アスリートファーストとコロナ

コロナによるオリンピック延期が検討されている。
その中でIOC関係筋からアスリートファーストという言葉が聞こえる。
オリンピックを運営する側には基本コンセプトが必要だからそれはあって当然だしそれでいい。
が、根本的にありとあらゆることは、「国民の健康と日常生活が担保されている」という
大原則の上に成り立っている。それはもちろんオリンピック選手も例外ではない。
オリンピックという舞台は誰よりも努力して勝ち取ったステージであろう。
全てを賭けて勝ち取ったステージであろう。その活躍が全国民を勇気づけることもあるだろう。
だがしかし、それは先の大原則があっての話である。
自分を直接支えてくれた人はもちろんだが、全国民が汗水流して働き、経済を回し、
医療を回してきたから選手になれたのだ。それなくして選手であれる訳がない。
それを選手がやれ選手の立場を考えてくれだの、IOCは何も分かってないだのと文句をいうのは
違うだろう。
はっきり言ってオリンピックは好きなことをやってきて自分が世界で一番だということを
証明したいという発表会の場に過ぎない。国民の暮らしとは何の関係もないのだ。
IOCがアスリートファーストは私たちの役割だが、
「全世界の国民の健康と日常生活がまず第一」と言えば、選手も納得するのではないか。
コロナの怖さより、こんな大原則が置き去りにされているほうがよほど怖い、そう思う。