「―映画俳優組合には60000人の俳優が所属しており、俳優協会にも100000人ほどが所属しています。これらの俳優のほとんどに、仕事がありません。(中略)売れない俳優は脚本を書くことも、美術にかかわることも出来ません。彼らはタクシーの運転手で日銭を稼ぎながら、アクセントを練習しなければならないのです」
オスカー授賞式にて、ダスティン・ホフマンの発言より。
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映画の話と見せかけて、格闘技の話をふたつほど。
美女ボクサーとしてメディアが盛んに取り上げた、高野人母美。(トップ画像)
彼女は先日の会見で「次の試合で引退する」と発言、ジムにまったく相談していなかったことから金平会長が大激怒、
「次の試合もやらなくていい。やる気のないものをリングに上げるわけにはいかない」
と返され、高野は焦ってすぐに会長に謝罪、
最悪の結果(=追放)は逃れたものの、その「次の試合」はエキシビションに変更されてしまった。
禊が終わるまで、正式な試合はさせないということ。
ここでいう禊とは、ほかのファイター同様に、頻繁にジムに顔を出し、皆と同じように練習をすること。
当たり前のことのように思えるが、じつは彼女は、これをやっていなかった。
そのことを、会長自身も黙認していた。
なぜならジムにとって、特別な存在だったから。
高野ほど名の通った女子ボクサーは、現在の日本に居ない。
メディアに頻繁に登場することによって彼女はもちろん、ジムの宣伝にもなっていた。
彼女は広告塔として、必要な存在だったのだ。
ほかの女子ファイターで、高野を羨んでいたものは居たと思う。
不公平だ、、、と。
しかし実力はともかく、高野にはスター性があった。
不公平にはちがいないが、それもまた才能ということか。
もうひとり、溢れんばかりのスター性によって、首の皮一枚でつながっているファイターが居る。
山本“KID”徳郁。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/a7/b4e058ed449dd81b3df4520f08b9a963.jpg)
たしかに彼の登場は、新鮮な驚きに溢れていた。
階級制が整っていないなかで、自分より重い階級の相手をなぎ倒していく。
未来は明るい! そう歓喜した格闘技ファンは多かったはずである。
だがときは経ち、こう評するのはつらいが、かつての輝きを放てなくなっている。
何度も何度も怪我をして、その度に試合が流れていく。
現在、北米のUFCに身を置くKIDは3連敗/無効試合/(怪我により)度重なる試合消滅、、、という、はっきりいって「なんの結果も残せていない」状態がつづいている。
さすがにリリース(=契約解除)か―と噂されているが、代表のダナ・ホワイトは未だ彼に最後通告を出していない。
もっと活躍し、タイトルマッチまで経験した日本人ファイターが、2敗しただけでリリースされた・・・ことに比べて、あまりにヒイキが過ぎないか。
きっとダナはいうだろう、「KIDにはスター性があるから」だと。
皆に公平であること―理想をいえばそうだろうが、そこは人間だもの、なかなかそういうわけにはいくまい。
ゆえに、特別な存在に対してアアダコウダはいいたくなるもの。
アイツはスターなんだもの、しょうがない。
壁にぶつかっているであろうふたりには、そう思わせるくらいの輝きを「もういちど」取り戻してほしい。
格闘技マニアからの、切なる願いなんだ。
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明日のコラムは・・・
『わたしが棄てたおんな 2016年版(前)』
オスカー授賞式にて、ダスティン・ホフマンの発言より。
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映画の話と見せかけて、格闘技の話をふたつほど。
美女ボクサーとしてメディアが盛んに取り上げた、高野人母美。(トップ画像)
彼女は先日の会見で「次の試合で引退する」と発言、ジムにまったく相談していなかったことから金平会長が大激怒、
「次の試合もやらなくていい。やる気のないものをリングに上げるわけにはいかない」
と返され、高野は焦ってすぐに会長に謝罪、
最悪の結果(=追放)は逃れたものの、その「次の試合」はエキシビションに変更されてしまった。
禊が終わるまで、正式な試合はさせないということ。
ここでいう禊とは、ほかのファイター同様に、頻繁にジムに顔を出し、皆と同じように練習をすること。
当たり前のことのように思えるが、じつは彼女は、これをやっていなかった。
そのことを、会長自身も黙認していた。
なぜならジムにとって、特別な存在だったから。
高野ほど名の通った女子ボクサーは、現在の日本に居ない。
メディアに頻繁に登場することによって彼女はもちろん、ジムの宣伝にもなっていた。
彼女は広告塔として、必要な存在だったのだ。
ほかの女子ファイターで、高野を羨んでいたものは居たと思う。
不公平だ、、、と。
しかし実力はともかく、高野にはスター性があった。
不公平にはちがいないが、それもまた才能ということか。
もうひとり、溢れんばかりのスター性によって、首の皮一枚でつながっているファイターが居る。
山本“KID”徳郁。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/a7/b4e058ed449dd81b3df4520f08b9a963.jpg)
たしかに彼の登場は、新鮮な驚きに溢れていた。
階級制が整っていないなかで、自分より重い階級の相手をなぎ倒していく。
未来は明るい! そう歓喜した格闘技ファンは多かったはずである。
だがときは経ち、こう評するのはつらいが、かつての輝きを放てなくなっている。
何度も何度も怪我をして、その度に試合が流れていく。
現在、北米のUFCに身を置くKIDは3連敗/無効試合/(怪我により)度重なる試合消滅、、、という、はっきりいって「なんの結果も残せていない」状態がつづいている。
さすがにリリース(=契約解除)か―と噂されているが、代表のダナ・ホワイトは未だ彼に最後通告を出していない。
もっと活躍し、タイトルマッチまで経験した日本人ファイターが、2敗しただけでリリースされた・・・ことに比べて、あまりにヒイキが過ぎないか。
きっとダナはいうだろう、「KIDにはスター性があるから」だと。
皆に公平であること―理想をいえばそうだろうが、そこは人間だもの、なかなかそういうわけにはいくまい。
ゆえに、特別な存在に対してアアダコウダはいいたくなるもの。
アイツはスターなんだもの、しょうがない。
壁にぶつかっているであろうふたりには、そう思わせるくらいの輝きを「もういちど」取り戻してほしい。
格闘技マニアからの、切なる願いなんだ。
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明日のコラムは・・・
『わたしが棄てたおんな 2016年版(前)』