それいゆ と 『111年目の中原淳一展』

2023-12-22 | おでかけ
 15歳の頃、竹久夢二に憧れていた中原少年は、終戦のちょうど1年後である昭和21年8月15日に、

季刊誌『ソレイユ』を創刊。(第8号より『それいゆ』)

戦災に打ちひしがれ、日々を生きることに精一杯だった女性の暮らしを「新しく美しく」したい。

病に倒れ病床で描きながら、昭和35年まで刊行されました。

昭和20年代半ばから30年代にかけては、川端康成、武者小路実篤、幸田文など名だたる文士が寄稿し、

原節子、音羽信子、山本富士子、佐田啓二らが、スタイル画そのもののファッションで登場します。

洋服を家で作るのが珍しくなかった時代、型紙や今で言うリメイク方法も掲載されています。

また、女性は結婚したら家庭に入るのが一般的だったため、「新婚・暮らしのテクニック」なるコーナーも。




『それいゆ』(昭和21年~) 『ジュニア それいゆ』(昭和29年~)
ドクターストップがかかり、両誌とも昭和35年廃刊(中原淳一 47歳)


『ジュニア それいゆ』のモットーは、「十代のひとの美しい心と暮らしを育てる」

中原淳一の描くスタイル画を理想とする女の子たちが集い、未来を夢見て少女の時を過ごします。

昭和30年発行の第3号では、浅丘ルリ子さんの特集が組まれています。

中原淳一 画『緑はるかに』の映画化が決定し、2000人の応募者の中から主役の座を掴んだという記事。

15歳の女の子が、長い髪を切ることを厭わず役に合わせてショートカットにしたことも、

その役名「ルリコ」から芸名を「浅丘ルリ子」にしたことも、このたび本を読んで初めて知りました。

『ジュニア それいゆ』の名物企画「ミスター・ミス ジュニア それいゆ」には、全国から読者が応募。

私の母の従妹も「ミス それいゆ」でした。

終戦から10年が経ち、若者に明るい話題を楽しむゆとりが出てきたのでしょう。



「中原淳一ショップ それいゆ」が、まもなく12月26日に閉店します。




広尾駅から歩いてすぐ。おしゃれな街によく似合うお店でした。



電車を乗り継いで横浜へ
『111年目の中原淳一展』(そごう美術館 ~1月10日)



「アップリケは少女のトレードマーク」(『ジュニア それいゆ』より)


ファッションに留まらず、日々の暮らしを工夫しながら丁寧に過ごした少女たちは、

『ジュニア』の「ボーイフレンドとの付き合い方」という記事を、ドキドキしながら読んだのでしょうか。

そして『それいゆ』が導く生き生きとした夢と美の世界に、どれだけ多くの女性たちが憧れたことでしょう。

時代は違えど、「女の子らしさ」「女性らしさ」に共感することの多い、師走の一日でした。


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2 コメント

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中原淳一展 (hirorin)
2023-12-23 10:46:01
だいぶ前にJR京都伊勢丹でやったのに行った事があります。
私たちの世代では、中原淳一はちょっと前になるけれど、あの世界観や背景はいいですよね。
お洋服も可愛いし。
奥様は、女優の蘆原邦子さんでしたよね。
アップリケのスカート可愛い。
トップスに黒を合わせると少し大人っぽい感じ。

「ボーイフレンドの付き合い方」・・そういうのセブンティーンに載ってたような。小学6年の時、友達のお姉さんが高校生で、一緒に見たり借りたりしてドキドキしたことを思い出しました。
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hirorin さんへ (Julet)
2023-12-24 13:10:45
Merry Christmas

クリスマスはいかがお過ごしでしょうか。

>私たちの世代では、中原淳一はちょっと前になるけれど、あの世界観や背景はいいですよね。

中原淳一も美空ひばりも石原裕次郎も、皆さん若い
私が知った頃には既に中年だったように記憶していますが、
まぁ、それでも今の私よりずっと若いんですけれどね。

>奥様は、女優の蘆原邦子さんでしたよね。

初めて見たのはホームドラマのお母さん役でしたので、宝塚の男役だったと聞いて驚きました。

>アップリケのスカート可愛い。
トップスに黒を合わせると少し大人っぽい感じ。

たしかに
子供っぽく見えないのは、黒を合わせているからなのですね

>「ボーイフレンドの付き合い方」・・そういうのセブンティーンに載ってたような。

私もセブンティーン派でした

この本には、
「あなたにとって自然なのは女のお友達ですが、もし男の人と親しくなったら、お母さまに報告しましょう」
と書いてあります。

親に言えないことの一つや二つあった方が楽しいのは、
この時代の少女たちも同じだったでしょうけれどね。
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