僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

そこに山があるから

2013-05-24 | Weblog
三浦雄一郎さんが80歳にしてエベレスト登頂に成功した。
一時は体重も増え、山に登るどころか普段の生活にも不具合がでる状態だったらしいが、そこから気を取り直し、日常的に厳しいトレーニングを取り入れての今回の快挙である。
80歳にして登ったことももちろんものすごいが、その年にして一度緩んだ気持ちと体を立て直した、というところがやはり常人ではない。それができた時点で、この快挙はすでに達成されていたのだと思う。

今、81歳で、同じくエベレストを目指している人がいるという。
私は山のことを知らないので、よく分からないが、時期的に今しかないのなら別だが、そうでないのであれば、三浦さんの「記録塗り替え」のために登っているとしか思えない。

三浦さんは自分への挑戦をし、まさしく「その時そこに山があるから」登っただけだとおっしゃるだろうし、「記録」なんてものに何の価値も感じておられないだろう。

願わくばこの81歳の方の登頂目的が三浦氏と同じであることを願う。
エベレスト登頂という高い志の前に、「記録」なんて目的はあまりにレベルが低すぎる。

娘の結婚

2013-05-10 | Weblog
長女が婚約した。
今後の予定は決まっていないが、とりあえず今年中に籍を入れ、お金が溜まった時点で結婚式も、と考えているようだ。
父親の私としては、当然嬉しいことではあるが、なんだかよく分からない色々な感情に苛まれ、ったく娘の父親なんてものは、ややこしいものだと感じているところである。

色々なことが思い出される。
とにかくよく寝る子で、ホントに生きてるのか?と何度も心配したっけ。今となれば「寝る子は育つ」は本当だったんだと思うだけやけど。
親の姿を見つけるのがとても上手で、運動会のスタート地点や発表会の舞台からでもすぐにこっちに手を振った。
絶対に受かると言われていた高校を落ちた時は、いつも明るい娘がさすがに落ち込んでいたなぁ。
高校で頑張り、外大へ行き、留学し、夢だったCAになった。
最初に成田へ引っ越した時は、別れてからすぐ、嫁と次女と私の3人、車の中で号泣したよ。
その後大好きな沖縄へ移り住み、独身貴族をエンジョイしてたね。
家族が大好きで、家族でいる時は何も飾らず、いつも小さい頃のままの心でいてくれた。

そんな娘のお相手には3回会っただけだ。
とても好青年だとは思うが、正直、どんな人なのかは分からない。分かるほうがおかしいと思う。
となると、相手について私がとやかく考えても、それが賛成や反対の答えには結びつかない。ならば、私には、30年近く一緒に暮らした娘の思いから相手を理解するしか方法がない。

彼といる時の娘は、私たち家族といる時と何も変わらない。
ドライブ時間の90%は寝てるらしいし、部屋からおしりだけを出しておならもする。
ようするに、その人といる時の娘は、自分自身を偽ることなく振る舞うことができ、それを相手も好きでいてくれるということだ。
きっとお相手も娘と同じで、お互い自分らしくいられることで好き同志でいられるんだろうから、そんなにいいことはない。
そして、私が心から愛し、信じている娘が信じている人は、きっと信用に値する人であるはずだ。となると、反対する理由など何もない。

ルーズベルト大統領の名言、「賢人は思想を語り、凡人は事象を語り、愚人は人を語る」は私の座右の銘のひとつであるが、今回はホントにこの言葉が胸に堪えた。他人についてあれこれ考え振り回されることほど愚かなことはない。自分を信じ、自分が愛する人を信じ、常に自分がどう生きるべきかを考え続けることでしか未来は開けない。
人は一人では生きていけないのは当然だ。でも、誰かがいないと生きていけない人もまた、生きていけないという難しさがある。
結婚しても、ひとりの人間としてどう生き、どう成長するべきなのかを考え続けるという、人としての基礎なくして夫婦生活がうまくいくはずがない。

だから娘よ、どうか思想を語る夫婦であってしい。
そして、あなたが大好きだった家族を、今度は自分でしっかりと作って欲しい。
苦労のほうが多い人生をどうか、8勝7敗、51対49でいいから乗り切って欲しい。

君よ、愛する家族の元を離れて君の家族の墓に入る決意をした娘の心をどうか分かってやって欲しい。

愚父の贈れるわずかな言葉だが、胸に刻んでくれたら幸いだと思う。