病院の父を見舞って家に着くと、庭に少し歪(いびつ)なクレマチスが咲いていました。
どういう訳か背を向けて、葉陰に隠れるように咲いています。
今頃のクレマチスをとても珍しく思いました。
花苗にしては割りと高価な苗で、良い場所に植えたはずなのに、初夏に一輪花を付けたまま咲きませんでした。
そんな下積みの長い花もあるのですね。
諦めていた花を見た時、心が動くのを覚えました。
花の持つ力を感じ取ったからだと思います。
父と一緒の時も、心が動く瞬間があります。
今日は「また明日(あした)来ます」と言うと、「待ってるから・・・」と言いました。
そんな時は何だかキュンとなります。
父は足をもんだり、撫でたりしていると少し寝ている時があります。
優しく使う手は大変な効果がありますね。
本当に「手」は言葉でした。
手話が生まれ、愛が伝わり、私にも与えられた「手」を、大切に使いたいと強く感じています。
病床にある父が、今教えてくれているのですね。
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