秘書検定 62*『気になる言葉遣い』 (4)「~ したいと思います」

2015-03-27 | 秘書検定
  で司会者が使うたびに、「あ、また。。」 と、気になる言葉があります。

「それでは、ゲストの方をお呼びしたいと思います」

「今日はゲストの○○さんに、お話を伺いたいと思います」

司会者が 「思っている」 だけではない証拠に、拍手に迎えられてゲストが登場し、会話が始まります。

「続いて VTR をご覧いただきたいと思います」 と言うと VTR がスタートし、

「今後共ご活躍いただきたいと思います」 と言うと、それに釣られるかのように、ゲストまでが、

「はい、がんばりたいと思います」 と、決意を述べます。


 ストレートな言い方を避けて、その場の雰囲気を和らげたいのか、ただの口癖なのかは分かりませんが、

プライベートな場面ならともかく、言葉を生業とするプロの司会者が多用すると、耳に残ってしまいます。

どうしても使いたい場合は、意志や願望を表す助動詞 「たい」 を、連用形である 「たく」 にして、

「思う」 の謙譲語である 「存じます」 を付けますと、かしこまった場面においては、

「それでは○○様より、お言葉を賜りたく存じます 」 という言い方ができますし、

「ご確認 (ご理解・ご了承 etc.) いただきたく存じます」 と書けば、ビジネス文書としても使えます。

ただ、それをテレビのトーク番組に当てはめますと、なんとも堅苦しくなってしまいますので、

シンプルに、「ゲストの方をお呼びします」 と言う方が、歯切れがよい気がいたします。

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 まもなく4月。

出会いの季節は、自己紹介をする機会が多いものです。

社会人としてスタートする皆さん、

「がんばりたいと思います」

思うだけ?

「がんばりたいです

願うだけ?

「がんばります

爽やかにアピールしてみませんか?


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秘書検定 61*『気になる言葉遣い』 (3)「よろしかったでしょうか?」

2015-03-12 | 秘書検定
  レストランでの会話。

、食後に をお願いします」

、お食事の後に ですね。 ご注文は、以上でよろしかったでしょうか?

う~~~ん、、「なぜ過去形 」 と、疑問が渦巻く瞬間です

たとえば、その場を離れて厨房に入った後で、注文の品を確認するために戻って来たのなら、

注文を受けたのは 「過去」 ですから、質問の形が 「過去形」 になるのも理解できるのですが、

今まさに言葉を交わしながら、「過去形」 で尋ねるケースが多いように見受けます。

そこで、言葉遣いを間違いと決め付けてしまう前に、言葉の背景を探ってみようと考えました。

 さて、ここで言う 「よろしかった」 は 、「良かった ( ⇔ 悪かった )」 ではなく、

許可を求めるときの 「よいか?」 でもなく、「間違いがなかったか?」 という確認の言葉と思われます。

では、誰の 「間違い」 を確認しているのでしょうか。

「お客様は、間違いなく注文なさいましたか?」 という意味なら、客を疑っているように聞こえますが、

「私は、お客様のご注文を間違いなくお受けしましたでしょうか?」 という謙虚な気持ちが、

「よろしかったでしょうか?」 という尋ね方になったように思います。

また 「以上で・・・」 には、「何か注文し忘れている品はありませんか?」 と迫るのではなく、

「他にもご注文の品がありましたら承ります」 と、それとなくやんわり尋ねる配慮から、

「ご注文は、以上でよろしかったでしょうか?」 という、スタッフ自身の確認の言葉になったのでしょう。

それを 「現在形」 ではなく 「過去形」 で尋ねるのは、「~ に なります」 「~ の方 (ほう)」 同様、

ハッキリと言い切ってしまわず、ぼかすことによって丁寧さを表しているのでは? と、解釈してみました。

とはいえ、せっかくの心遣いが伝わらないどころか、不快感を覚える人が多いのも事実であり、

黙認するお店もある一方で、スタッフに禁じている企業もあると聞く、「よろしかったでしょうか?

「よろしいでしょうか?」 ではストレート過ぎて、お客様に失礼では? と、案じる方もおいででしょうが、

とびっきりの笑顔と丁寧な所作が伴えば、明瞭で明確な質問は、必ずや敬意として伝わりますよ。


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秘書検定 60*『気になる言葉遣い』 (2)「~の方(ほう)」

2015-02-28 | 秘書検定
 デパートで気に入った を見つけ、試着しようとしたところ、ハンガーを外しながら店員さんがひと言。

  おサイズの方、ちゃんと確認しましたか?

短い言葉の中に、突っ込みどころが満載。

  「サイズ」 に 「お」 を付けてる

  「おサイズの方」 って、どっちの方

  「しましたか?」 ではなく、「なさいましたか?」 でしょう

   そもそも、客に向かって 「ちゃんと」 って

これらが一瞬にして頭の中を駆け巡りましたが、グッと堪えて 「・・・はい


 「~の方(ほう)」 には、3種類の使い方があります。

 1 複数のものを並べて比較するとき

     より の方が好きだ

 2 方面・方向・方角を表すとき

    車が駅の方に走り去った 

 3 ぼかす言い方をするとき

    お体の方は、もう大丈夫ですか?


 先ほどの店員さんのように、お店やレストランで使われることが多い 「~の方」 は、

お客様に対して直接的な言い方をせず、柔らかい印象を与えようとしているという点で、

3番の 「ぼかす言い方」 に近いかも知れませんが、前回の 「~に なります」 と合わせて、

「レジ袋の方、お付けしましょうか? おつりの方、500円になります」

のように多用されると抵抗感を抱きやすく、心遣いが逆効果になってしまうような気がいたします。

 さて、冒頭の ですが、デザインは気に入ったものの、私には少し小さめでした

おサイズの方をちゃんと確認しなかったことを、見抜かれていたようです

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 秘書検定の面接試験 状況対応 (準1級) や 応対 (1級) では、

「来客役の面接官を応接室に案内する」 という課題が出されることがあります。

  「応接室の方、こちらになります」

  「応接室にご案内いたします。 こちらへどうぞ」

もちろん笑顔で、そして丁寧な立ち居振る舞いを心がけましょう。


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秘書検定 59*『気になる言葉遣い』 (1)「~に なります」

2015-02-22 | 秘書検定
 「言葉」 というものは、聞いているうちに覚えてしまうものです。

そして、覚えた言葉は自然と口から出て来ます。

さらに、何度も口にするうちに、その言葉は自分の中で定着してしまいます。

お友達と楽しく盛り上がる分には、何も問題はないのでしょうが、

お客様や取引先の方とのビジネスシーンにおいては、個人や企業のイメージを保つためにも、

どなたにも違和感を与えることのない言葉を使った方がよいのでは、、と、私は考えます。


 それでは、「気になる言葉遣い」 第一回は、「~に なります」 を取り上げてみます。

結論から申しますと、「~に なります」 は、変化を表す言葉 です。

レストランで食事をすると、お店のスタッフが 「 になります」 と言うのを耳にしますが、

何かが になるはずはなく、今の時点では、まだまだしっくり来ない方が多いように見受けられます。

また、 などで買い物をしますと、「1000円になります 」 と言われることがありますが、

こちらも同様で、私などは背中がゾクゾクする思いをしながら を開いております。

  「 になります」
  「 でございます」

  「1000円になります」
  「1000円でございます」

変化を表す言葉ですので、本来は以下のような場面で使います。

  「 が (から) になります」
  「今年の春、娘は (19歳から) 二十歳になります」 

これらは未来を言い表していますが、未来形で表現できるものは、過去形に言い換えることも可能です。

  「 が (から) になりました」
  「昨年の春、娘は (18歳から) 19歳になりました」 

これを に当てはめてみますと、「 になりました」 となり、やはり無理があるようです


レストランで思い出しましたが、「ご注文の品はお揃いになりましたでしょうか?」 と聞かれることがあります。

これは、「お(御) ~になる」 という尊敬語の形を使ったものと思われますが、

これでは、「ご注文の品  」 を立てることになってしまいます

このような場合は、「ご注文の品は揃いましたでしょうか?」 という言い方がよろしいでしょう。

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 第106回 秘書検定 の受付が、来月から始まります。

今回は 1級と準1級の試験も行なわれますので、面接試験に向けて準備を始める方は、

今の時期からじっくりと取り組むとよいでしょう。

状況対応 (準1級) や 応対 (1級) では、上司役の面接官に書類を渡すしぐさをするという課題も、

過去の面接試験では、実際に行なわれたことがあるようです。

その際には、「書類になります」 ではなく、「書類でございます」 と、自然に言えるといいですね。


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秘書検定 58*応対(1級) (5)来客との会話 

2015-01-30 | 秘書検定
 秘書が上司の 「不在理由」 を伝えますと、来客役の面接官が質問や意向などを述べ、

それに対して秘書が受け答えをしながら双方の会話が続き、面接試験は山場を迎えます。

会話に集中するあまり、表情や姿勢が疎かにならないよう、全身で秘書になりきりましょう。

 ここでは、私が受験した当時に予想したケースを挙げ、それに対する返答をお伝えしますが、

予約の有無などによって謝罪の程度も変わりますし、出題傾向も変化すると思われますので、

あくまで参考程度にお読みくださいますように。


【来客の質問に対する返答】

来客 「私宛てに、何か伝言はありませんか?」

秘書 「申し訳ございません。 特に申し付かっておりません」
    詫びることで、来客の立場に配慮します。


来客 「来週の月曜日の午前中ではいかがでしょうか?」

秘書 「来週の月曜日の午前中ですね? 山田に確認いたしまして、ご連絡させていただきます。
    本日はご足労くださいましたのに、申し訳ございませんでした」
     日時は必ず復唱し、今後の行動を伝え、再度お詫びをします。


来客 「いつなら都合がよいのですか?」

秘書 「山田が戻りしだい確認いたしまして、至急こちらからご連絡させていただきます。
    こちらの勝手でご迷惑をお掛けいたしまして、申し訳ございませんでした」
     「こちらの勝手で迷惑を掛けたこと」に対してお詫びします。


来客 「何時頃お戻りになりますか?」

秘書 「申し訳ございません。 正確な帰社時間は分かりかねます。
    もしお差支えなければ、代わりの者ではいかがでしょうか?」
     課題文に記載されていなくても、代理人が居ると想定して です。


【来客の意向に対する返答】

秘書 「おそれいりますが、○分ほどお待ちいただけませんでしょうか」

来客 「承知しました。 待たせていただきます」

秘書 「ありがとうございます。(45度の分離礼)
    それでは、応接室へご案内いたします。 こちらへどうぞ」(実際に指し示す)
    

来客 「それでは1時間後に再び参ります」

秘書 「1時間後でしたら、山田はお会いできるかと存じますが、
    念のため、お越しくださる前にお電話を頂戴できますでしょうか?
    山田には、中村様が1時間後に改めておみえになることを申し伝えておきます。
    せっかくお越しくださいましたのに、誠に申し訳ございませんでした」
     「せっかく来てくれたのに不在であること」に対してお詫びします。


来客 「他に用事もありますので、後日また出直します」

秘書 「それでは恐れ入りますが、ご都合のよろしい日時を二、三、お聞かせ願えますでしょうか?
    山田が戻りしだい確認いたしまして、中村様にご連絡させていただきます」

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 控室で課題文を読みながら、走り書きしたメモ用紙には、

「予約あり  急な打ち合わせ  席をはずしている」 と書いてあります。

メモを取るのは自由ですが、そのメモを見ながら試験を受けられるわけではなく、内容を理解して臨みます。

その前に 「報告内容」 も覚えなくてはなりませんので、実際のところメモを取る時間も惜しいのですが、

「予約の有無」 と 「不在理由」 だけは文字にして、目と手で記憶しておこうと考えたものでした。

もしも来客役の面接官とのやり取りで時間の話題になったら、手首の内側に巻いた腕時計で確認し、
(腕時計を外側にすると、腕をグッと伸ばして折り曲げることになり、内側の方が女性らしいしぐさに映るため)

伝言を承る場面ではメモを取るしぐさを取り入れようと、いくつかのパターンを考えていたのですが、

実際は・・・

「いらっしゃいませ」 

「ABC商事の中村様でいらっしゃいますね。 いつもお世話になっております」

「中村様、誠に申し訳ございません。 あいにく山田は急な打ち合わせのため、席をはずしております。
 さほど時間はかからないとのことでございますが、お待ちいただくお時間はおありでしょうか」

と述べた時点で、「はい、ここまでにいたしましょう」 と、無情にも打ち切られてしまいました

少し物足りない気はしましたが、これで終わったわけではなく、最後まで気を緩めてはならないと思い直し、

面接官にお礼を申し上げて、緊張感を保ちながら席に戻ったことを懐かしく思い出します。


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