僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

沈まぬ太陽

2013-11-26 | Weblog
山崎豊子さんが亡くなって、もう2ヶ月近くなる。

社会の暗部を独自の取材で描いた氏が亡くなって、改めて「正義」ついて考えさせられる。
正義は公明正大であることだから、本来、もっと日を浴びて、生き生きしていていいはずなのに、何故か日本で正義を唱えると、まるで刃物を振り回しているかのような、危険分子扱いをされてしまう。山崎さんしかり、大阪市長の橋下さんなんかも、非常に分かりやすい例だ。

どちらも、「言っていることは間違っていない」のあとに、「“でもね”」をつけられてしまう。
それは、日本には、暗部を受け入れ、妥協しながら生きている人がいかに多く、そうでないと生きて生けないか、ということを表しているのだろう。

正義は絶対に正しいし、絶対に必要なことだ。
“でもね”正義の裏面には必ず「妥協」が張り付いているんだ。
それを知らずに正義を唱えると、ただ「正義“面”」をしているだけになる。

正義と妥協を絶妙にブレンドして、いかにおいしく味わってもらうか。
正義が沈まぬ太陽となるには、それしかない。

普通の運動会

2013-11-21 | Weblog
去る10月10日、上の孫2人の幼稚園の運動会があった。
このブログでも何度か紹介しているが、ウチにとって孫の運動会は特別なものである。それは、ウチの孫たちを見に結構な数のギャラリーが駆けつけるほどのことだからだ。

これまでをご存じない方に簡単に孫のことと運動会の歴史をご説明しておこう。ウチには2人の男の孫がいる。上がもっくん、下がりんくんという。

まずもっくん。1年目の運動会は、「よーい、ドン」の号令と同時に座り込み、運動場に穴を掘り始めた。2年目は、座り込みこそしなかったが決して走ることなく、最後までトボトボと“歩き”きった。そして、今年最後の運動会を迎える。

次にりんくん。1年目の運動会は、号令と同時に、たしか反対方向に走ったか、泣き出したかどちらかだった。もっくんの印象が強く、忘れてしまったが、とにかく走ってゴールにたどり着いていないのには間違いない。今年は2回目の運動会だ。

幼稚園で作ってくれるビデオ映像の中で、このかけっこのシーンはウチの孫たちが独占している。皆はゴールしたら映像がそこで終わるが、なんたってウチの孫たちはゴールしないのだから、いつまでも映っているのだ。ただ穴を掘ったり、トボトボと歩いていたり、泣いていたりするシーンがずっと。ウン千円するが、ウチにはもう安すぎるビデオなのである。

ということで、孫たちを応援?にきてくれるギャラリー達は皆、皆が普通に走って普通にゴールするような運動会を期待しているわけではない。目当てはひとつ。「今年のもっくんとりんくんは何をしてくれるのか?」ということにしか興味がないのである。

そんな妙な期待を一身に背負って二人はスタートラインに立った。

最初に登場したのは、もっくん。
穴掘り、ウォーキングと、2年連続で、およそかけっこからは想像できないパフォーマンスを見せてくれた彼は、今回リレーのメンバーである。個人競技とは違い、皆がつないでくれたバトン持って、グランドに穴でも掘り始めたもんにゃあ、さすがに他の園児に申し訳が立たない、と母親は心配していたが…
さぁ、リレーが始まった。もっくんは第3走者だ。第2走者からバトンをもらう。さぁ…どうだ?おおっと、普通に走り始めた。しかも途中で一人追い抜きまでしてアンカーにバトンを渡したのである。まぁ、なんと面白くない。でも嬉しい。とても複雑だ。

そして、りんくんだ。なんと、スタートの合図と同時に“普通に”スタートを切った。おまけに先頭を走っている。最後はなんと驚くなかれ、一番でゴールテープを切ったのである。娘が撮ったビデオを見ていると、りんくんはゴールする瞬間には胸を突き出し、両手を広げている。どこでそんなことを覚えたのだろう。きっと練習では何度か一番になっていたに違いないが、まさか本番でも同じことができるとは・・・。とても嬉しいが、しかしこれもなんとも複雑な気分である。

しかしまあ、じじばかと言われるかも知れないが、「着実に成長している」孫を見るのは、この上ない喜びであり、贅沢である。
私は仕事中でライブでは見ていなかったが、嫁から、「もっくんはリレーをちゃんと走ったよ(涙)」「りんくんが一番になった(涙)」というメールが届き、思わずこちらも涙ぐんでしまった。

「走る以外のことをする二人」を見にきてくれたギャラリー達には申し訳ないが、「なんや、今年は普通の運動会やった」と残念がりながら、二人の孫を褒めてくれる皆さんの声は、私たちには極上の贅沢です。みなさん、いつも孫たちを見守ってくださって本当にありがとう!おかげで孫たちはスクスクと育っています。