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好きなことだらけさ…

『愛と哀しみのボレロ デジタルリマスター版』

2015年10月18日 | 映画 洋画

1936年モスクワ。ボリショイバレエ団のプリマのオーディションで
惜しくも敗れたタチアナ(リタ・ポールブールド)は、
その帰りぎわに、選考委員のボリス(ジョルジュ・ドン)に声をかけられた。
それをきっかけにやがて二人は結婚するが、スターリングラード攻防戦でボリスは戦死。
残された幼い息子セルゲイを育てながら、タチアナはバレエを続けた。
両親の才能を引きついで
ボリショイ・バレエ団の名ダンサーに成長したセルゲイ(J・ドン二役)は
最高の人気を得るが60年のオペラ座の公演を機に西側に亡命。
母のタチアナは再婚し、モスクワでセルゲイの成長を見守る。
1937年、パリ。人気を集めるキャバレエ“フォリー・ベルジェール”のバイオリニスト、
アンヌ(ニコール・ガルシア)は、演奏中、
ピアニスト、シモン(ロベール・オッセン)の熱い視線を感じる。
やがて結婚した二人は幸せに酔いしれるのもつかの間、
ユダヤ人であったためナチのパリ占領で収容所送りとなる。
乳のみ子を抱いて列車に乗った二人は、赤ん坊だけは助けたいと、
ある駅で列車の外に赤ん坊を置いていった。
シモンはガス室で死亡し、終戦を迎えて無事に救出されたアンヌは、
シモンを失った悲しみをふみ越えて、
昔の仲間と作った音楽隊で地方を巡りながら置き去りにした子供の行方を探す。
その子供は、捨てられた後に、その土地の牧師のもとで育てられ、
ダビッド(オッセン二役)と名づけられ成長していた。
彼はアルジェリア戦争に参加し、除隊した後、パリで作家として成功。
精神病院に入っていた生みの母アンヌと奇蹟の再会を果たす。
同じパリ。ナイトクラブの歌手エブリーヌ(エヴリーヌ・ブイックス)は、
パリに来ていたナチの軍楽隊長カール(ダニエル・オルブリフスキ)と出会い、彼の子を宿すが、
敵に身を許した卑しい女と蔑まれパリを追放され故郷で子供を産む。
私生児として祖父母に育てられたエディット(ブイックス二役)は、
パリに出て貧乏暮しをしながらショウガールになり、
やがてTVのニュース・キャスターになる。
エディットの実の父であるカールは、1938年、ベルリンでヒトラーの前でベートベンを演奏し
認められてパリでの軍楽隊長としての仕事を終え、
ベルリンにいる妻マグダ(マーシャ・メリル)のもとに帰るが、愛児は戦死していた。
戦後指揮者として成功した彼は、
妻と共に、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で米初演を果たすが、
ユダヤ人によるチケット買い占めで、観客わずか二人という屈辱を味わう。
1939年、ニューヨーク。
人気ジャズミュージシャン、ジャック・グレン(ジェームズ・カーン)は、
ヨーロッパ戦線に参加後、アメリカに戻って
妻で歌手でもあるスーザン(ジェラルディン・チャップリン)を交通事故で失う。
娘のサラ(チャップリン二役)は、親の血を受けて同じく歌手として成功し、
息子ジェイソン(カーン二役)はサラのマネージャーになる。
そして、81年、パリ。トロカデロ広場には、多くの観客がつめかけ、
今からはじまるユニセフ・チャリティ・コンサートを息をのんで待ちわびていた。
TVの進行役はエディット。踊り手はセルゲイ、
歌うのはサラとダビッドの息子パトリック(マニュエル・ジェラン)。
運命の糸にあやつられるようにこれらの芸術家たちが、
今、一同に会して、一つの曲ラベルの“ボレロ”のもとに結集されるのだった。
(Movie Walkerより)


1981年公開、クロード・ルルーシュ監督
『愛と哀しみのボレロ』のデジタルリマスター版。
出だしのタチアナの結婚までは記憶にあって、
ジョルジュ・ドンのボレロがあるのは知ってたけど
実はこれをまともに観賞するのは初でした~。
 
事前に友人が親子の役を同じ俳優さんが演じるから
途中で寝ると分けわかんなくなるかもよ、と言ってたので、
気合い入れて観てましたw
1家族の話を年代順に続けて見せていくわけではないので、
確かに分かりにくい。

チラシでは"大河メロドラマの最高傑作"とありますが、
1940年前後の話なので、戦争映画ですね。
戦争によって状況が悪化し、人の心が荒んでいき、芸術を砕いていく映画。
だからこそ、81年のチャリティーコンサートに集結することに意味があるんだろうな。
ラスト15分圧巻のボレロを堪能してきました。

映画鑑賞後に首藤康之さん佐藤友紀さんの
スペシャルトークショー「今、『ボレロ』を語る。」がありました。
首藤さんは「バレエダンサーであり俳優の・・・」と紹介されてました。
俳優さんになってるんだぁ、と思ったら、
今、公開してる『岸辺の旅』にも出てるんですね。知らなかった~。
モーリス・ベジャールとジョルジュ・ドンを熱く語ってました。
「ジェラルディン・チャップリンさんには悪いけど、
歌なんかどうでもいいから、もっとジョルジュ・ドンを!!」と言ってたけど
バレエファンにしてみたら、確かにそうだよなぁ。
首藤さんは何千回も観たと言ってましたww
これぞ「ボレロ」っていうものが映像でしっかり残っているのは
バレエファンにとっても幸せな事です。