゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

もっと知りたい「中学理科①」

2009-04-30 14:37:00 | 学問

スプリング・エフェメラル 一瞬の開花に長い下準備

100_1200 教科書では春の植物としてサクラやタンポポが登場します。でも北海道の春は雪の下で過ごした植物が日差しを受けて、やつと活動を始める時期です。早春のほんの短い期間だけ花を咲かせるフクジュソウやエゾエンゴサク、カタクリなどの植物を「スプリング・エフェメラル」と呼ぶことがあります。エフェメラルは「短命な」といった意味です。その一生は文字通り短命でしょうか。林の中などのカタクリを例に見てみましょう。学校で学習したように緑色植物は太陽の光を受けて光合成し、自分で栄養を作ります。カタクリは、林の木々が葉を茂らせる前の早春に他の植物に先駆けて葉を伸ばします。夏には薄暗い林内も、この時期はまだ光が届きます。そしてカタクリはすぐに花を咲かせます。まだ他の花は咲いていませんから昆虫が優先的に訪れ受粉を助けてくれるわけです。周りの植物が葉を茂らせ始めると、カタクリはもう種子を落とし葉を枯らします。栄養分は球根に蓄え、来春の芽生えに備えます。落ちた種子はアリに運ばれて広がります。さて種子はどうなるでしょうか。腐ったり食べられてしまうものもありますが、生き残ったものは翌春に発芽して成長を始めます。しかし1年目は糸のように細い葉が1枚出るだけ。2年目はもう少し大きな葉が、3年目はさらに大きくなりますが、開花は短くても7、8年かかります。その後数年間、花を咲かせますが、日当たりなどが悪くなると花をつけず、条件が整うと、また開花するサイクルを繰り返し、40-50年も生きるのです。花が私たちの目を楽しませるのは短い間ですが、決して短命な植物ではないのです。(青野裕幸・江別市立大麻東中教諭)

◇教科書の単元は東京書籍「植物の世界」、啓林館「植物のくらしとなかま」、教育出版「植物の生活と種類」を参照

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