夏目三久ちゃんが抜け、新たに青山愛・テレビ朝日アナウンサーが加わった『怒り新党』、最初はハラハラしながら観ていたが、まぁなんとか軌道に乗ってきたかなと。
新企画としてスタートした『今週の怒られたさん』が、なかなか面白い。
大人はどんなことで、誰に怒られているのか―街頭インタビュー形式だが、惜しいのは、初回に出てきたキャバクラ嬢(トップ画像)を超えるインパクトキャラが出てきていないこと。
(ちなみに彼女は、当日欠勤で店長に怒られたと話した)
自分?
怒られたこと・・・ここ10年、ないかもしれない。
原稿を落とす(=締め切りに間に合わない)ことはないし、見た目がこんな? なので、街中で注意されたりすることもない。
というか、そもそも注意されるようなことは、していない。(たぶん)
ガキのころは、フツーのガキ以上に怒られた。
悪さするのが日課だと思っていたところがあるしね。
接客業をやっていたころは、客にときどき怒られた。
理不尽と感じるときもあれば、怒られて当然と反省したときも。
私服保安員をやっていたころは、よく警察に怒られた。
いちおう公安関係の仕事だからね、一般人に「すぐ」手を出してしまう自分は保安員「失格」だった。
今でこそそう思うが、当時は「だって店長が、万引きする奴なんて殴られて当然!」と黙認していたところがあるし、なかには「推奨」してくれる店長も居たもん!! などと口をとがらせていたっけ。
李相日監督の久し振りの新作『怒り』、その予告編が公開された。
妻夫木くん綾野剛くん広瀬すずちゃん池脇千鶴ちゃんなどなど出演。
うん、面白そう。
怒り。
では怒られたのではなく、怒ったことはあるか。
・・・・・。
けっこう難問だ。
しょっちゅう怒っているといえばそうだし、しかし「こころの底から」怒っているかと問われれば、そうとはいえないかも…なんて。
たとえば。
期待していた映画の出来に怒っている。
期待していたスポーツの結果に怒っている。
実際に「よく」そんなことがあるが、数時間後にはその怒りはおさまっている・・・とするならば、それは「こころの底から」怒っていなかったのかもしれない。
逆に。
都政に怒っている。
ストーカーが女子大生をめった刺しにしたことに怒っている。
こっちのほうが「時間を経過しても」怒っており、あれ、映画小僧・格闘技マニアを自称する割には「沸点の置きかた」が一般的であるよねと。
キチガイとはいえ、バランス感覚を失ってはいない、、、ということなのかもしれない。
さて。
どうにも動けなくなった自動車に対し、執拗にクラクションを鳴らしつづける。
料理の提供が遅い飲食店に対し、文句をいう。
人身事故などで列車が遅れ、駅員にいちゃもんをつける。
よく見る光景であり、世の中は怒りに溢れているなぁと思う。
幸いにも上の例でいうと、自分はその怒りを他者にぶつけたことはない。
そういう場に出くわしたことはあるが、「そっちに怒ったところで…」と冷めているところがある。
なんでそんなにも激烈に? 怒れるのかな・・・と、ちょいと感心もしたりして。
だいぶ前の話だ。
ネットを始めたころ、映画のサークルに加入していた。
1年間くらいのやりとりで、だいぶ親しくなったひとが出来た。
カンヌ映画祭で、マイケル・ムーアの『華氏911』(2004)がパルムドールを受賞。
そのひとは「やや」右寄りだったからか、この結果に対し「カンヌ映画祭なんて腐っている」と呟いた。
自分はそれに対し、「反権威みたいな運動もあった映画祭ですから。先祖返りみたいなものだと思います」と返したのだが、それが気に入らなかったらしく、いきなりウェブ上で、
「貴様!」
と恫喝してきた。
驚くと同時に、なんか笑ってしまったよ。
1年間のやりとりは、なんだったんだろうって思った。
そういうのを飛び越えて相手をやりこめようとするほど、そのひとは怒っていたのかって。
だからたぶん自分は、ヘラヘラ顔で腹のなかは「なにを考えているか分からない」などといわれるが、怒りの偏差値は低いほうなんだと思う。
オオシマ監督は芸になっているから「あり。」だった気がするが、なんでもかんでも怒るひとって、外側から見ていると「けっこう滑稽」だ。
そういう意味では学ぶべきところも多かったりして、軽くバカにしつつ、でもそれがばれて「こっちにまで飛び火」することを避けることは忘れずに、人間ウォッチをつづけていけたらいいですね。
・・・って、こういうヤツがいちばんたちが悪いって話でもある笑
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(329)宮口精二』
新企画としてスタートした『今週の怒られたさん』が、なかなか面白い。
大人はどんなことで、誰に怒られているのか―街頭インタビュー形式だが、惜しいのは、初回に出てきたキャバクラ嬢(トップ画像)を超えるインパクトキャラが出てきていないこと。
(ちなみに彼女は、当日欠勤で店長に怒られたと話した)
自分?
怒られたこと・・・ここ10年、ないかもしれない。
原稿を落とす(=締め切りに間に合わない)ことはないし、見た目がこんな? なので、街中で注意されたりすることもない。
というか、そもそも注意されるようなことは、していない。(たぶん)
ガキのころは、フツーのガキ以上に怒られた。
悪さするのが日課だと思っていたところがあるしね。
接客業をやっていたころは、客にときどき怒られた。
理不尽と感じるときもあれば、怒られて当然と反省したときも。
私服保安員をやっていたころは、よく警察に怒られた。
いちおう公安関係の仕事だからね、一般人に「すぐ」手を出してしまう自分は保安員「失格」だった。
今でこそそう思うが、当時は「だって店長が、万引きする奴なんて殴られて当然!」と黙認していたところがあるし、なかには「推奨」してくれる店長も居たもん!! などと口をとがらせていたっけ。
李相日監督の久し振りの新作『怒り』、その予告編が公開された。
妻夫木くん綾野剛くん広瀬すずちゃん池脇千鶴ちゃんなどなど出演。
うん、面白そう。
怒り。
では怒られたのではなく、怒ったことはあるか。
・・・・・。
けっこう難問だ。
しょっちゅう怒っているといえばそうだし、しかし「こころの底から」怒っているかと問われれば、そうとはいえないかも…なんて。
たとえば。
期待していた映画の出来に怒っている。
期待していたスポーツの結果に怒っている。
実際に「よく」そんなことがあるが、数時間後にはその怒りはおさまっている・・・とするならば、それは「こころの底から」怒っていなかったのかもしれない。
逆に。
都政に怒っている。
ストーカーが女子大生をめった刺しにしたことに怒っている。
こっちのほうが「時間を経過しても」怒っており、あれ、映画小僧・格闘技マニアを自称する割には「沸点の置きかた」が一般的であるよねと。
キチガイとはいえ、バランス感覚を失ってはいない、、、ということなのかもしれない。
さて。
どうにも動けなくなった自動車に対し、執拗にクラクションを鳴らしつづける。
料理の提供が遅い飲食店に対し、文句をいう。
人身事故などで列車が遅れ、駅員にいちゃもんをつける。
よく見る光景であり、世の中は怒りに溢れているなぁと思う。
幸いにも上の例でいうと、自分はその怒りを他者にぶつけたことはない。
そういう場に出くわしたことはあるが、「そっちに怒ったところで…」と冷めているところがある。
なんでそんなにも激烈に? 怒れるのかな・・・と、ちょいと感心もしたりして。
だいぶ前の話だ。
ネットを始めたころ、映画のサークルに加入していた。
1年間くらいのやりとりで、だいぶ親しくなったひとが出来た。
カンヌ映画祭で、マイケル・ムーアの『華氏911』(2004)がパルムドールを受賞。
そのひとは「やや」右寄りだったからか、この結果に対し「カンヌ映画祭なんて腐っている」と呟いた。
自分はそれに対し、「反権威みたいな運動もあった映画祭ですから。先祖返りみたいなものだと思います」と返したのだが、それが気に入らなかったらしく、いきなりウェブ上で、
「貴様!」
と恫喝してきた。
驚くと同時に、なんか笑ってしまったよ。
1年間のやりとりは、なんだったんだろうって思った。
そういうのを飛び越えて相手をやりこめようとするほど、そのひとは怒っていたのかって。
だからたぶん自分は、ヘラヘラ顔で腹のなかは「なにを考えているか分からない」などといわれるが、怒りの偏差値は低いほうなんだと思う。
オオシマ監督は芸になっているから「あり。」だった気がするが、なんでもかんでも怒るひとって、外側から見ていると「けっこう滑稽」だ。
そういう意味では学ぶべきところも多かったりして、軽くバカにしつつ、でもそれがばれて「こっちにまで飛び火」することを避けることは忘れずに、人間ウォッチをつづけていけたらいいですね。
・・・って、こういうヤツがいちばんたちが悪いって話でもある笑
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(329)宮口精二』