080203 雪の日 入り口の道路
我が家は結構勾配のある丘の中腹に建っているので下を走っている府道が小さく見える。
昔は杉のまばらに生えた丘陵だった。空気が綺麗で人家が少なかった頃は夏でもクーラーが要らないくらい涼しかったという。
車で少し走ると夏に氷を献上した氷室という地名があるくらいだ。
今は住宅地になり夏などの気温は町と変わらない、温暖化の影響で夏はとにかく息苦しいほど暑い。
最近の夏は熱帯夜が続いて朝までエアコンがいる。暑がりなので涼しかったなどというのは昔の夢でしかない。
夏は涼しかったと聞くだけでも、頭にはに穴のあいた成層圏のイメージが浮かび京都議定書という文字がちらちらしてくる、エコ生活ということの大切さを実感するのだが、哀しいことにエアコンの部屋からは出られない。
気温は変わっても変わらないのが坂の多い地形で、冬はやはり少し気温が低いのか雪が積もる量も多く、町が凍てついている日などはうっすらと粉雪が積もっていることもある。
今日のような積雪の多い日は歩くのも、車で走るのも危険で外に出られなくなる。
勤めていた頃はタイヤチェーンを巻いて出勤したが、下りていくと雪も少なく、消えているところまであって、ガチャガチャという音に回りの人が振り向いて見るので閉口した。
下りる道を左にとると近所で「急坂」と呼んでいる道がある。京都と奈良を結ぶバイパスに近いので利用することも多いが、この道が、恐ろしいほど勾配がきつい。その上車が一台通るだけの幅しかない。来客を最寄り駅に迎えに行ってこの坂を上がるときなど慣れない人は硬直気味で、上がりきるとホットため息が聞こえる気がする。
登るときなどは車のボンネットの先しか見えず、前方確認が出来ない。
上がるとT字路になっているので一時速度を落としてカーブミラーで対向車を確認する。周辺の人たちも心得たもので、車の姿が映ると下り優先で登りの車は待つことになっている。先に下りてもらわないと登りきったところが曲がりにくい。
こんな具合なので雪が降ると車は揃って車庫の中、たまには気の毒に少し斜めを向いて道の脇で止まっている車が何台かあったりする。
ここらで走る勇気も消えたのだろう。
冬になるとアイスバーンよけに撒く融雪薬剤の塩化カリウムの袋が集会所の前に積んである
役が回ってきたときは空を見てこの薬をまくのが忙しかった。その年は寒い冬で雪が降り始めると何度か夕方から出て二名一組で隣組の前まで撒いて歩いた、道路の幅が広い上に距離も長く大仕事のような気がした。
今年は何度か積雪の予報が出ていたが今日まで何とか降らず、挨拶は「雪が降らないでよかったですね」ということだった。
今日は都合よく日曜日で障子越しに庭の雪を見ながら、「冬はやはり雪でしょう、雪明りもいいもんだ」などと暢気なことを言っている。