医師不足 赤字
交流会、利用呼びかけ・・・ 道内各地に支援団体 医師不足や赤字経営に悩む地域の病院を守ろ うと、道内各地で住民が支援組織をつくる動きが 相次いでいる。医師との交流会を開いたり、病 院の利用を呼びかけたりしながら、「行政任せ」ではなく、地域ぐ るみで支えていこうという取り組みだ。自治体病院の再編問題など 地域医療を取り巻く環境は厳しいが、医療関係者は運動の広がり に期待を寄せている。「安心して医療を受けられる根室になるよう、 医師のみなさんには長くお勤めいただきたい」10月28日、根室市 で開かれた「第1回医師と市民の集い」。主催者のあいさつに、市 立根室病院などの医師9人と市民約100人が拍手した。参加者は バ-ベキュ-で交流、主治医と歓談し感謝する患者家族もいた。今 春、常勤医が2年まえより11人少ない6人になった市立病院。大学 側に医師派遣の余裕がなくなったためだが、住民や行政の対応をめ ぐり医療関係者に「根室は医師を大切にしない」という風評も広まっ ていた。このため根室商工会議所や根室市町会連合会が中心とな って「ねむろ医師伝言ネットワ-ク会議」を10月に設立。同会議所 の北村信人前会頭は「市民と医師が人間同士の付き合いをして信 頼を築き、医師定着につなげたい」と言う。既に三十の団体と九十 三人の個人が参加。今後も医師の講演会やパ-ティ-などを開き、 交流するつもりだ。住民が安易に夜間救急を利用したり、軽い病気 でも地元以外の大病院に行ってしまうことは、医師の過酷な勤務や 地元の医療機関の患者減に拍車をかける。「医師不足で困ると言い ながら、いざ派遣すると、後は意志任せという地域が多い。医師の 過酷な勤務や病院経営を支える体制をつくってほしい」と、札幌の 医療関係者は訴える。 胆振管内むかわ町の穂別診療所では、6月に住民有志が「友の会」 を結成。ボランティアで定期健診の受付業務を手伝ったり、草むしり や花壇整備を行っている。 釧路市阿寒湖温泉でも町内会を中心に、道立阿寒湖畔診療所を支 える協議会が6月に発足し、医師確保を求める署名活動のほか、住 民がお金を出し合って医師住宅の改修を検討中だ。協議会の金山 泰明会長は「これまで医師がいるのは当たり前という意識があったが、 今後は地域で医師を守る意識を育てたい」と話す。 1月に町民有志が町立病院の「応援団」をつくった十勝管内士幌町。 住民が町立病院の利用を呼びかけるビラを配り、お礼に医師が無料 検診をするなど、交流が進む。道医療政策課は「病院側も積極的に 住民に情報公開し、地域で考えるきっかけをつくってほしい」と期待 している。
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