2008年アジア アジア台頭は世界を利する――フィナンシャル・タイムズ(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース
2008年にも続くと見られるアジアの経済成長は、市場の拡大とそれに伴う利益の増大という側面においては、確かに世界を利することになりましょう。しかしながら、その反面、政治的な自由化や民主化が進展しない場合には、アジア各国では、政情の不安定化、または、独裁体制の強化が起きる可能性を秘めています。
楽観的なシナリオでは、市場経済化は、やがて政治的な民主主義をもたらすとされていますが、そうとばかりは言えない面があります。何故ならば、経済的な自由と政治的な自由は、同一線上に位置しているわけではないからです。経済の自由化とは、私的所有権、営業の自由、契約の自由、職業選択の自由といった諸自由や諸権利が保障されることによって実現しますが、政治の自由化は、まずもって、政治的な選択、つまり、政治思想や信条の自由が許されていなくてはなりません。このことは、取りも直さず、共産主義を唯一の公認のイデオロギーとする共産主義体制や特定の人物が生殺与奪の権を握る独裁体制では不可能であることを意味しているのです。言い換えますと、経済的自由化から政治的自由化への経路は、必ずしも直線ではなく、わずかに財政を接点に通じていたとしても、政治的に遮断されてしまうかもしれないのです。
このように考えますと、アジアの民主化は、市場経済化よりもはるかに難しく、しかも、経済成長に伴う利権の拡大は、共産党などの現政権が利権を独占し、手放したがらない要因ともなります。そうして、アジアが政治的に停滞し、経済的な豊かさが人々の生活向上に繋がらないとするならば、アジアの人々にとりまして、大変不幸なことなのではないか、と思うのです。
来る年が、皆様方にとりまして、良い年でありますように。
2008年にも続くと見られるアジアの経済成長は、市場の拡大とそれに伴う利益の増大という側面においては、確かに世界を利することになりましょう。しかしながら、その反面、政治的な自由化や民主化が進展しない場合には、アジア各国では、政情の不安定化、または、独裁体制の強化が起きる可能性を秘めています。
楽観的なシナリオでは、市場経済化は、やがて政治的な民主主義をもたらすとされていますが、そうとばかりは言えない面があります。何故ならば、経済的な自由と政治的な自由は、同一線上に位置しているわけではないからです。経済の自由化とは、私的所有権、営業の自由、契約の自由、職業選択の自由といった諸自由や諸権利が保障されることによって実現しますが、政治の自由化は、まずもって、政治的な選択、つまり、政治思想や信条の自由が許されていなくてはなりません。このことは、取りも直さず、共産主義を唯一の公認のイデオロギーとする共産主義体制や特定の人物が生殺与奪の権を握る独裁体制では不可能であることを意味しているのです。言い換えますと、経済的自由化から政治的自由化への経路は、必ずしも直線ではなく、わずかに財政を接点に通じていたとしても、政治的に遮断されてしまうかもしれないのです。
このように考えますと、アジアの民主化は、市場経済化よりもはるかに難しく、しかも、経済成長に伴う利権の拡大は、共産党などの現政権が利権を独占し、手放したがらない要因ともなります。そうして、アジアが政治的に停滞し、経済的な豊かさが人々の生活向上に繋がらないとするならば、アジアの人々にとりまして、大変不幸なことなのではないか、と思うのです。
来る年が、皆様方にとりまして、良い年でありますように。