河野談話見直しに反対する意見の中には、日本国は、過去に対する反省がなく、”再び戦前の誤りを繰り返している”との批判があります。しかしながら、河野談話こそ、戦前の日本国の誤りの繰り返しではなかったかと思うのです。
教科書等では、第一次世界大戦の最中の1915年1月18日、日本国は、袁世凱政権に対して「対華二一か条の要求」を突きつけ、最後は、最後通牒を以って受託させたと記述されています(5月7日)。現在でも、ネット上の外国のサイトでも、この事件が、西欧諸国に日本国に対する猜疑心を抱かせ、日英同盟破棄や国際的孤立を招くのみならず、中国国内でも、激しい反日運動が起きる切っ掛けとなったと説明しています。ところが、その真相は、と申しますと、教科書的な定説とは違っているようなのです。そもそも、二一か条の要求内容は、前年1914年12月から始まる袁政権との交渉において提起されたものであり(内容自体も、当時の基準に照らせばそれほど過剰な要求ではなく、米独を除く列強は承認…)、孫文は、その要求項目自体は、袁世凱自身が起草したものであり、自らの皇帝位を日本政府に承認してもらうための譲歩であったと述べています。最後通牒に至っては、当事者の加藤高明外相は、”袁世凱からの要請であった”と証言しており、いわば、日華間の取引であったことを明かしているのです。ところが、中国側は、要求内容を改竄するなど、日本国政府が中国に対して傲慢不遜な態度で武力を背景に要求を押し付けたとする印象を植え付けるべく、国内外で積極的な宣伝活動を展開するのです。
「対華二一か条の要求」をめぐる経緯は、日本国に、アジア流の裏取引に迂闊に応じると、大火傷をすることを教訓として残しています。しかしながら、河野談話を見る限り、この教訓が十分に活かされたとは思えません。何故ならば、韓国側が持ちかけた取引、すなわち、”日本国側が強制性を認めれば、今後は歴史問題は持ち出さない”とする約束を信じて河野談話を公表したところ、逆に、国際宣伝に利用され、アメリカ下院等の対日批判決議に根拠を与えてしまったのですから。歴史を直視すれば、河野談話は、過去の失敗の繰り返しであったと言わざるを得ないのではないでしょうか。
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