最近まで知らなかった、卵色(薄黄色)の紙のポケミス、こんなことを言うと笑われるかもしれないが、本屋さんではなんだかお手軽な製本だと思った、でも三冊しか読んでないが、中身が優れものぞろいだと知った。
何でも表面を見ただけで軽々しく考えるものではない、ミステリ初心者、この本を読んで選択肢が広がるなぁと嬉しくなった。初めて奥付を見たら、No.1848。
ということはそれだけ発刊されているのだろう。
昔なら1から挑戦したのに、、、読書力が落ちてからじゃ遅いな。
これも面白かった、特捜部Qシリーズの1作目。
最近、やっとヴァランダー警部の案内でスウェーデンの地理が大雑把にがわかりかけているが、
今度はデンマーク。
* * *
コペンハーゲン警察のカール・マーク警部補は、捜査中に同僚一人が射殺され一人は脊椎損傷で入院した。
自分も額に傷を負ったが、その後遺症で無気力状態、すっかりやる気をなくしていた。
抜群の捜査力を持っていたが、殺人捜査からはずされ、地下にある新設の「特捜部Q」を任される。
未解決事件を扱う部署だと、聞こえはいいが、れっきとした左遷で、警察内でも誰知らぬ者はない。
ガラクタの散らばった部屋を与えられて、本人はかえって気楽なところもある。そこに助手のアサドが来る。
何かいわくのありそうなアサドだが、奇人変人振りを別にすれば、几帳面で頭脳的でもあり、役に立つ人物だった。
二人は次第に信頼関係が築かれてくる。
やる気のないカールの前に積み上げられたファイルを見て、アサドが事件を拾い出してくる。
5年前に弟を連れ、ドイツに向かった船から飛び降りて、自殺したといわれている、ミレーデ・ルンゴー事件。
死体は発見されていなかったが、おざなりの捜査は打ち切られていた。
彼女は優秀で、その上チャーミングな笑顔で政界では人気者だった。
しかし、5年前、船上にいた彼女は誘拐され、隙間の無い厚い壁で囲まれた「与圧室」の格納容器の中に監禁されていた。
一年たって誕生日が来ると気圧が1ずつ上げられ苦痛が増していく。
なぜこんな悲惨な目にあうのか、理解できないままに暗闇の中で耐えるミレーデは、5年間をどうやって生き抜くのか。
誘拐された2002年からのミレーデの話と、2007になって再調査を始めた「Q」の捜査の話が進んでいく。
紆余曲折を経て、カールたちはミレーデにたどり着けるか。
彼女が生きているという確証は無かった。
そして、誘拐したミレーデをモニターで見ている犯人の、狂った憎悪は次第に増幅していく。
話は現代と交互に、壮絶な5年間をたどっていく。
* * *
地理は、二作目に持ち越すとして、読みはじめで、勝手に組み立てた犯人像に、だんだん近づいていくのでますますわくわくした。
サイコ・ミステリというか薄気味悪いところもあるが、最後は感動的で、ホロリとする。
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