五郎治殿御始末」を読みました。
勢州桑名藩の岩井五郎治は、新政府の命で、旧藩士の整理という辛い役目についていた。
だが、それも廃藩置県によって御役御免。
すでに戊辰の戦で倅を亡くしている老武士は、家財を売り払い、幼い孫を連れて桑名を離れたが……「五郎治殿御始末」。
江戸から明治へ、侍たちは如何にして己の始末をつけ、時代の垣根を乗り越えたか。
激動の世を生きる、名も無き武士の姿を描く珠玉の全6編。
江戸から明治へ移り変わる激動の時代に己の信条と葛藤しながら必死に生きようとした武士たちを描いた短編集です。
この中の一編の「柘榴坂の仇討」が映画化されて現在公開中です。
時代が大きく変わる狭間で、屈折した感情を抱きつつ、不器用に、愚直に生きた”元”侍たち・・・。
名作『壬生義士伝』ほどではありませんが、いかにも浅田次郎という感じの物語ばかりでなかなか楽しめました。
この小説の満足度:☆☆☆☆