秘書検定 31*『立ち居振る舞い』 (13)手のしぐさ

2014-06-22 | 秘書検定
 昔のアイドル歌手が、デビュー当時のヒット曲の振り付けについて、こんなことを話していました。

「顔を覚えてもらうため、人の目が行きやすい手を、顔の近くに持ってくるような振り付けにしました


 手というものは、思っている以上に人の目につきやすいものです。

「状況対応」(準1級)や「応対」(1級)では、品物はなく動作だけですが、課題内容によっては、

「ことづかって参りました」と書類を手渡したり、「こちらへどうぞ」と応接室に案内することがあります。

そして面接試験の最後には、実際に面接官から「アドバイスシート」を受け取ります。

手を使うシーンは少ないだけに、貴重な機会として、上級秘書に相応しい手のしぐさを身につけましょう。


  それでは、面接試験における手のしぐさのポイントを挙げますので、参考になさってください。

1 面接室に入って荷物台に を載せる際は、両手で静かに、

  そして他の受験者の に倒れ掛かることのないよう、きちんと置きましょう。

2  などを手渡す課題では、両手の指を揃え、掌を上に向け、言葉を添えて丁寧に差し出しましょう。

3 来客を応接室に案内するときの手順

  (1) 立ち方と手の位置を整え、前傾姿勢でお客様の目を見て、「応接室にご案内いたします」と言う。

  (2) 5本指を真っ直ぐに揃えて、片手で応接室の方角を見ながら示す。  指を差すのは

  (3) 再びお客様の目を見て、にこやかに「こちらへどうぞ」と言う。  歩きながら言うのは

4 面接官からアドバイスシートを受け取る際には、お礼を述べて両手で受け取りましょう。

5  のノブの形状はさまざまで、回して手を離した途端、大きな音を立てて戻ることがあります。

  退室時に受験者が開ける場合、ノブは回した状態で保ち、 を閉めてから静かに戻しましょう。


 第一印象が大切であると同時に、人の心には最後の印象が残りやすいものです。

落ち着いた印象、きちんとした印象を残すために、最後まで気を抜くことなく、秘書として演じきりましょう。

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 企業やお店で対応してくれたスタッフの方々を、さりげなく観察してみましたところ、

手のしぐさが美しい人と、そうでない人とでは、どうやら「音」に違いがあるようだと気づきました。

手で何かをすると音がするものですが、それが静かな人と、必要以上に大きな音を立てる人がいます。

たとえば をポンと放る人、 をドサッと置く人、 をガチャンと切る人、 をバタンと閉める人など、

忙しくて大変なのは分かるのですが、見ているこちらまで気ぜわしくなるものです。

まして無造作に放り出された品物が、もしや自分に関する物ではないかと想像しますと、

どんなにテキパキとした仕事ぶりでも、なんとなく心が波立ってしまいます。

 これらの音は、品物が手から離れる際に出てしまうものです。

電話を切るとき、受話器の送話口を手で塞いで、耳に当てる方を先に置くと教えてくれた人がいました。

携帯電話とちがい、切り方によってはガチャッという音を相手に聞かせることになりますので、

最後の瞬間で、それまでの丁寧な受け答えが台無しになってしまうことも。

固定電話を使う機会の少ない若い世代の方々にも、語り継いで行きたい心遣いだと思いました。


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