かねてより火星移住計画を推進してきたアメリカの民間宇宙企業スペースXの創業者、イーロン・マスク氏は、Xプライズ財団のピーター・ディアマンディス氏とのインタヴューにあって、火星への飛行は‘生きて帰れない旅’となるかもしれないと述べたと報じられています。同氏は、「火星への移住計画が人類存続のカギになると確信」しているそうですが、この計画こそ、もしかしますと、地球温暖化問題の謎を解くカギになるのではないかと思うのです。もっとも、本記事は推理の一つに過ぎず、誤りでありましたならば、申し訳なく存じます。お話を進めるに先立ちまして、予めお詫び申し上げます。
何故、一見、地球温暖化問題と火星移住計画という、全く関係のないように見える二つの事柄にあって関連性を見出したのかと申しますと、火星の大気組成を知ったからです。火星の大気は、何とその95%が二酸化炭素と言うのです。地球の大気における二酸化炭素の割合は、わずか0.03%に過ぎません。地球と比較しますと、火星の大気における二酸化炭素濃度が如何に高いかが分かります。火星という惑星に人類が移住し、生活の地としようとするならば、まずは大気における高濃度の二酸化炭素こそ最大の障壁となりましょう。
そして、ここに、火星の移住計画と地球温暖化問題を繋ぐ線が見えてきます。地球の気温上昇の抑制が目的であれば、メタンやフロンといったより高い温室効果ガスの排出規制の方が効果的ですし、’地球を護ろう’ということであれば、他の有害な大気汚染物質の規制強化の方が理に適っています。それにも拘わらず、どうしたわけか、二酸化炭素の排出規制のみが突出しているのです。これは、不可解な謎です。しかも、上述したように、地球の大気における二酸化炭素濃度は0.03%です。この二酸化炭素濃度の低さから、地球温暖化二酸化炭素犯人説を疑う声もあるぐらいなのですが、仮に、二酸化炭素に拘る真の目的が、「テラフォーミング」と呼ばれる火星の改造であるならば、二酸化炭素を処理するテクノロジーは、同プロジェクトの実現には必要不可欠となりましょう。
もっとも、火星の大気は、質量にあって地球の凡そ200分の1しかなく、二酸化炭素から酸素を造り出して人類の居住地にするには、現状では二酸化炭素そのものの絶対量が少なく、2018年8月の時点では、マスク氏も火星のテラフォーミングを諦めたと報じられています。’火星の極致にある二酸化炭素の氷を核兵器で溶かして温暖化効果を起こさせる’とったアイディアもあったようですが、全ての氷を溶かしたとしても絶対量が足りないとして断念されたのです(因みに、火星では、大気の量が少ないとはいえ、二酸化炭素が95%を占めるにも拘わらず、その平均表面温度は-43℃、最低温度は-140℃の極寒の地であり、二酸化炭素の温暖化効果にも疑問が…)。
ところが、断念から3年後の今日、同氏は、’生きて帰れない旅’としながらも、同計画を放棄したわけではありません。2026年までに有人宇宙船による初の火星着陸を目指しており、その乗組員の募集にも意欲を見せているのです(無事に地球に帰還すれば名誉を得られる?)。それでは、同氏が再び火星のテラフォーミングに積極的に取り組むようになった背景には、一体、何があるのでしょうか。もしかしますと、二酸化炭素の固形化技術があるのかもしれません。今日、日本国を初め全世界レベルで二酸化炭素は‘悪者’とされ、温暖化対策として、排出された二酸化炭素を固体化して地下に埋蔵する技術が開発されています。いわば、二酸化炭素は‘産業廃棄物’扱いなのですが、この処理方法の先に、地球外に二酸化炭素を捨てる、すなわち、固体化した二酸化炭素を火星に運べばよいとする意見が登場してもおかしくはありません。
二酸化炭素を地球から火星に運搬する技術の実用化に目途がついてきたからこそ、マスク氏は、一度は断念した火星テラフォーミング計画を再開させたのかもしれません。そして、この推理が正しければ、マスク氏やその支持グループに属するメンバーを除く、全人類には危機が迫っているとも言えましょう。二酸化炭素の大量移送により、火星が人類の生存可能な居住空間に改変され、一部の人々が移住して快適に生活し得たとしても、地球では、二酸化炭素の大量流出から大気圏の菲薄化や植物へマイナス影響も発生し、その結果、酸素が不足し、居住環境が著しく悪化するかもしれないからです。
果たして、この推理、正しいのでしょうか。少なくとも、過激化する地球温暖化問題の背景には、別の目的が潜んでいるように思えてならないのです。