お箸*2 「いただきます」 と 「ごちそうさまでした」

2016-02-14 | お箸の世界
 物心ついてから、数えきれないほどの回数お世話になってきたお箸。

そのお箸を手に取る前、そして置いた後に言う言葉といえば、

「いただきます」 そして 「ごちそうさまでした」

親から教えられ、学校給食で同級生と声を揃えて唱えた、食前食後の挨拶。

でもこれって、日本独特の習慣だということをご存じでしょうか?

宗教的なお祈りは別として、諸外国では食事の前後に言葉を発することはあまりなく、

そのため英語圏では、「英訳しにくい日本語」 と言われているそうです。

“ Let's eat ”(さあ、食べよう) は、同席者への声掛けのようなものでしょうか。

でも、女性が食べ始めるのを待って を取るなんて、さすがレディーファースト

“ I'm full ”(おなかいっぱい) は、お料理の味や量に満足したこと、

“ That was delicious ”(おいしかった) は、作ってくれた人への感謝を表します。

韓国語を習っていたとき先生に尋ねたのですが、やはり日本のような習慣はないそうで、

強いて言うなら、「よく食べます」 「よく食べました」 「おいしいです」 となり、

こちらも作ってくれた人への心遣いが感じられる言葉です。


 それでは、日本語の 「いただきます」 と 「ごちそうさまでした」 を見てみましょう。

何を 「いただく」 のかというと、それは 「命」 です。

「命」 と聞けば、 など、お馴染みのメンバーが思い浮かびますが、

も、田んぼや畑で生まれ育った、命あるものなのです

などの自然の恵み、丹精こめて を育ててくれた人、 に出て を獲ってくれた人、

器を作ってくれた人、調理してくれた人、テーブルまで運んでくれた人に感謝して頂きます。


 そして 「ごちそうさま」 は、漢字で書くと 「御馳走様」

「馳走」 とは、その昔、客の食事を用意するために を走らせて材料を集めたのに由来し、

感謝の意を込めて 「御」 と 「様」 が付き食後の挨拶となったのは、江戸時代の後半。

今はスーパーに行けば何でも揃う時代ですが、それは届けてくれる人のおかげですよね

本当に多くの人々のおかげで、私たちは日々の食事が頂けるのだと実感します。


だからでしょうか・・・自分ひとりで食べるときにも言いませんか?

「いただきます」 そして 「ごちそうさまでした」


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