累計2200万部 “最後の商戦”期待大きく
世界的ベストセラ-として知られる英国のファンタジ-小説「ハリ-・ ポッタ-」シリ-ズ(J・K・ロ-リング著)の完結編となる第七巻が、 初版180万部という大部数で発売さけるた。1999年に第一卷の 日本語訳が出て以来、出版不況をものともせず、子供の読書や書店 の販売戦略に影響を与え、累計部数は約2200万部に。そして “最後の商戦”。
「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻) 価格:¥ 3,990(税込) 発売日:2008-07-23 |
同シリ-ズは、魔法使いの少年ハリ-が、学園生活を送りながら闇 の勢力と闘う、友情と冒険の物語。65の言葉に翻訳され、世界で計 3億7500万部が売れた。五作目までが国内公開された映画も通算 6千万人を動員。相乗効果でさらに人気が広がった。
年代問わず
読者層が「3歳から90歳まで」(静山社)と幅広いのがハリポタの強 み。特に子供たちの読書習慣に大きな変化をもたらした。都内の大学 院に在籍する女性(23)が出合ったのは中学2年の時。それまでは 「ちらほら本を読む程度」だったが、「魔法の世界が現実とリンクし、本 当にあるかもしれないと思えるところに魅せられ」、5巻目以降は辞書 片手に原書を読破するまでになったという。
書店を刺激
全国学校図書館協議会などが毎年実施する「学校読書調査」によると、 1ヵ月の読書冊数の平均は小中学生ともに、第一巻の刊行前後から上 昇。特に中学生は昨年、3・4冊で、57年と並ぶ最高に。協議会は「『朝 の読書運動』の成果もあるが、ハリポタをきっかけに、今まで本に見向き もしなかった子が読書するようになったことが大きい」とする。ハリポタの 独り勝ちは書店の意識も変化させた。永江朗・早稲田大客員教授(出版 文化論)は「『活字離れ』という言葉で、不況を読む側のせいにしてきた 出版業界にはいい刺激になつたのでは」と話している。
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