パンドラ・アイランド」を読みました。
東京から七百キロ、
小笠原の先にある一見平和でのどかな南の楽園・青國島。
一人の男がこの島にやってきた。
高州康彦、四十一歳、元刑事。
彼の仕事は“保安官”。
司法機関のないこの島での治安維持が任務だ。
都会での生活に疲れ、妻とも離婚し、平穏な暮らしを求めてやってきた。
そんな高州の願いは、一人の老人の死によって打ち破られた。
泥酔して海に転落した草引の死に疑問を抱く高州。
島特有のしきたり、排他的な島の人々……さまざまなものが捜査の行方を阻む。
久々に大沢作品を読みました。
「新宿鮫」シリーズにはまり、その後も「狩人」シリーズ・「黄龍の耳」シリーズなど
どれも圧倒的パワーで一気に読ませられる作品ばかりでした。
本作にもそのパワーを期待したのですが・・・
上下巻あわせると900ページに及ぶ長編小説です。
かってアメリカ統治下にあった孤島での保安官という職務と現実離れした設定で物語は進みますが・・・
それほどの大事件が起きるわけでもなく、主人公の魅力もイマイチ・・・
まるで有りがちなサスペンスドラマのような内容でした。
もう少しゾクゾクするような作品を期待していただけに残念!!
第十七回柴田錬三郎賞受賞作