中国、西沙諸島に対艦ミサイル配備か 射程400キロ
共和党の指名候補争いでトップの座を保ってきたトランプ氏が在日米軍の撤退や日本国の核武装に言及したことで、アジア情勢は、俄かに不透明感を増しています。タガが外れ、日米同盟の抑止力で抑えてきた中国が、軍事力にものを言わせてアジアに華夷秩序を復活させるシナリオも否定できないからです。
中国によるアジア支配の悪夢が現実味を帯びるわけですが、仮にトランプ氏が大統領に当選し、アジアから兵力を撤退させるとしますと、南シナ海問題もまた危機的な状況を迎えます。米軍の撤退による力の空白を埋めるべく、仮に、日本国が、防衛力増強や核武装等によって辛うじて自国の領土防衛を実現したとしても、南シナ海については、現在の自衛隊の軍事力だけでは、中国による軍事基地化の野望を阻止することは困難です。中国は、既にパラセル諸島のウッディ等に対艦ミサイルを配備したと報じられていますが、一旦、軍事基地化が既成事実化されますと、国際海洋法秩序は有名無実となり、南シナ海は”中国の海”と化すことでしょう。
ウッディ島への対艦ミサイル配備は、仲裁裁判所の判断など、今後如何なる不利な状況が発生しても、武力での占有を継続することの意思表示であるのかもしれません。こうした中での米軍のアジアから撤退は、パラセル諸島やスプーラトリ諸島をめぐって中国と領有権を争っている東南アジア諸国をも見捨てると共に、国際法秩序の崩壊を意味します。日本国のシーレーンもまた、安泰ではないことは言うまでもありません。習主席がアメリカに持ち掛けた太平洋を米中二大国で分けるという米中二分論は、トランプ政権において実現しかねないのです。
トランプ候補は、”偉大なアメリカ”の復興を訴えておりますが、そこには、弱き国々を援け、平和を護るアメリカ流のヒロイズムはあるのでしょうか。将来、”後は野となれ、山となれ”の感覚で、南シナ海問題からもアメリカが完全に手を引くとなりますと、米国の軍事的抑止力、否、”警察力”なくして法の支配の原則に裏打ちされた国際秩序を維持できるのか、という問題に、日本国、並びに、国際社会は、否が応でも直面せざるを得なくなります。2016年は、あらゆる側面で、波瀾の年となりそうなのです。
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中国によるアジア支配の悪夢が現実味を帯びるわけですが、仮にトランプ氏が大統領に当選し、アジアから兵力を撤退させるとしますと、南シナ海問題もまた危機的な状況を迎えます。米軍の撤退による力の空白を埋めるべく、仮に、日本国が、防衛力増強や核武装等によって辛うじて自国の領土防衛を実現したとしても、南シナ海については、現在の自衛隊の軍事力だけでは、中国による軍事基地化の野望を阻止することは困難です。中国は、既にパラセル諸島のウッディ等に対艦ミサイルを配備したと報じられていますが、一旦、軍事基地化が既成事実化されますと、国際海洋法秩序は有名無実となり、南シナ海は”中国の海”と化すことでしょう。
ウッディ島への対艦ミサイル配備は、仲裁裁判所の判断など、今後如何なる不利な状況が発生しても、武力での占有を継続することの意思表示であるのかもしれません。こうした中での米軍のアジアから撤退は、パラセル諸島やスプーラトリ諸島をめぐって中国と領有権を争っている東南アジア諸国をも見捨てると共に、国際法秩序の崩壊を意味します。日本国のシーレーンもまた、安泰ではないことは言うまでもありません。習主席がアメリカに持ち掛けた太平洋を米中二大国で分けるという米中二分論は、トランプ政権において実現しかねないのです。
トランプ候補は、”偉大なアメリカ”の復興を訴えておりますが、そこには、弱き国々を援け、平和を護るアメリカ流のヒロイズムはあるのでしょうか。将来、”後は野となれ、山となれ”の感覚で、南シナ海問題からもアメリカが完全に手を引くとなりますと、米国の軍事的抑止力、否、”警察力”なくして法の支配の原則に裏打ちされた国際秩序を維持できるのか、という問題に、日本国、並びに、国際社会は、否が応でも直面せざるを得なくなります。2016年は、あらゆる側面で、波瀾の年となりそうなのです。
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