道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆 成長に必要な16種の元素
作物の生長には少なくとも16種類の元素が必 要です。このうち炭素、酸素、水素は光合成の 際に二酸化炭素や水を通じて取り込まれます。 残りの13元素(養分)は土壌から供給されます が、1元素でも不足すると欠乏症(栄養障害)が発生します。欠乏症 は窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、作物が多 量に必要とする元素(多量要素)で起りやすいようです。鉄、マンガ ン、銅、亜鉛、ホウ素など、微量で済む元素(微量要素)の場合にも 欠乏症が発生することがあります。一般にカルシウムを除く多量要 素の欠乏症では、葉全体の黄化(窒素)、濃緑化または赤紫化(リ ン)、緑枯れ(カリウム)、葉脈間の黄化・壊死班(マグネシウム)な どの症状が古い葉(下位葉)から成長の盛んな新しい葉(上位葉)へ と移動するためです。一方、カルシウムや微量要素の鉄は、新しい 葉に移動し難いため、欠乏症状が新しい葉に現れます。栄養障害を はじめ各種障害の診断にあたり、最初は自信が持てないものです。 そのような時には近くの農業改良普及センタ-か農業試験場に相 談すると良いでしょう。
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