ございません*6 だらしない・しどけない

2016-02-02 | 言葉遣い
 長所と短所は、言い方も書き方も、そして捉え方も裏表の関係にあることが多いと思います。

学生さんは、面接試験の場などでご自分の長所と短所を聞かれることがあるでしょう。

自分自身を客観的に捉えているか、短所を克服するよう努めているか、

企業側としては、履歴書だけでは分からない、その人の人柄を知る機会でもあります。

 「裏表の関係」 というのは、たとえば 「優柔不断」 を短所に挙げた場合、

「全員の話に真剣に耳を傾けてしまうあまり、自分の意見を決めかねる」 と言えば、

決して仕切らず、横柄でも傲慢でもない、謙虚で協調性のある人柄を思い浮かべます。

逆に 「仕切ってしまいがち」 を短所とする人は、リーダーシップのある積極的なタイプで、

全体をまとめる才能に長けている人は、職場に必要な存在だと思われることもあるでしょう。

このように面接試験の場などでは、短所を転じて長所につなげる受け答えをすると、

仕事を通じて経験を重ねてゆく中で、成長して行く姿が双方にイメージ出来るものです。


 ただ、どのように考えても短所としか思えないのが、「だらしない所があります」

「だらしない」 のが であっても であっても、もちろん人間関係であっても・・・。

たとえ、「少額ですので、前職でも問題になりませんでした 」 とか、

「期日に遅れたことはありません 」 と慌ててフォローしたところで、時すでに遅し

おおらかで楽天的、細かい事にこだわらないタイプなどと受け取ってくれる企業は皆無です

「私はだらしない」 と言わなくても、服装や姿勢から、そのような印象を与えることもあるでしょう。


 さて、とかく自分を低く小さく評価してしまいがちですが、誰にでも長所はたくさんあるはず。

人に言わないまでも、ご自身の長所を数えて、明るい気持ちになってみませんか?

ご自分だけでなく、あまり上手く付き合えない同僚の、ご自分には無い長所を、

新しく始めようかと迷っている事柄の、デメリットだけでなくメリットを


 ところで、「だらしない」 と似て非なるものに、「しどけない」 という言葉があります。

服装や髪が乱れている姿や、気だるい様子などは、「だらしない」 と似ているのですが、

こちらは妖しさや艶めかしさが感じられて、想像力(妄想 ) が掻き立てられます。

「ございません」 という毅然とした言い方には到底なりそうもない、雰囲気のある言葉です。


お読みくださいまして、ありがとうございます。
クリックしていただけますと励みになります

コメント (2)