万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

反政府勢力は軍事支援費の提供を約束しては

2011年03月08日 15時31分02秒 | 中近東
空爆にシリア兵ら外国操縦士か=カダフィ派牙城防衛に2万人-リビア(時事通信) - goo ニュース
 独裁体制の維持を目論むカダフィ派は、外国人兵士を雇って、自国民に攻撃を加えるという、手段を選ばぬ暴挙に出ているようです。特に空軍のパイロットを重点的に増員していますので、このままの状況が続けば、民間人をも標的とした激しい空爆が予想されます。

 独裁と対峙してきた民主主義国家は、反政府勢力を支援するために介入したいところなのですが、その障壁の一つに、財政問題があります。NATO加盟諸国は、どの国も財政健全化に取り組んでおり、他国への軍事支援に予算を割けるほどの余裕がありません。この状況を打破するためには、反政府勢力側の暫定政府が、ポスト・カダフィ体制をにらみ、外国の支援国に対して、経費の提供を打診してはどうかと思うのです。リビアは、天然資源に恵まれていますので、将来、民主的な政体に移行した後に、資源収入の一部をこれに充てることができます。

 独裁体制の返り咲きは、悪夢でしかありません。民主化が後退しないよう、国際社会との協力の道が模索されるべきと思うのです。

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物価安はカダフィではなく天然資源の恩恵

2011年03月07日 15時44分12秒 | 中近東
破格、ガソリン1リットル当たり10円=市民「カダフィ大佐だからできる」―リビア(時事通信) - goo ニュース
 洗脳とは恐ろしいもので、リビア国民の中には、国内の物価が安いのは、カダフィ体制ゆえの恩恵と信じ込んでいる人がいるそうです。しかしながら、物価安の最大の要因は、リビアが資源国であることに他ならないと思うのです。

 資源国の特徴は、資源の海外への売却益があるため、GDPの値が低く、税収が僅かても、国民の生活が豊かなことです。リビアの物価水準が低いのも、カダフィ氏の統治手腕ではなく、石油や天然ガスといった天然資源の賜なのです。むしろ、民主主義の制度がありませんと、この膨大な資源益は、配給権を独占している独裁者の好き勝手に使われることになります。実際に、カダフィ一家の蓄財は、ゆうに数兆円を越え、贅沢三昧の暮らしぶりは、既にメディアを通して報じられています。その一方で、独裁者は、自らと敵対している勢力に対しては、冷遇することもできるのであり、東部の人々が、独裁体制打倒に立ち上がった背景にも、長期にわたる不公平な予算配分や経済的な締め付けがあったことは想像に難くありません。

 カダフィ政権側は、石油施設の確保に躍起になっており、この姿勢からも、独裁政権の権力基盤が、資源益の配分権にあったことが伺えます(社会・共産主義の本質は、配分権の独占…)。カダフィ独裁政権が倒され、民主的な政権が樹立されれば、国民は、資源収入をより公平に予算化し、国民の声を反映させたた政策に振り向けることができるのではないでしょうか。

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反体制派は国連以外に支援要請を

2011年03月06日 15時41分39秒 | 中近東
カダフィ派、無差別砲撃 ザーウィヤ住宅地、市民巻き添え(産経新聞) - goo ニュース
 一端、独裁体制が成立すると、それを崩壊させることは、極めて困難です。何故ならば、得てして、国費を費やして先端的な兵器を揃えた体制側が、軍事力おいて反体制派を圧倒し、両者の間に埋めがたい兵力差があるからです(体制側の離反を期待するしかない…)。

 特に、現代という時代にあっては、戦場でより多くの血を流し、犠牲を払うのは、兵器に劣る反体制側となります。ここで、もし、内政干渉を理由に、誰も反体制側に救援の手を差し伸べないとしますと、最悪の場合には、独裁体制が返り咲いてしまう可能性も否定できないのです。狂気が支配するリビアのカダフィ政権は、ヒトラーのナチス・ドイツと然したる違いはありません。

 第二次世界大戦では、連合国側は、全体主義による独裁体制の打倒を掲げて戦争を遂行し、この流れにある国連もまた、独裁体制は、消滅させるべき人類の敵とみなすはずでした。しかしながら、国連の安保理には、中華人民共和国とロシアが常任理事国の席に陣取り、独裁擁護の立場を表明しています(中国は、自らも一党独裁…)。また、国連には、中国の他にも、多くの独裁国が加盟してもいるのです。この事実を見ましても、リビアの反体制派が、国連に空爆を要請しても、安保理決議が成立する見込みはほとんどないのです。

 伝えられるところによりますと、カダフィ独裁政権側は、無差別に住民に攻撃を加え、死者の数も日増しに増えているそうです。反体制派は、空爆を要請するならば、国連安保理ではなく、アメリカやNATOといった、民主主義陣営の諸国に軍事支援を求めるべきではないかと思うのです。

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カダフィ独裁政権の因果応報

2011年03月05日 16時49分36秒 | 中近東
リビア首都の東西で戦闘激化、死傷者が急増(読売新聞) - goo ニュース
 リビアの”最高指導者”とされるカダフィ氏は、1969年に無血クーデタによって独裁者の地位を手にしました。政権掌握の原点にかえって考えてみますと、カダフィ氏の正当性とは実に脆いものであり、既に消滅していると言えそうです。

 クーデタによる政権の樹立とは、国権の”簒奪”と紙一重であり、常に正当性の問題がつきまといます。実際に、リビアでは憲法があってなきが如しであり、最高指導者の地位は単なる既成事実に過ぎず、法的な根拠は一切ありません。つまり、合法性は皆無であり、カダフィ氏は、自らの地位をもっぱら”革命指導者”としての実績によって正当化してきたのです。カダフィ政権の正当性が”革命”にあり、それ故に軍を率いてクーデタを起こすことが許されるならば、カダフィ氏は、独裁腐敗政権の打倒を掲げて政権からの離反し、攻撃を開始した反政府勢力の存在を認めざるを得ないはずです。反体制派は、40年前のカダフィ氏と同様に、”世直し”を訴えているのですから。

 反乱によって独裁者の地位に就いたカダフィ氏が、反乱によって倒れるのは因果応報と言うものです。願わくば、独裁体制崩壊後に誕生するであろう新たな政権は、現代国家として、国民の支持という民主的な正当性の上に立脚していただきたいと思うのです。二度と、独裁者が出現しないように。
 
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リビア和平案―体制選択の国民投票を実施しては

2011年03月04日 14時52分19秒 | 中近東
リビア反体制派が政権側を中部に撃退、和平案に懐疑的な見方(トムソンロイター) - goo ニュース
 ベネズエラのチャペス大統領がリビア情勢についての和平案を提示した、とのニュースが報じられています。チャペス大統領自身が独裁傾向の強い人物ですので、リビアでの独裁体制の延命を狙った仲介である疑いは濃厚です。

 しかも、カダフィ独裁体制では、秘密警察や”親衛隊”が暗躍していますので、安易に和平案に応じると、独裁体制に抵抗する人々が、秘密裏に抹殺される可能性もあります。カダフィ氏は、目的のためなら手段を選びませんので、独裁体制の存続を前提とした和平案では、合意内容がなし崩しになる怖れがあるのです。そこで、もし、和平案を提起するとしたら、それは、対立の究極的な解決策として、国民による体制の自由選択を含むものでなければならないと思うのです。つまり、将来のリビアの国家体制について、全土における国民投票を実施するのです(東部独立案を選択肢とするか、否かも、検討課題…)。もちろん、この国民投票は、政権側の票の操作といった不正や票の買収、あるいは、有形無形の圧力があってはならず、選挙の公正性と国民の選択の自由を保障するために、国際選挙監視団の派遣が必要となるかもしれません。

 常々、カダフィ氏は、”自分は国民から支持され、愛されてている”と広言を吐いていますし、直接民主主義が理想なそうですので、この案に反対する理由はないはずです。和平案は、リビアの未来はリビアの国民が決める、という基本線に沿って提起されるべきあり、独裁体制寄りの和平案には要注意と思うのです。

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リビア反体制派の空爆依頼の行方―政治決定か司法判断か

2011年03月03日 15時32分43秒 | 中近東
リビア反体制派、空爆要請へ 前司法書記、国民評議会代表に(産経新聞) - goo ニュース
 リビアで発生したカダフィ独裁に対する反政府運動は、ついに内乱の様相を呈し、両派による武力衝突に発展しています。反体制派は、国連に空爆を要請したと報じられているものの、安保理では、拒否権を持つ常任理事国の中国やロシアの反対が予想されます。

 国連の安保理決議を、唯一の国際法上の合法性の源泉としますと、拒否権によってブロックされ、リビアの反体制派は、独裁者の手足と化した外人傭兵部隊や親衛隊に虐殺される可能性があります。その一方で、カダフィ氏に対しては、国際刑事裁判所で捜査の手続きが開始されております。もし、人道上の罪が認定されれば、安保理の決議が成立しなくとも、国際法上の軍事的制裁の合法性には、然したる問題は生じないはずです(安保理の政治決定よりも、司法判断が優先される事例となる…)。むしろ、自国民に対して非人道的な行為を行った独裁者を放置する一方で、反体制派を見殺しにするとすれば、国際社会は、道義的な責任を問われることになります。

 反体制派は、空爆を外国人傭兵部隊の拠点に限定し、外国軍隊の派遣による介入は望んでいないそうです。反体制派の自力解放を願いつつも、万が一に備えて、国際社会も、国家を独裁者に乗っ取られたリビア国民救済のための準備を整えるべきと思うのです。

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リビア反政府勢力に迫る決断の時

2011年03月02日 15時05分29秒 | 中近東
米、地中海に揚陸艦派遣…リビア人道支援念頭(読売新聞) - goo ニュース
 リビア情勢については、カダフィ独裁政権側の反撃が報じられる一方で、解放された東部では、カダフィ後を睨んだ暫定政権樹立が模索されているそうです。早期の独裁政権崩壊を目前としながら、事態は一進一退のようです。

 小火器しか持たない反政府側は、人数では優っていても、火力では、圧倒的にカダフィ独裁側が有利なそうです。外国人の傭兵や親衛隊で固められたカダフィ側部隊が、軽武装の国民を先端兵器で殺害し、無慈悲に弾圧するとは、本末が転倒しています。リビア国民の悲しみと怒りは、想像に難くありません。こうした苦境の中でも、反政府側の人々は、リビアを独裁者の手から取り戻すために、義勇兵を募り、軍事訓練を開始するなど、首都奪回に向けての準備を始めているそうです。リビア人の手によるリビアの解放こそ最善の策であり、カダフィ後のリビアにとっても国民の団結という意味において望ましいことなのですが、火力に劣るため、多大な命の犠牲が予測されると共に、独裁政権側によって徹底的に潰される可能性もないわけではありません。一方、外国の支援を要請するとしますと、リビア国民の犠牲を最低限にとどめ、確実に独裁政権を倒すことができますが、カダフィ後に、外国支援反対派との間に”しこり”を残す可能性もあります。

 リビア国民の多くは、リビアの未来を開くために、命をかける覚悟で独裁者との闘いに臨んでおります。その気持ちを汲めば、リビア国民によって解放を成し遂げてもらいたいと願いつつも、カダフィ政権の返り咲きは、全世界の独裁者を喜ばせ、人類にとっては、悲劇でもあります。反政府勢力は、政治的な決断を迫られており、それは、中東の歴史、延いては、人類の歴史を変えるかもしれないのです。

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独裁者の”国際幽閉制度”を

2011年03月01日 15時29分21秒 | 中近東
カダフィ氏の即時退陣迫る クリントン米長官が演説(朝日新聞) - goo ニュース

 リビアの独裁者カダフィ氏については、亡命の噂も囁かれていますが、どの国も、人道に反する残虐な行為を行った人物を受け入れたくはありません。民主的な国家であればあるほど、国民からの強い反発を受けることは必至です。

 かりに、カダフィ氏が自発的に亡命すれば、多くの国民の血が流れることなく独裁体制が崩壊し、リビアは国土が破壊されることなく再出発ができるのですが、亡命を受け入れる国がなければ、事態の収拾が長引き、戦闘が激化する可能性もあります。そこで、独裁者本人およびその家族に限定した上で、資産の持ち出しの禁止、かつ、将来、国内裁判所や国際刑事裁判所からの召喚があった場合には、出廷することを条件に、”国際幽閉制度”を設けてはどうかと思うのです。幽閉を申し出た独裁者とその家族に対しては、幽閉期間中の生命と身体の安全を保障する代わりに、外部との連絡は遮断され、行動は、決めらた範囲に限定されることになります。

 中東から始まった民主化運動の波が、さらに全世界へと広がるとしますと、将来、”国際幽閉所”では、悪名高き独裁者達が顔を揃え、リーダー争いを展開するかもしれません。しかしながら、もはや国民に危険が及ぶことはないのです。

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リビア情勢―出身国は傭兵の引き揚げを

2011年02月27日 14時29分53秒 | 中近東
リビア首都、市街戦へ動き活発化 カダフィ氏住居に戦車(朝日新聞) - goo ニュース
 リビアの首都トリポリでは、市街戦を想定したカダフィ独裁政権の活発な動きが見られるそうです。リビアでは、発生以来、外国人傭兵が、リビア国民を無差別に虐殺してきましたので、今後の行方が懸念されます。

 本日、国連の安保理でもリビアに対する制裁決議が成立したそうですので、傭兵の出身国である国の政府は、傭兵達に対して、自国への帰還、または、戦闘への不参加を命じるべきではないかと思うのです。外国に出向いている傭兵といえども、本国の政府の指示であるならば、対人主権が及びますので、従う義務があるはずです。一方、出身国の政府もまた、自らの国民が、傭兵としてであれ、人道的な罪に問われる行為を行うことを止めさせる責任があります。未必の故意は、許されないのですから。

 そもそも、傭兵として雇われた外国人が、他国の領土でその国の国民に対して銃を向けることは間違っています。しかも、その行為が、リビアの運命にかかわるとなれば、なおさらのことです。傭兵の出身国政府は、蛮行が行われる前に、傭兵の引き上げを急ぐべきなのではないでしょうか。

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カダフィ独裁政権側の懐柔策は”危険な罠”

2011年02月26日 15時46分52秒 | 中近東
カダフィ大佐「敵を打ち負かす」、演説で徹底抗戦呼び掛け(トムソンロイター) - goo ニュース
 反政府側が支配地を拡大し、首都トリポリに迫る勢いの中、カダフィ政権側は、国民懐柔政策を打ち出しているようです。しかしながら、これが、”危険な罠”であることは、言うまでもありません。

 政権側の懐柔策の内容は、1)各世帯への500リビアの配布と、2)公務員給与の最大5割アップとのことです。そもそも、カダフィ一家の不正蓄財は、この事件をきっかけとして暴露されてきており(海外資産が2兆円を越えるとも…)、500リビアの配布の約束は、財政に余裕がありながら、それを国民に隠してきた証拠でもあります。カダフィ氏の執拗で残虐な性格を考慮しますと、この配給を受けて国民が抵抗を止めた途端、一気に反政府側に対する弾圧と粛清に走ることは目に見えています。公務員給与の値上げにしましても、国民生活の向上よりも、自らの政権の藩屏となる”公務員”を増やし、利益を配ることで、政権支持派を固めたいだけなのです。

 エジプトでは、ムバラク独裁政権側が公務員の昇給を約束したことで、国民の怒りを買いましたし、バーレーンでも同様の懐柔政策が行われましたが、その効果はありませんでした。目先の利益をちらつかせ、後で、襲いかかるという罠を仕込んだ懐柔策には、国民は、充分に気をつけるべきと思うのです。

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リビアの夜明けは近い―暫定政府を樹立しては

2011年02月25日 15時51分10秒 | 中近東
リビア無政府状態…部族ら割拠、原油輸出に懸念(読売新聞) - goo ニュース
 首都トリポリの陥落は時間の問題との見方がある中で、リビア全土が無政府状態に陥ることが懸念されています。最悪の場合には長期戦となることもあり得ますので、カダフィ政権の支配が及ばない地域において、まずは、暫定政府を樹立すべきではないかと思うのです。

 リビアは、部族社会とのことですので、各部族や反政府勢力などの代表が集まる「暫定議会」を臨時に設け、当面の治安維持の方法などを話し合い、統治責任の分担と組織化を急ぐことができれば、とりあえず、無政府状態による社会的混乱を防ぐことができます。石油の採決権については詳細は分かりませんが、石油関連施設やガス田の安全が確保することによって、東部の港から輸出することもできるはずです。ただし、ここで、石油輸出による収入が独裁者や一部の人々の懐ではなく、国庫に収められるような透明性のある仕組みを造りませんと、利権をめぐる内紛がリビアを再び混乱と対立に陥れることになります。

 独裁体制が崩壊した後に、臨時に設立した暫定政府は解散し、統一リビアとしての憲法制定議会を設け、国民投票によって民主的な新憲法が制定されれば、リビアの未来は開けます。リビアの夜明けは近いのかもしれません。

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最少の犠牲でカダフィ独裁体制の崩壊を

2011年02月24日 15時50分10秒 | 中近東
カダフィ政権、東部の支配失う=リビア「分裂」、死者1000人か―軍の離反も進む(時事通信) - goo ニュース
 秘書官によるカダフィ氏暗殺が失敗に終わったとする情報が飛び交う中、リビア情勢は、何時終局を迎えるのか、予測し難い状況が続いています。当局の報道統制による情報不足と、未確認情報の交錯は、リビアを覆う煙幕となっているからです。

 ただ一つ、独裁体制打倒を目指す反政府軍とあくまでもカダフィ体制を維持したい政府側との闘いは、首都トリポリを最後の決戦場とすることは、確かなようです。カダフィ体制側は、おそらく首都に立て篭もる作戦を採らざるを得ず、そのまま戦闘状態に突入すれば、トリポリ市民を盾にするか、再度、無差別虐殺の挙に出る可能性もあります。トリポリ市内の様子は分かりませんが、これ以上の犠牲を避けるべく、反政府側は、トリポリを完全に包囲した後、まずは、カダフィ陣営側に投降を呼びかけてはどうかと思うのです。カダフィ氏本人が降伏しなくとも、政権を支えてきた人々が投降に応じたり、大挙して離反すれば、独裁体制は、おのずと崩壊します。もちろん、カダフィ政権側が、トリポリ市内で無差別虐殺行為を既に始めているとしたら、時間の猶予はありませんので、即、市民の安全を守るために戦闘となることは、致し方ありません。

 昨日のカダフィ演説は、平和的な手段による解決を自ら放棄したに等しく、こうなった以上、反体制側も、国民の犠牲を最少にとどめながら独裁体制を崩壊に導くべく、周到な作戦を練るべきではないかと思うのです。

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カダフィ独裁―国家の私物化を許してはならない

2011年02月23日 14時33分06秒 | 中近東
カダフィ氏「最後まで戦う」「一軒ずつ回って粛清」(朝日新聞) - goo ニュース
 国営テレビが報じたカダフィ氏の演説を聞いた反政府側の人々も、リビア国民を救うために、「最後まで戦う」ことを心に誓ったはずです。独裁体制に反対する国民を”くず”と罵り、冷酷な粛清を予告したのですから。

 リビアは、世界第8位の石油産出国である上に、天然ガスの輸出国でもあります。国家の歳入の大半は、天然資源によるものであり、その莫大な収入が、カダフィ独裁体制を支えてきたことは言うまでもありません。そうして、資源が富の最大の源泉であるからこそ、独裁者にとっては、国民は不要な存在なのです。むしろ、国民などいない方が、資源も富も自分一人で独占できると密かに目論んでいるのかもしれません。国家を私物化したカダフィ氏は、法外な給与で外国人傭兵を雇い、国民を大量虐殺してでも、権力と富を手放したくないのです。自分一人とリビアの土地があればよいのですから。

 支配欲と物欲の塊であり、国民など眼中になく、利己心のみで行動する誇大妄想家の独裁者に、リビアは乗っ取られているようなものです。カダフィ氏が、国民に刃を向けた以上、リビアの人々が自らの国を取り戻す道は、独裁体制の崩壊しかないのではないかと思うのです。

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カダフィ独裁政権の国民空爆―人道的軍事介入が必要では

2011年02月22日 13時17分55秒 | 中近東
リビア戦闘機がデモ隊攻撃 「死者160人超す」報道も(朝日新聞) - goo ニュース
 リビアの首都トリポリでは、カダフィ独裁体制側が、デモ隊に対して空爆を行い、多数の死傷者が出ているようです。通信が遮断されているため、詳細は不明ですが、このままこの蛮行を放置しますと、無差別殺戮による”皆殺し”が起きます。

 ユーゴスラヴィア紛争でも、NATO軍は、大量虐殺を阻止するために、人道的な軍事介入に踏み切りました。リビアで発生している国民の大量殺戮を阻止するために、国際社会は、一刻も早く、軍事的介入の準備を急ぐべきではないでしょうか。まずは、至急、リビアの独裁者に対して、これ以上の殺戮を行えば、軍事的対抗措置も辞さないことを、重大な警告として伝えるべきです。

 国連レベルでは、中国の反対で決議は成立する見込みはありませんので、ここは、有志の諸国が動くしかありません。エジプト軍といったアラブ諸国の軍隊(リビア側からの抵抗は少ない…)、あるいは、米軍やNATO軍、さらには、アラブ諸国との和平推進のためにイスラエル軍が介入することもあり得ます。国際社会が行動しなければ、誰も危機にあるリビアの国民を救うことができないかもしれないのですから。

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リビアのカダフィ体制崩壊は政権内部の離反からか

2011年02月21日 15時25分43秒 | 中近東
駐印リビア大使が辞任、リビア政府のデモ隊弾圧に抗議(トムソンロイター) - goo ニュース
 リビアの治安部隊は、カダフィ大佐に雇われた外国人の”親衛隊”と化しており、国民弾圧の凄まじさは、近隣の中東諸国とは比べようもありません。しかしながら、凄惨を極める中にも、カダフィ独裁体制の崩壊の兆しがないわけではありません。

 それは、駐印リビア大使が、国民への武力弾圧に抗議し、辞任したことです。リビア大使として、これ以上、政府内に留まることは、良心が許さなかったのでしょう。独裁政権といえども、もし、政権内部にわずかなりとも国民を慈しむ心を残しているリビア人が存在しているとすれば、この惨事に心を痛めているはずです。そうして、もし、政権内部に正義感と勇気を持つリビア人がいれば、独裁者への離反を決意するはずです。駐印リビア大使のように。

 カダフィ大佐は、暴力で国民を捩じ伏せようとしていますが、その足元が崩れた時、独裁者の運命も決せられます。国民に味方するのか、あくまで独裁者の手先になるのか、リビアの未来は、政権内部の人々の決断にもかかっていると思うのです。

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