はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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TBSラジオ 「生島ヒロシのおはよう一直線」“新型コロナウイルスに対抗する東洋医学的アプローチ”

2020-04-01 22:20:23 | 養生

3月30日のTBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」内で、“新型コロナウイルスに対抗する 東洋医学的アプローチ“が放送されました。

仙頭クリニック院長の仙頭正四郎医師が出演。ウイルス感染症に対する東洋医学的考察、身を守るための東洋医学的なアプローチをお話されていました。
 
仙頭先生がお話されているコーナーは8分ほどと長くはないのですが、とても大切なことを繰り返し話されていたので、書き出してみました。内容が重複しているところもありますが、それだけ重要と捉えていただき、少しでもみなさんの生活の参考になればと思います。
(※話し言葉を書き言葉に変換している部分や要約している部分もあります。ご了承ください。)
 
・感染の拡大については、拡大してるというより潜在的な感染そのものはこれまでも存在しており、数字が増えるのは当たり前。死なない、死なせない、ということが重要。
・東洋医学的に、ウイルス感染症はウイルスと薬が戦うものではなく、身体の力がウイルスと戦って解決する、薬だけでは命は救えないという考え。身体の力を応援する東洋医学の考え方が、自己免疫力を高めて発症・感染を防ぐことに役立つ。
・新型コロナウイルスは短期で無くならない。侵入させない、侵入させたとしても浅いところで排除するという予防の考え方が大切。東洋医学では、表(体の表面)での戦いは「肺」の働きによる体表免疫を高めることで工夫していく。鼻水、咳等は排除のための身体の道具で、ウイルスを追い払う。漢方では、表の方の働きを高めていくための薬の組み立てである補中益気湯が予防としてよく使われる。(インフルエンザなどの)発症後は、葛根湯や麻黄湯がよく使われるが、これらは元々自分で戦える人を応援するような薬。これでは命が救えないという風に考えている。その漢方薬も専門的な見方で使い分けることが大切。
・鼻は身体のマスクのようなもの。鼻呼吸で吸った分の倍の量の息を吐くと侵入を防ぐことに役立つ。マスクと手洗いで完全にウイルスを防ぐことは無理なので、(ウイルスが)入っても増殖させない、発症させない、死なないということが大切。
・身体の内側の免疫力は、東洋医学では「腎」が強めると考えている。がんに対する免疫力と同じ。外から入ってきたものを身体の内側で封じ込めてやっつけるという考え方。
「腎」の免疫力を高めるには、昼間に身体を使う、特に坂道や階段で重力に逆らうような下半身の使い方が効果的。使った分は夜に十分睡眠をとって休むことも大切。身体を冷やさないことも大切。足裏にカイロを貼ったりして外側から温めるのもいいが、自分の内側から熱を引き出すことが大事。それにはワクワク、ウキウキした陽気な気分でいることで、蓄えている腎の力を外へ向かって強める。陰気な気分はウイルスを呼び込む。避けるようにする。内側から湧き出す力を意識することでウイルスの侵入を防ぐ。
・重症になった人には大防風湯、神秘湯、独活寄生丸と麻黄附子細辛湯を組み合わせるというガチンコで戦わせる手段もあるが、特定の薬に限らず身体の条件を良くする取り組みは、そのままウイルス対策になる。普段飲んでいる身体を良くするためのあらゆる(西洋)薬・漢方薬は、コロナ対策に役立つと思う。しかし薬に頼るよりも、「腎」の力を強める・外向きの力を引き出す・そのために昼間に身体をよく使って、夜は休めて、ネガティブ思想から、毎日楽しく躍動的に生活するワクワク気分に切り替えていく、楽しく過ごすことが一番大事。
・みんなウイルスに感染してしまえば大丈夫という考え方もあるが、死なない、発症させない対策をしつつかかるのであれば方向性としてはあり。野放しでは死ぬ人は死ぬ、になってしまうから、内側からの力を意識しつつ、外からくるものは来い、という考え方ならあり。
・漢方薬は数としては日本でも多く使われているが、東洋医学的な根底にある考え方を生かした使い方かというと、そうでもない。薬としての存在だけで使われている現状がある。それでは今回のような、治療法が確定していないものに有効利用するというのは難しいかもしれない。
 
以上が番組の内容でした。
 
radikoのタイムフリーで放送日から1週間以内は聴けるので、興味のある方は聴いてみてください。
http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200330054533
 
 
 
新型コロナウイルスは未知のウイルス、ということで恐怖を感じる方が多いかもしれませんが、よく知られているインフルエンザも頻繁にウイルスが変異して新型が発生していますし、新型ウイルスによる脅威はすでにこれまでもありました。しかし年齢を問わず重篤化する罹患者の症例の報告が増えてきています。そのような状況で怖がらないでという方が無理がありますが、闇雲に怖がらず、まずは正しい知識を知ることが大事です。その上で危機感を持ち、慎重に行動することがこれまで以上に求められます。
 
 
ウイルスは外から侵入してくるので、それを防ぐためにはまず身体の外側のバリア機能を高める必要があります。お話の中にもありましたが、東洋医学では外側のバリアは「肺」が大きく関わっています。「肺」は「大腸」との関わりが深く、普段から胃腸の状態を調えておくことが大切です。全ての人が生まれた時から持っている「腎」の気を補って強くしてくれるのも、胃腸の役割になります。旬の食材を中心としたバランス良い食事をよく噛んで食べて、適度に運動して、できる限り良い睡眠をとる。このような状態で常に気持ちを明るく保つのは大変と思いますが、ネガティブな感じに気づいたらなるべく早く切り替えるように意識するだけでも良い状態に向かうことができます。
 
番組内では補中益気湯が紹介されていましたが、胃腸を調え丈夫にして身体を元気にする漢方薬です。私は疲労が取れにくいと感じた時や、少し悪寒がするような時に服用しています。それで全てが解決するわけではなく、仙頭先生がお話されていたように、薬に頼るよりもまず自分で動いたり気分転換をしてできることを行うことが何よりです。漢方薬はサポートとして上手に取り入れるのがいいのではないかと思います。
 
長期戦の様相を呈してきた新型コロナウイルス感染症。
一人一人が自分のことと、周りにいる大切な人たちのことを思って行動すれば、少しでも早くこの状況を乗り越えられるのではないでしょうか。
 
 
コメント
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