Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(170)

2016-06-17 00:10:00 | コラム
と「り」→「り」んだぶれあ(リンダ・ブレア)

ホラー映画の個人的な3傑は、たぶん死ぬまで・・・

『エクソシスト』(73)
『悪魔のいけにえ』(74)
『女優霊』(96)

・・・である。

『キャリー』(76)も入れたいが、自分のなかで、あれはホラー映画ではないので。

それにしても70年代は強いなと。

技術革新はおおいに歓迎だが、特殊メイクや音響以上に、物語が大事なんだなとあらためて思う。

『エクソシスト』なんて、冒頭から数分は「なんのことだか分からない」が、あれが後々効いてくるんだもの。

さすがはフリードキン監督、そもそも怖がらせようという意図はなく、神と悪魔の戦いを「かなり本気で」描こうとした―その結果、とんでもなく怖い映画が出来上がったのである。

悪魔バズズに取り憑かれた少女リーガンを演じたのが、リンダ・ブレア。

現在57歳だが、おばさんになった姿が想像出来ない・・・ほどに、インパクトのあるキャラクターだった。

当時14歳だった彼女は一躍人気者となる、、、も、続編『エクソシスト2』(77)以外に目立った活躍はなく、それが原因といっていいのか、同年に麻薬所持で逮捕されてしまう。

ドリューにエドワード・ファーロング、マコーレー・カルキン・・・子役の通過儀礼みたいな感じだが、やっぱり彼女も10代後半で躓いてしまったと。

けれども躓きが「いちど」であれば、そうして、早い時期であれば、復活だって可能。
80年代は色香を武器としてセクシーな映画に連続出演するも、彼女に「それ」を期待する映画ファンは少なく、最初こそ話題になったものの、長くはつづかなかった。

ドリューは成功したけれど、それは稀で。



安達祐実が突然脱ぎ出したのに似ているのかもしれない、急に色気づいても、こっちの準備が出来ていないっていうね。




バズズはフィクションの存在だが、彼女のキャリアに「ほんとうに」取り憑いた―というのがオーバーな表現にあたらないのは、結局、セルフパロディを演じることで好評を得ることになったから。





96年―。
ウェス・クレイブンが若手人気俳優を総出演させた『スクリーム』に、特別出演を果たす。

特別出演というより、レポーター役で「一瞬顔を映す」カメオ的な出演であり、ただまぁ、それでも感慨深かった。

高齢ではないし、死んだわけでもないが、正直「あぁ生きていた!!」と思ったもの。


本人にとっては、不本意かもしれない。
けれども映画ファンにしみじみと「あぁ人生いろいろ!」と思わせるには、リンダやドリュー、ウィノナ・ライダーのキャリアは最良のテキストとなる。

すぐに「枯れた」「堕ちた」という向きもあるが、重犯罪を犯さないかぎり、いちどでも映画に関わったひとたちは、映画小僧にとっては、愛すべきものにかわりがないのである。


次回のしりとりは・・・
りんだぶれ「あ」→「あ」ふろへあ。

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明日のコラムは・・・

『なんであのTシャツ着てくれないの?』
コメント (2)
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