国立研究センタ-など 遺伝子63個に変異 抑制機能の喪失も
国立がん研究センタ-と東京大先端科学研究センタ-のチ-ムは、世界で初めて肝臓がんゲノム(全遺伝情報)を解読したと発表した。63個の遺伝子に変異が見つかったほか、13%の細胞で、がんを抑制する「TSCI」と呼ばれる遺伝子の機能が失われていることが分かったという。調べたのは、C型肝炎ウイルスに感染した70代男性患者の肝臓がん細胞。同じ患者の正常細胞であるリンパ球も採取し、それぞれ東大の高速解析装置でゲノムの塩基配列を読み取り、比較した。今後、調査対象を増やすとともに、B型肝炎ウイルスが原因の肝臓がんとも比較。がんになる仕組みの解明や、新たな治療法の開発につなげたいと説明している。