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カタチの無いカースト制

2009-02-05 | Yoga
『カースト制』・・・インドで古代より続いて来た差別的身分制度。その発祥は、約3000年前のインダス文明の頃に遡り(ヴァルナ制)、自分の身分(職業)は代々固定されてしまいました。これは、アーリア人(白色系)の高い身分を固定化するための制度を作ってしまったとも言われています。

今、日本で『非正規社員』の解雇が続いていて3月末には全国で40万人もの大量解雇が出るのではないかと言われています。

先日、博多駅に用事があって行ったのですが、新幹線側の駅前ロータリーに昼寝をしているホームレスが数人。
ホームレスや生活保護申請がものすごい勢いで増えているのを実感しました。

今の日本は『平等』を憲法で保障されています。

しかし、法的に平等であっても、経済のシステムそのものが平等に機能しなければ、実際は未だにカースト制がひかれているようなもので、路上で生活せざるを得なくなり、そのまま成り上がれなくなる人も増えているわけです。

日本では自立支援もされていますから、古代インドの『ダリット』と呼ばれるように、人間としてさえ扱われないような、奴隷のような事はないのでしょうが、現代の日本で、一旦人生を失敗したら、そこからなかなか這い上がれない社会の仕組みは、カタチのなカーストのようなもので、数千年間も政治的な進歩がなかったようなものです。

アーリア人が侵入する以前のインダス文明では、今で言うワーキングシェアが当たり前だったと聞きました。
職業を細かく分けて公平に分業する社会システムです。

教育を受けていない人々まできちんと仕事が配分されています。
もちろん、貧しい生活でしょうが、家族で生きてゆけたそうです。

インドでもカースト制が廃止になって、身分の低いものほどホームレスやスラム街で生活せざるを得なくなったと聞きました。
近代の差別的カースト制ですら、仕事は何とかシェア出来ていたわけですが、数千年前の元々のカースト制は、差別ではなく、平等に仕事が分配されていたそうです。

そのシステムが良かったか悪かったかは、今では知る由もありませんが、今の世の中を改善するのに、ヴェーダ(インダス文明)時代の知恵は役に立つものなのかも知れません。

yama@mayura