれるかどうかは甚だ疑問だが、とりあえずこの師匠の言葉を仕事に生かさねばもったいない。
ということで、コピーをひとつ。

■増毛剤PRコピー

「抜けて騒がれる人に戻ろう」

ぶれないで

2010-11-11 | Weblog
ノーベル平和賞贈呈式への出席を見合わせるように言ってきた国があるそうな。
さすが、資源もレアなら発言もレアである。
でも、どこかの国みたいに漏れた話ではなく、国として発言しているのだから
意思が明確に伝わるし国の形が分かる。

今回、尖閣の映像を流出させたとされるsengoku38さんにどういう対応がなされ
るのか、私には知る由もないが、願わくば、ついでに中国のいいところだけ盗
んで、最後までぶれずに意思を貫いて欲しいと思う。

売れる条件

2010-11-05 | Weblog
あなたが、あることで有名になった人の知人等の関係にあって、『小さい頃の彼(女)はどんなでしたか?』
というインタビューを受けたらどうしますか?
私は断じて答えたくないと思います。だってそこには必ず「条件」の影響があって、自分の都合のいいように
答えてしまうことが間違いないから。
つまり、以下のような場合。

1.その人が極悪人だった場合の答え
  小さい頃から協調性がなく、友達も少なくて、皆、彼(女)何を考えてるのかよく分からないと言ってました。
2.その人がノーベル賞をとった人だった場合の答え
  小さい頃から独立心が強く、友達は少なくても、皆、彼(女)は大物になるだろうと言ってました。

てな具合に、今までフラットだったその人の見方が、ある条件を与えられることで正反対の2つの見方に分か
れてしまう。まぁ、当然といえば当然なんやろうけど、そんな風になる受け答えなら、しないほうがマシという気が
るので。

それほどにこの条件というヤツの力は強大だ。
私が作ったオリジナル曲も「尾崎豊の未発表曲!」てなコピーをつけたら絶対に売れると思うのだが、そんな
姑息なこと考えてる時点であかんわねぇ。

余裕

2010-11-02 | Weblog
エスキモーの老人は食料が尽きた時、その場に座りこみ、他の人は老人を置いて旅を続けるという。
尊敬する谷川俊太郎さんはこれに、「余裕のある話だ」というコメントを寄せていた。
僭越ながら私も全く同感である。

武士は自らの約束を守れなかっただけでも恥と心得て自害した。自害しなければ誰かが手を下した。
時代の違いこそあれ、私はこれも同様の話だと思っている。

命とは生きる意味を知っていることだ。
子孫を守る大切さ、老人の尊厳、そして生きる厳しさ・素晴らしさを知ることこそが命なのだ。
件の話は、その命を絶つことがどれほどのことであるか、それを大上段に構えず、淡々と教えてくれる
からこそ、私たちはその行動に究極の余裕を感じ取ることができる。

今の日本には、故意で人を何人も殺めておいて、計画性がないだの、反省してるだの、改悛の余地が
あるだのという理由で命が救われる人がいる。

人を裁く裁判官や陪審員がこの余裕を感じ取れなくてどうする。
これからは裁判官や陪審員にこれらの話を聞かせてから裁判に望んでもらってはどうか。

※個人的な意見です。死刑廃止論者の方々の人間性を否定するものではありません。