はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
http://kouwado.com

師匠のこと 2

2013-08-07 21:55:34 | 鍼灸
上京し、鍼灸学校在学中に出会ったのが、2人目の師匠です。
「孔和堂鍼灸院」という名前は、この師匠に付けて頂きました。

憧れの鍼灸学校に入ったものの、元々不器用だった私は、正直鍼に対して苦手意識を持っていました。
このままで本当に鍼灸師になれるのだろうか、と不安を抱えていた時に、この師匠に出会えたのです。

鍼は気を操作する道具、と云われていますが、師匠に出会えるまでは表面的な理解しかできてなかったように思います。
師匠の治療を初めて見た時に、鍼は気を操作する道具なのだと、はっきり感じることが出来ました。

この師匠は、まず佇まいが素晴らしく、鍼を打つ姿も美しいのです。
さらに治療において結果を確実に出す…あっという間に惹きつけられて、弟子入り志願しました。


弟子入りしてからは、見て学ぶ、という昔ながらのスタイルで学びました。
慣れないうちは大変なこともありましたが、見る、ということを意識して集中することで、より真剣に学んで吸収できたのだと思います。

鍼灸師として、人として、大切なことを数えきれないほど学びました。

その学びはこれからも続きます。


今の鍼灸師としての私があるのは、この2人の師匠のおかげです。

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師匠のこと 1

2013-08-06 23:26:48 | 鍼灸
どのような道を歩むにも、師匠と呼べるような存在が大切だと思います。
私が現在歩んでいる鍼灸師の道には、2人の師匠が存在します。

1人目は、地元で勤務していた鍼灸接骨院の院長です。

私が初めて目にした鍼灸治療は、この先生の治療でした。
この出会いがなければ、私が鍼灸師になることはなかったでしょう。

毎日様々な症状を抱えた沢山の患者さんが来院し、先生の治療で笑顔になって帰って行く…マジックを見ているようでした。
毎日見ているうちに、自然に鍼灸を学びたい気持ちになり、鍼灸師になることを決意しました。

それをこの先生にお伝えしたところ、猛反対されました。
その主な理由として、そんなに簡単な道ではないこと。素晴らしい仕事だが食べていくには厳しい業界で、
成功するのはごく一部の人であり、とても苦労するということ。

それでもやりたいのなら止めないよ、最後に先生はそうおっしゃっいました。
私は自分がどうしていきたいのか本気で鍼灸師を目指すのかを今一度考えて、鍼灸師になる気持ちを固めました。

この時のやりとりがあったからこそ、多少辛いことがあっても諦めずに目標に向かって進み続けられたのだと思います。









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お灸の思い出

2013-08-03 13:23:05 | 鍼灸
私の生まれ育った愛媛県では、お灸のことを「やいと」と云います。
私の地元の松山市は、昔から特にお灸が盛んな所です。
ドラッグストアにもぐさと線香のセットが売られているのも見かけたことがあります。

私の祖母は、よく自分自身でやいとをすえる人でした。
もくもくと煙を出しながら、足の裏の湧泉というツボに毎日たくさんのやいとをすえている姿を、今もはっきり覚えています。
いたずらが過ぎた孫にはお仕置きとしてやいとをすえたりもしてました。
子供は嫌がるものだけれど、それが気持ち良くて寝た子もいるくらいでした。
きっとすえ方が上手だったんでしょうね。

認知症になってからは、帰省の度に私がお灸をすえるようになりました。
「ばあちゃん、やいとすえようか?」と声をかけるとにっこり笑顔になって、足を出してくれます。
以前は、足の裏にスイカの種が付いているのかと思うような跡がついていた祖母の足の裏。
今ではすっかり痕は消えていて、白くて柔らかい足の裏になっています。
だから、もぐさの燃え方を調節しないと熱がらせてしまうので、慎重に丁寧に行うようにしています。

お灸をすえ終えると、毎回最高の笑顔でありがとう、と言ってくれる祖母。
帰省中、祖母にお灸をすえる時間はわずかな時間だけれど、私にとって、とても温かくて貴重な時間となっています。
こちらこそ、ありがとう、といつも思ってます。



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お灸のこと

2013-08-02 21:59:26 | 鍼灸
数年前から雑誌などでお灸が取り上げられることが増えてきた気がしています。一年半程前にはNHKの「あさイチ」のミニ特集で「お灸女子」という言葉で紹介されていました。
一度はお灸の文字を見かけたことがある方は多いのではないでしょうか?

お灸の効果の一つとして、冷え性の改善、があります。
冷えが原因になることの多い生理痛などの婦人科疾患にも効果があります。

お灸は「もぐさ」を使って行います。もぐさは、春先になると道端でも良く見かける、よもぎから作られてるんですよね。
鍼灸学校に入学して間もない頃、授業でもぐさ作りを体験したのですが、本当によもぎから出来るんだ!とびっくりした記憶があります。

子供の頃にお仕置きとしてお灸された経験のある方は最近少ないのかもしれないですが、何となく熱いイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

お灸をすえる、という言い方をしますが、すえ方によっては実際お灸はとても熱いです。
反対に、全く熱くないお灸のすえ方もあります。

色白で皮膚の薄い方はお灸の跡が付きやすいので、すえ方も工夫しています。

私もセルフケアとしてお灸を行っていますが、便利な用い方としては、蚊に刺された所にすえると痒みが治まったり、打ち身で色が変わった所にすえるとあざがきれいになるのが早い、といったのもあります。

昔は止血するのにも使っていたそうで、その場合は直接もぐさを患部に張り付けるのだそうです。

鍼に比べると地味な印象のお灸ですが、いろんな使いみちがあって本当に素晴らしいです!



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鍼は痛い?

2013-07-31 23:46:22 | 鍼灸
「鍼って痛くないですか?」

鍼灸師になってから、このような質問をされたことは数しれず。

あまりに良く聞かれるので、当院のHPの"よくある質問"のところにも書いています。

実際、鍼を体に刺す、と言葉にした時に、きっと注射のことをイメージされる方が多いのではないでしょうか。

私自身も小学生の頃は逃げ回っていましたし、注射が好きな方のほうが少数派かな、とも思います。


鍼灸治療で使用する鍼は、注射器のそれとは全く違います。
私が良く使っているのは、縫い針よりももっと細い、髪の毛くらいのものです。
痛くないように刺しますが、それでも痛みを感じやすい場合や、痛みを感じやすい場所に治療する必要がある時は、
そっと鍼先を触れさせるだけでも効果を得られます。もっとも、刺さらない鍼もあるので、そちらで対応することもよくあります。

治療していて感じるのは、症状に関係なく、痛みを感じやすい方の共通点として、
音・光・暑さ・寒さなど、いろんな刺激に敏感で普通に生活しているだけでも疲れやすい、ということ。

そういう方には無理に鍼を刺す必要はなくて、ちょこっと鍼で触れたりなでたりするだけでも症状が改善することがほとんどです。


人の体って、ツボって、本当に不思議ですごいなぁ!と、敏感な方の治療をさせていただいた時により強く感じます。





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