鍼灸治療に興味があっても、どのような症状に効果があるのか、実際に鍼灸院でどのような施術をされるのか、患者さんにとって疑問点や不安に感じることはいくつもあると思います。
WHOでは、41疾患を鍼灸の適応症として定めています。
頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺、メニエール氏病、白内障、急性結膜炎、近視、中心性網膜炎、急性上顎洞炎、急性鼻炎、感冒、急性扁桃炎、歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、急性咽頭炎、急性気管支炎、気管支喘息、食道・噴門痙攣、しゃっくり、急性・慢性胃炎、胃酸過多症、胃下垂、麻痺性イレウス、慢性・急性十二指腸潰瘍、急性・慢性腸炎、便秘、下痢、急性細菌性下痢、打撲による麻痺、末梢神経系疾患、多発性筋炎、神経性膀胱障害、肋間神経痛、頚腕症候群、坐骨神経痛、腰痛、関節炎、夜尿症
以上41疾患には入っていませんが、自律神経失調に伴う諸症状、婦人科疾患、痔など、当院で改善が見られた疾患は他にもあります。
施術方法や刺激量は患者さんの症状の程度や体質によって調整しますが、鍼灸師によって調整方法は様々です。
鍼のサイズ(細めか太めか)と刺入する深さ、もぐさの熱量と熱の与え方、使用するツボの数、敏感な人に対しては鍼を刺すか刺さないか、調整するポイントも様々。
これもあくまで私の印象ですが、体力があって痛みにも強い鍼灸師の場合、一つのツボに対して刺激をしっかりと与えるように施術することで、効果を出すことを重要視しているように感じます。何故そのように感じるかというと、私自身が体力があまりなく痛みにも弱いため、自分と異なるタイプの鍼灸師の施術を受けた時に、効果はあったけれどしばらくぐったりして動けなくなった経験があるからです。
そのようなことから、私は患者さんに負荷がかかる施術はできるだけ避けるようにしています。特に、刺激量と刺激する方法を細かく調整することを大切にしています。
当院には敏感な体質の患者さんが比較的多く来院されるため、施術中の緊張感が少しでも少なくなるよう、施術後もできるだけ楽に過ごしてもらえるよう配慮しています。しかし慎重を期しても、施術中に痛みを感じさせてしまったり、施術後にだるさや、施術前に感じていなかった部位の違和感や痛みを感じさせてしまうことがあります。これらは好転反応として出ていることが多いのですが、例えそうであってもその状態を辛く感じてしまう患者さんもいます。
当院では、施術前後での体調の変化や、症状の状態に違和感を感じている場合、なるべく早くご連絡を頂けるようにお話ししています。その時の状態によって、ご自宅でも対応できる方法を考えてお伝えしていますので、些細なことでも気軽にご連絡いただけると助かります。
そうしたやり取りで、鍼灸治療による効果の現れ方にも良い影響が出ると思います。