~三池崇史のキャリア10傑~
どう考えても堅気ではない風貌の三池さん、このひとの一大特徴といえば早撮り。
超インディーズだろうが「ド」メジャーだろうが、リズミカルに撮影をつづけ、あっという間に1本撮ってしまう。
編集を経て音入れを終え・・・という作業のあいだに次の作品に撮りかかったりして、結果、1年に3本4本の「三池印」が出来上がる。
正直、波のある、、、というか波の多い監督ではある。
大傑作のあとに大駄作を放つこともあり、自分はデビュー当初、このひとのことをあまり買っていなかった。
しかし、今回の選出で1位にした作品に触れ「三池さんごめん、あんたを誤解していたよ!」とスクリーンに向かって頭を下げた・・・という思い出があるからこそ、ここ数年の元気のなさが心配。
『ジョジョの奇妙な冒険』の一発目(2017)が大コケしたことが原因か、
そもそもの話、誰が実写化に期待を寄せていたのか疑問なのだが、オファーを快諾しちゃう三池さんも「らしい」ちゃあ「らしい」けど、二発目の制作ニュースをとんと聞かないということは「なかったこと」にされてしまうのだろうな。
「なんでも屋」よろしくオファーを絶対に断らないひと、、、なのだろうけれど、暴力映画でこそ光り輝くことは世界の映画ファンの共通認識であるし、本人だってそのことに自覚的なはず。
三池さん、久しぶりに「らしさ満点」の暴力映画、撮ってくださいな!!
(1)『殺し屋1』(2001)
痛みを伴って初めて生きる実感がわく―これを主題にした物語は沢山あるが、その究極形を示してくれた。
この映画にかぎっていば、クローネンヴァーグや塚本晋也の先を行っていると思う。
(2)『オーディション』(2000)
村上龍の小説をイマヘイの息子・天願大介が脚色、ヒトのおぞましさを徹底的に見つめつつ、それをホラーというジャンルに落とし込んだ力技が素晴らしい。
平成を代表するジャパンホラーは『リング』シリーズ(98~)ではなく、こっちだろう。
(3)『中国の鳥人』(98)
中国の「鳥人学校」を舞台にした、地味目なファンタジー。
モックン、マコ岩松など俳優がみな好演していて心地よい120分を過ごせる・・・って、三池映画ではじつは珍しいこと。
(4)『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(99)
所詮、映画は玩具だから・・・という三池さんからのメッセージでしょう、滅茶苦茶なラストは。
(5)『ヤッターマン』(2009)
大人が本気を出して創った子ども向けアニメーションの実写化。
深キョン好演なのは分かるし実際に素敵だったが、2号を一所懸命に演じた福田沙紀がちょっと可哀想かもしれない。
(6)『悪の教典』(2012)
極上の「黒エンタメ」として完成されていた貴志祐介の原作小説を伊藤英明主演で映画化。
簡単にいえば壊れた教師が生徒を殺戮していく話だが、絵作りがちょっと単調で「どうした三池さん?」と思ってしまった。
(7)『ゼブラーマン』(2004)
哀川翔主演100本記念作品。
じつは映画本編よりも、ハイロウズによる『日曜日よりの使者』がポイント高かったりする。
(8)『アンドロメディア』(98)
SPEED主演のSFアイドル映画。
わりときちんと撮っていることに驚く。
そしてなぜか、世界的に有名な撮影監督クリストファー・ドイルが俳優として参加している。
演技は、まったくもってペケだった笑
(9)『十三人の刺客』(2010)
63年のカルト時代劇を三池流にリメイク。
豪華キャスト陣のなかで最もインパクトを残すのは、なんと稲垣吾郎ちゃん。
よかったね、誇れる代表作が出来た。
(10)『一命』(2011)
小林正樹による世紀の名作『切腹』(62)を、エビゾー主演でリメイク。
迫力ある演出で悪くなかったが、しかしまぁほんとうに、三池さんはなんでも撮るな、ジャンルを越境するひとだなぁ! と感心した。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『E気持ち』
どう考えても堅気ではない風貌の三池さん、このひとの一大特徴といえば早撮り。
超インディーズだろうが「ド」メジャーだろうが、リズミカルに撮影をつづけ、あっという間に1本撮ってしまう。
編集を経て音入れを終え・・・という作業のあいだに次の作品に撮りかかったりして、結果、1年に3本4本の「三池印」が出来上がる。
正直、波のある、、、というか波の多い監督ではある。
大傑作のあとに大駄作を放つこともあり、自分はデビュー当初、このひとのことをあまり買っていなかった。
しかし、今回の選出で1位にした作品に触れ「三池さんごめん、あんたを誤解していたよ!」とスクリーンに向かって頭を下げた・・・という思い出があるからこそ、ここ数年の元気のなさが心配。
『ジョジョの奇妙な冒険』の一発目(2017)が大コケしたことが原因か、
そもそもの話、誰が実写化に期待を寄せていたのか疑問なのだが、オファーを快諾しちゃう三池さんも「らしい」ちゃあ「らしい」けど、二発目の制作ニュースをとんと聞かないということは「なかったこと」にされてしまうのだろうな。
「なんでも屋」よろしくオファーを絶対に断らないひと、、、なのだろうけれど、暴力映画でこそ光り輝くことは世界の映画ファンの共通認識であるし、本人だってそのことに自覚的なはず。
三池さん、久しぶりに「らしさ満点」の暴力映画、撮ってくださいな!!
(1)『殺し屋1』(2001)
痛みを伴って初めて生きる実感がわく―これを主題にした物語は沢山あるが、その究極形を示してくれた。
この映画にかぎっていば、クローネンヴァーグや塚本晋也の先を行っていると思う。
(2)『オーディション』(2000)
村上龍の小説をイマヘイの息子・天願大介が脚色、ヒトのおぞましさを徹底的に見つめつつ、それをホラーというジャンルに落とし込んだ力技が素晴らしい。
平成を代表するジャパンホラーは『リング』シリーズ(98~)ではなく、こっちだろう。
(3)『中国の鳥人』(98)
中国の「鳥人学校」を舞台にした、地味目なファンタジー。
モックン、マコ岩松など俳優がみな好演していて心地よい120分を過ごせる・・・って、三池映画ではじつは珍しいこと。
(4)『DEAD OR ALIVE 犯罪者』(99)
所詮、映画は玩具だから・・・という三池さんからのメッセージでしょう、滅茶苦茶なラストは。
(5)『ヤッターマン』(2009)
大人が本気を出して創った子ども向けアニメーションの実写化。
深キョン好演なのは分かるし実際に素敵だったが、2号を一所懸命に演じた福田沙紀がちょっと可哀想かもしれない。
(6)『悪の教典』(2012)
極上の「黒エンタメ」として完成されていた貴志祐介の原作小説を伊藤英明主演で映画化。
簡単にいえば壊れた教師が生徒を殺戮していく話だが、絵作りがちょっと単調で「どうした三池さん?」と思ってしまった。
(7)『ゼブラーマン』(2004)
哀川翔主演100本記念作品。
じつは映画本編よりも、ハイロウズによる『日曜日よりの使者』がポイント高かったりする。
(8)『アンドロメディア』(98)
SPEED主演のSFアイドル映画。
わりときちんと撮っていることに驚く。
そしてなぜか、世界的に有名な撮影監督クリストファー・ドイルが俳優として参加している。
演技は、まったくもってペケだった笑
(9)『十三人の刺客』(2010)
63年のカルト時代劇を三池流にリメイク。
豪華キャスト陣のなかで最もインパクトを残すのは、なんと稲垣吾郎ちゃん。
よかったね、誇れる代表作が出来た。
(10)『一命』(2011)
小林正樹による世紀の名作『切腹』(62)を、エビゾー主演でリメイク。
迫力ある演出で悪くなかったが、しかしまぁほんとうに、三池さんはなんでも撮るな、ジャンルを越境するひとだなぁ! と感心した。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『E気持ち』