朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

動楽亭昼席~9月席12日目~

2012年09月17日 21時09分00秒 | 落語・講談・お笑い
先週水曜は動楽亭昼席へ。
だいたい動楽亭昼席は米朝系ばかり出演する上旬は比較的入りが良く、
米朝系以外がメインになる中旬はあまり入らない、という印象がある。
この日は30人以上で、まあ、中旬としては良い方になるだろう。


「やかん」(小鯛):△+

「客が多くて嬉しい」話から少なかった会の話。
「縦1列」は絵面が可笑しかった。

上方では珍しいネタだが、誰から習ったんだろう。
知ったかぶりの男の偉そうな様子は良かった。
魚の由来を順々に喋っていく中で知ったかぶりをする男、
若い男とも感情や言い方が徐々に変化していくと思うのだが、
その点は弱く、やや単調だった。

「やかん」の由来は本当に講釈っぽく、見台を叩きながら。
上方らしくて、これはこれで悪くないかな。
テンポ・リズムは良かった。
「矢」という言葉が、もう少しはっきり聞こえた方が良いと思う。


「金明竹」(しん吉):△

内弟子時代の話からネタへ。

「金明竹」の言い立てなしの途中までで、
「言われたとおりやって上手くいかない」のみの話。
別にどうってことはない。

他に奉公人がいる大きな店っぽいのだが、
個人的にはその設定は違和感がある。
ごく小さな個人商店で、
奉公人もこのアホだけではないだろうか。
そうでなければ、わざわざこのアホに店番はさせないのでは、と感じてしまった。

一番気に入っている傘を借りていくことになるのだが、
ここは選ばせるのではなく、
アホがその傘を直接渡すのが良いと思う。


「借家怪談」(三喬):○

「古典の日」制定の話、
「幽霊とお化けの違い」といった話からネタへ。
「古典の日」のオチ「右喬」は、3つ目の方が良いかな。

ネタはいろいろ入れ事をしたりして、
そこそこ仕込みからウケを取っていたが、
「仕込み→バラシ」の構造は少し分かりづらくなった印象。
ウケを取るための入れ事のせいか、仕込みでの恐がり方が弱いと思う。
細かいところ、
例えば荷物が入っているので「隣が空き家か」分からない、
といったあたりはよく考えられていると思うが。

2人目は河内弁で「強さ」を表現していた。
結果的にはサゲの仕込みになっていたのだが、
別にそれは気にしなくても良いかな、と思う。
「宿屋ばばぁ」と同趣旨のサゲで、まあ、悪くはない。


「うまや火事」(文太):○-

日本と西洋の夫婦の違い、など。
ベタで特に良いとは思えないのだが、よくウケていた。

ネタは、以前に見た時に比べておかみさんが可愛らしく思えて良かった。
根本的に「髪結いの亭主」に惚れている、
惚れた弱みがよく出ていると思う。
本音を明かすまでいろいろ言うところ、
その心底が見えづらいまま喋っているところがあったが、
結局本当に何が本音なのか分からないまま喋っており、
甚兵衛さんに話している内に本当に何が心配なのか分かった、ということなのだろう。

甚兵衛さんは「李下に冠を正さず」といった知ったかぶりを特にする訳でもなく、
ニュートラルなごく良い人、という印象。

亭主は意図的ではないのだが、
やはり女に金を貢がせ続ける奴なんだな、という印象を受けた。
この後「幸せに暮らしました」ではなく、
周囲から見ると貢いでいる可哀想な女とヒモ、の関係に変わりはない、という余韻が残り、
これはこれで良かった。


「権兵衛狸」(新治):△+

さらっと身の回りで見聞きした話をしてネタへ。

この人、生で見るのは初めてだな。
五郎の弟子らしくなく、あっさりしているところは良い。
元々五郎の弟子だった訳ではないから、当然かも知れないが。

ネタは地噺風で、田舎ののんびりした雰囲気が出ていなくはないが、
地ではなく、もう少し科白や間でその雰囲気を出すべきだろう。
科白がスムーズでなく、噛むようなところも散見された。

本来短いあっさりしたネタを、
地の文で引き伸ばし、薄くしてしまっている印象。


「渚にて」(福笑):○-

おばさんに対するグチのような文句のようなマクラからネタへ。

昔に比べて声量が落ちているが、
それを間を置いたり引くツッコミを多用したりすることでカバーしている印象。
ところどころに、新しいギャグや設定も入れていた。
「水平線」の繰り返しはやはり面白い。
また、若い男の「女にもてたい」心根が強く、確固としたネタの世界が出来ているので、
無茶なギャグも上滑りせず、自然なものとして聞ける。

実際に声を掛け、「水臭い」のサゲまで。
個人的には歌のところで切っている印象が強く、
その後声を掛けて亭主が出てきてサゲに到る、というあたりが
少しダラダラして、テンションが下がってしまったように思う。
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9月16日(日)のつぶやき

2012年09月17日 04時17分08秒 | つぶやき

  • 01:52  @mitsuume お返事遅くなりました。10時10分頃に着きまして、9番目の席でした。ご参考までに。

  • 02:02  偶々検索していて「標準物質」なる単語を見つけた。文系の人間には縁のない用語だなあ。

  • 02:03  今日もまた妙な時間に目を覚ましぬ。また寝られれば良いやも知れぬに。

  • 05:56  やっと、か。未だに派閥会長をやっているあたり、「山崎派」に人がいないのか、山崎に求心力がなく、後継を決められないのか。>時事ドットコム:山崎拓氏が不出馬表明=政界引退、総裁選後に判断-福岡2区 http://t.co/N0BtynhE

  • 07:41  昨日なんばの駅前で見たんだが、塾生だったんだな。何となくSSみたい。>時事ドットコム:維新塾生が街頭演説=国政進出に期待と不満-大阪 http://t.co/BbPrEhBS

  • 07:52  RT @500favs: 社長が昨日話していたが「技術者がケータイを1g軽くするのに1カ月かけるのに女子高生は平気で300g位ぬいぐるみをつける。技術者の仕事は必ずしもニーズとマッチしない。」 showgo

  • 09:11  出来の悪いのは構わない。タチが悪いのはどうしようもない。

  • 09:18  「ルールを外れたところでの面白さは分かりつつも、ルールがあってこそ、その中で見せることができるものがある。それが「芸」かも。」落語や古典芸能も同じか。

  • 09:49  「師弟」(オール巨人)読了。巨人の師匠である岡八朗(元々八郎)の思い出話、と言いつつ、師匠に対する思いを含めて巨人がやってきたことがメインになっている感じ。それが鼻に付く時もあるが、それも特に不快にならない。師弟とは何か、の原型が感じられる。

  • 11:17  資本蓄積とは、不生産的労働を生産的労働に切り替えること。現代の事情を考えるとどうなるか。

  • 11:28  お正月の子どもの遊びとしての「狐釣り」。唄は「親子茶屋」の「狐釣り」と同じだろうな。

  • 13:26  いじらないこと。技術が落ち、考え方が落ち、芸が落ちた状態で「今のままでは」などと気を回さない。これは歌舞伎に限った話ではあるまい。

  • 13:29  「古さ」もいろいろある。ある「古い」ものに対して、単純に「新しい」ものではなく、他の古いものが対置され得る。

  • 13:44  「藪井竹庵」が「家族合わせ」の医士の名前。

  • 14:21  「国家権力の本質は、共同幻想である。権力は、その生成の瞬間から、個々人の幻想と「逆立」している」。この「逆立」って言葉、よく分からんなあ。

  • 14:37  マルクス主義が「旧約聖書」のプロットをひき写している。マルクス主義のドグマから脱しようとする吉本隆明も「旧約聖書」の磁力圏に引き込まれる。

  • 16:43  「花洛」(松田道雄)読了。明治末年から大正初期にかけての京都を、幼い頃茨城から京都に越してきた筆者の半ば「外部の人間」からの目で描く。知っている地名も多く、現在の状況をイメージしつつ、当時の社会・風俗などを興味深く読めた。落語の世界がこの時代には残存していたことがよく分かる。

  • 17:26  大変な時に、厄介な事態だなあ。事件性があったりして。>時事ドットコム:西宮中国大使が死去=政府、後任人事急ぐ http://t.co/Umj0t4ze

  • 20:15  今季見ないと思ったら、ずっと2軍か。2軍でこの成績では、1軍に上げられないわな。金本に次いで費用対効果が低い選手のリストラが出来たのは良いが、何故失敗に終わったか、の反省は必須だろう。>阪神小林宏が戦力外 http://t.co/T4Y7wxQk @nikkansportscom


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