相手を立てて敬語で話したのに、敬語は敬語でも、尊敬語ではなく謙譲語を使ってしまったために気まずくなった
これなら、「です」 「ます」 を付けるだけの、丁寧語で話した方がよかったかも
いえいえ、社会人としては、尊敬語と謙譲語の区別を明確にして、適切な敬語でオトナの会話を楽しみたいものです。
それでは、謙譲語を相手側に使う 「誤用例」 を挙げてみます。 ( 謙譲語 Ⅰ と Ⅱ には分けておりません )
「申込書は、受付で頂いてください」
「お支払いの件は、会計窓口で伺ってください」
「頂く」 「伺う」 という謙譲語を使うと、お客様を低く、そして自分側である同僚を高く述べることになります。
仮に受付や会計窓口のスタッフが職場の先輩であっても、お客様の前で立てる必要はありません。
「申込書は、受付でお受け取りください」 「申込書は、受付でお受け取りになれます」
「お支払いの件は、会計窓口でお聞きください」 「お支払いの件は、会計窓口でお尋ねください」
(取引先の社員に対して) 「山田部長に、どうぞよろしく申し上げてください」
「山田部長」 は立てていますが、目の前に居る社員を低く言ってしまうことになります。
「山田部長に、どうぞよろしくお伝えください」
「 (上司の)田中課長から、ご説明していただきます」
一見、正しい敬語のように見えますが、「ご ~ する」 は謙譲語を作るときの公式ですので、
これでは、上司である田中課長を低く述べてしまうことになります。
「田中課長から、ご説明いただきます」 「田中課長から、説明していただきます」
ただし、田中課長が説明する相手が、部下ではなくお客様の場合は、
「(課長の)田中からご説明いたします」
「 (上司の)鈴木係長は、既に存じ上げていると思っていました」
「存じ上げている」 は 「知っている」 の謙譲語です。
「鈴木係長は、既にご存じと思っていました」
いかがでしょうか。
「お(ご) ~ する」 を使わない。
頂く ・ 存じる ・ 申す ・ 伺う ・ おる ・ いたす を使わない。
自分が使わないように気を付けていると、他人が使っているのを聞いたときに違和感を覚えるものです。
そのように意識する習慣をつけることで、敬語の区別が明確になってゆくことでしょう。
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第106回 秘書検定の模範解答を見て手応えを感じ、面接試験の準備に取り掛かる方も多いことと思います。
「敬語の誤用*1 二重敬語」 「敬語の誤用*2 尊敬語を自分側に使う」 に続きまして、
今日は 「敬語の誤用*3 謙譲語を相手側に使う」 をお伝えしましたが、
これらの 「敬語の誤用」 は、「緊張する場面になると、つい口から出てしまう」 という話をよく耳にします。
面接試験での緊張を少しでも軽減するために、常日頃から、敬語は読むだけでなく、声に出すことをお勧めします。
「ABC 商事の中村様でいらっしゃいますね。 山田が、いつも大変お世話になっております」
という文をお読みになっている今、顔は を向いて、目線は文字を追っていることでしょうが、
できれば横に鏡を置いて、笑顔で声に出してみてはいかがでしょう。
面接試験では、受験生が 「秘書 A子」 になりきるのと同様に、面接官も 「上司」 や 「来客」 の役を演じます。
こちらが笑顔で話しかけると、面接官の表情もまた笑顔になるのは、ごく自然なことです。
面接官が笑顔を返してくださると、こちらも安心して、そして自信を持って試験に臨め、緊張感も和らぐことでしょう。
お読みくださいまして、ありがとうございます。 クリックしていただけますと励みになります。
これなら、「です」 「ます」 を付けるだけの、丁寧語で話した方がよかったかも
いえいえ、社会人としては、尊敬語と謙譲語の区別を明確にして、適切な敬語でオトナの会話を楽しみたいものです。
それでは、謙譲語を相手側に使う 「誤用例」 を挙げてみます。 ( 謙譲語 Ⅰ と Ⅱ には分けておりません )
「申込書は、受付で頂いてください」
「お支払いの件は、会計窓口で伺ってください」
「頂く」 「伺う」 という謙譲語を使うと、お客様を低く、そして自分側である同僚を高く述べることになります。
仮に受付や会計窓口のスタッフが職場の先輩であっても、お客様の前で立てる必要はありません。
「申込書は、受付でお受け取りください」 「申込書は、受付でお受け取りになれます」
「お支払いの件は、会計窓口でお聞きください」 「お支払いの件は、会計窓口でお尋ねください」
(取引先の社員に対して) 「山田部長に、どうぞよろしく申し上げてください」
「山田部長」 は立てていますが、目の前に居る社員を低く言ってしまうことになります。
「山田部長に、どうぞよろしくお伝えください」
「 (上司の)田中課長から、ご説明していただきます」
一見、正しい敬語のように見えますが、「ご ~ する」 は謙譲語を作るときの公式ですので、
これでは、上司である田中課長を低く述べてしまうことになります。
「田中課長から、ご説明いただきます」 「田中課長から、説明していただきます」
ただし、田中課長が説明する相手が、部下ではなくお客様の場合は、
「(課長の)田中からご説明いたします」
「 (上司の)鈴木係長は、既に存じ上げていると思っていました」
「存じ上げている」 は 「知っている」 の謙譲語です。
「鈴木係長は、既にご存じと思っていました」
いかがでしょうか。
「お(ご) ~ する」 を使わない。
頂く ・ 存じる ・ 申す ・ 伺う ・ おる ・ いたす を使わない。
自分が使わないように気を付けていると、他人が使っているのを聞いたときに違和感を覚えるものです。
そのように意識する習慣をつけることで、敬語の区別が明確になってゆくことでしょう。
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第106回 秘書検定の模範解答を見て手応えを感じ、面接試験の準備に取り掛かる方も多いことと思います。
「敬語の誤用*1 二重敬語」 「敬語の誤用*2 尊敬語を自分側に使う」 に続きまして、
今日は 「敬語の誤用*3 謙譲語を相手側に使う」 をお伝えしましたが、
これらの 「敬語の誤用」 は、「緊張する場面になると、つい口から出てしまう」 という話をよく耳にします。
面接試験での緊張を少しでも軽減するために、常日頃から、敬語は読むだけでなく、声に出すことをお勧めします。
「ABC 商事の中村様でいらっしゃいますね。 山田が、いつも大変お世話になっております」
という文をお読みになっている今、顔は を向いて、目線は文字を追っていることでしょうが、
できれば横に鏡を置いて、笑顔で声に出してみてはいかがでしょう。
面接試験では、受験生が 「秘書 A子」 になりきるのと同様に、面接官も 「上司」 や 「来客」 の役を演じます。
こちらが笑顔で話しかけると、面接官の表情もまた笑顔になるのは、ごく自然なことです。
面接官が笑顔を返してくださると、こちらも安心して、そして自信を持って試験に臨め、緊張感も和らぐことでしょう。
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