日露戦争が勃発した1904年の満州。
軍医として戦地に赴いたセルゲイ・カレーニン(キリール・グレベンシチコフ)は、
患者として運ばれてきたアレクセイ・ヴロンスキー(マクシム・マトヴェーエフ)と出会う。
この男こそ、幼い自分と父から母を奪い、さらには母が自ら命を絶つ原因となった人物だった。
一時は殺意を抱くほど憎んだ相手だが、年齢を重ねた今、母の真実を知りたいと願うセルゲイ。
その問いに答え、ヴロンスキーは彼にとっての真実を語り始める。
1872年の冬。母親を迎えるためにモスクワ駅を訪れたヴロンスキーは、
政府高官アレクセイ・カレーニンの妻
アンナ・カレーニナ(エリザヴェータ・ボヤルスカヤ)と出会う。
後日、舞踏会で再会したアンナとヴロンスキーは、急速に親密になってゆく。
2人の関係はたちまち世間の噂となり、アンナの夫カレーニン伯爵の耳にも届く。
やがて、夫からヴロンスキーとの関係を問い詰められたアンナは、彼に対する愛を告白。
さらに、アンナはヴロンスキーとの子を身籠っていた。
だが、世間体を気にするカレーニン伯爵は離婚を認めなかった。
そんなアンナの周りからは次々と友人たちが去り、
ヴロンスキーと暮らすことのできないアンナには、嫉妬や猜疑心が芽生え始める。
紆余曲折を経てヴロンスキーの子を出産したアンナは、ついにカレーニン伯爵と離婚。
だが、夫が手放さなかった息子セルゲイ(マカール・ミハルキン)とは別れることに。
娘のアーニャが生まれながらも、セルゲイと会えないことに苛立つアンナは、
密かにセルゲイの誕生日にカレーニン伯爵の屋敷を訪問。
再会した息子に、善良で立派な父を愛するよう泣きながら訴える。
その一方で、罪悪感に苛まれたアンナは、
ヴロンスキーとの間に生まれたアーニャを愛することができずにいた。
ヴロンスキーは、そんなアンナを持て余しながらも、
社交界から距離を置き、家族で田舎へ移る計画を立てるが……。
(MovieWalkerより)
先週観に行った映画です。
タイトルやあらすじにもあるように、ヴロンスキーが過去を振り返る形で、
アンナの息子であるセルゲイにアンナとの出来事を語る体裁をとった作品。
なので、ストーリーはあくまでトルストイの「アンナ・カレーニナ」なんですが、
人物のキャラ設定がヴロンスキーから見た人たちってことです。
ヴロンスキーにとっては過去の恋話なんかじゃなく、
生涯唯一の恋人って口ぶりだったけど、
アンナの描写はそんなぁな感じ。
あれじゃあ、罪悪感を抱えながら、ひとり猜疑心にむしばまれ、
平常心を保てなくなり自殺って事ですかね。
まあ、そうなんだけど、そうなってしまったのには
ヴロンスキーにも責任があるわけで。
アンナが社交界からも締め出され、不安でたまらない日々を過ごしている時、
ヴロンスキーだけは社交界への道を閉ざされる事もなく、
領地の経営に夢中になっていたという部分は無かったな。
夫があると知りながら夫人を追いかけまわした上、離婚が成立する前に子供までできて、
社会的に不品行とそしられたのは女性だけ。
ヴロンスキーだって十分罪だろう。
最初にヴロンスキーに対して「あなたの真実を話して」と言ったセルゲイ。
あれがヴロンスキーの真実なのかぁ。
時代の雰囲気と重厚感はしっかり味わえました。
アンナ役のエリザヴェータ・ボヤルスカヤ、
予告の時からフィギュアスケートのメドヴェージェワに似てるなぁと思って観てましたw