はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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抜歯のタイミング

2014-10-02 20:30:58 | 鍼灸
ずっと通ってくださっている、女性の患者さんのお話です。


調子が良くない時はもちろん、メンテナスとしても月に1,2回通って頂いていて、今回来院された時も特別辛い症状はないけれど、とのことでした。

いつも通りに脈診・腹診・舌診をしたところ、普段と違う状態になっています。

いつもと違うサインが出ている場合、自覚のあるなしに関わらず、必ず体調が変化するきっかけがあったはずと考えます。
最近特に何も変わったことはないとおっしゃっていましたが、治療を始めてしばらくすると、
「そういえば2週間ほど前に親知らずを抜歯をしました」との言葉が!
詳しく伺うと、その時生理中だったことも判明しました。


女性の体にとって毎月の生理はとても大切です。
生理中は体外に血液が排出されますが、東洋医学的には血とともに体内の熱が出ていくとも考えることから、
特に体が冷えやすい時期と解釈されます。

また、この方は仕事柄、常に目を酷使しています。
東洋医学的には、目を使い過ぎると目を栄養している血を使いすぎて、血の量が減っている・血の栄養分が薄くなっている状態と考えます。

つまり、この時の患者さんの状態は、
生理や目の使い過ぎで血の量が減って身体が冷えているところへ、抜歯によって更に血が少なくなってしまったということ。
もちろんそのような状態から2週間経っているので、ある程度血の状態は改善しているにせよ、まだまだ回復してはいなかったのだと思います。

なので、血が元気になるように、気血のめぐりが良くなるように、鍼とお灸をしました。

鍼灸治療というと、痛みをとることが主なものだと考えている患者さんも多いのですが、実は、こういった女性ならではの症状にも対応できます。


先日、その患者さんが2度目の抜歯の後に来院されました。
脈診・腹診はいつも通り、舌診は多少疲れのサインが出ていましたが、前回のように気になるほどではありませんでした。
今回も前回と同じように鍼とお灸をしましたが、短期間に2回抜歯が続いていることも考慮して、いつもよりお灸を多めにすえました(東洋医学では鍼は気の調整を、お灸は血の調整をするという考えもあります)。

治療後はすっきりしたとおっしゃってくださいました


これから抜歯を受ける方、タイミングには気を付けてくださいね。




コメント
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