

天寿を終えた父の葬送は、男児ばかりのひ孫が時折笑いを添えて、本来の明るさを呼び戻してくれます。
姪のおなかの赤ちゃんが男の子であれば五人揃って男系ひ孫です(笑)
孫はかわいい、かわいいの父でしたが、ひ孫となるとちょっと感慨が薄れるようでした(笑)
体の弱りと共に自然の摂理ですね。
Jが「○ちゃん、お父さんが亡くなって淋しくなったけれど、頑張って行こうね」と言って両手だけを強くハグしてくれました。
こう言う事は何の抵抗も無く出来るのですよ(笑)
ついさっきまで居た父がもういないのですね。
母を送り、Jの母を送り、とうとう父まで見送りました。
二年前の春、Jに取っては最愛の母を見送った彼の淋しさを、私もこうして父を送って見て、しみじみと思うものがあります。
ひとりふたりと親が去り、無邪気な命が輝き、葬送は人間の無常の中にも確かな光りを感じさせるものですね。
今席でも長姉の夫の責任で、場を盛り上げなくてはと、Jはしきりに若い人の中で、酒席を取り仕切っていましたが、娘から「そんな事は若い人に任せなさい!」と叱られていました。
「Jさん、今日からあなたが長老になったのだから、お酒はもう若い人に注がれる人になりなさいよ」とわたくしがとどめの訓示をしましたら、一気に元気を失くしました。
世代がはっきりと移行しましたね(笑)
いつも二番手でこちょこちょやっていたいJは、少し追いやられた事に痛切な悲哀を持ったようです。
これから父に代わって、中心の置物になるように背後を支えるつもりですが、この「酔いどれ天使」はJの持ち味で、父も認めていましたので、好きにさせようかとも思います。
曇りなき秋空に、近日鳴き続けていた裏池のカラスの声がぴたりと止まりました。


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