31年1月21日生まれ・88歳。
東京出身。
掃き溜めに鶴、の存在を託された『酔いどれ天使』(48…トップ画像)、
窓硝子ごしの接吻がいかにも映画的だった『また逢う日まで』(50)、
そして、無垢なる主人公の真の理解者を熱演した『白痴』(51)。
久我美子(くが・よしこ)さんが、デビューして数年間のあいだに演じた三大ヒロインはどれも鮮烈です。
後期キャリアも素晴らしいものがありますが、それらが霞んでしまうくらいインパクトのあるものでした。
黒澤や小津、今井正が好んで起用したのも分かります、お飾りでは終わらない女優としての強さみたいなもの、、、を感じさせますもの。
<経歴>
久我は本来「こが」であり、華族の血筋を引くたいへんなお嬢様であったとか。
華族制度廃止による経済的理由から第一期東宝ニューフェイスの試験を受け合格するも、肉親から猛反対され、だから漢字だけはそのままの「くが」と名乗るようになったのだそうです。
映画俳優デビュー作は、47年のオムニバス『四つの恋の物語』。
『醉いどれ天使』、『ジャコ万と鉄』(49)、『午前零時の出獄』(50)、『また逢う日まで』、『白痴』、
『長崎の歌は忘れじ』(52)、『戦艦大和』(53)、『あにいもうと』(53)、『地の果てまで』(53)、『にごりえ』(53)。
54年は、女優・久我さんにとって分岐点になった年。
岸恵子・有馬稲子らと「文芸プロダクションにんじんくらぶ」を設立、独立系映画が創り易い環境を整えようと尽力。
表現において、かなり意識が高かったことがうかがえます。
ですから『女の園』(54)の出演などは、オファー云々ではなく自ら出演したかった作品だったのではないか・・・などと想像します。
『噂の女』(54)、『この広い空のどこかに』(54)、『億万長者』(54)、『風立ちぬ』(54)。
『新・平家物語』(55)、『太陽とバラ』(56)、『夕やけ雲』(56)、『女囚と共に』(56)、『黄色いからす』(57)、『柳生武芸帳』(57)、『挽歌』(57)、『柳生武芸帳 双龍秘剣』(58)、『女であること』(58)、『季節風の彼方に』(58)、『彼岸花』(58)、『風花』(59)、『お早よう』(59)。
60年、鬼才オオシマの『青春残酷物語』に出演、桑野みゆきの姉を演じる。
オオシマの映画に久我さんが・・・というのも意外でしたが、役柄もなかなかに刺激的です。
無軌道に生きる妹に批判的でありながら影響も受け、失われた青春を取り戻そうとするところが切なかったなぁ。
『大坂城物語』(61)、『ゼロの焦点』(61)、『風林火山』(69)。
この69年に『3時のあなた』(フジテレビ)の司会に抜擢され、これがきっかけで活動の場はテレビ中心になる。
80年代以降の映画作品に・・・
『ゴジラVSビオランテ』(89)、『226』(89)、竹中直人が初監督した『無能の人』(91)、『空がこんなに青いわけがない』(93)、『119』(94)、『東京日和』(97)、『時をかける少女』(97)など。
2000年の秋元康が監督した『川の流れのように』以降、スクリーンには登場していません。
80代後半ということは、香川京子さんと同世代ですね。
香川さんは黒澤の特集上映などでたびたび公の場に姿を現しますが、久我さんの元気な姿も見たいですよね。
次回のにっぽん女優列伝は、草笛光子さんから。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『ひかがみ、とはなんぞや』
東京出身。
掃き溜めに鶴、の存在を託された『酔いどれ天使』(48…トップ画像)、
窓硝子ごしの接吻がいかにも映画的だった『また逢う日まで』(50)、
そして、無垢なる主人公の真の理解者を熱演した『白痴』(51)。
久我美子(くが・よしこ)さんが、デビューして数年間のあいだに演じた三大ヒロインはどれも鮮烈です。
後期キャリアも素晴らしいものがありますが、それらが霞んでしまうくらいインパクトのあるものでした。
黒澤や小津、今井正が好んで起用したのも分かります、お飾りでは終わらない女優としての強さみたいなもの、、、を感じさせますもの。
<経歴>
久我は本来「こが」であり、華族の血筋を引くたいへんなお嬢様であったとか。
華族制度廃止による経済的理由から第一期東宝ニューフェイスの試験を受け合格するも、肉親から猛反対され、だから漢字だけはそのままの「くが」と名乗るようになったのだそうです。
映画俳優デビュー作は、47年のオムニバス『四つの恋の物語』。
『醉いどれ天使』、『ジャコ万と鉄』(49)、『午前零時の出獄』(50)、『また逢う日まで』、『白痴』、
『長崎の歌は忘れじ』(52)、『戦艦大和』(53)、『あにいもうと』(53)、『地の果てまで』(53)、『にごりえ』(53)。
54年は、女優・久我さんにとって分岐点になった年。
岸恵子・有馬稲子らと「文芸プロダクションにんじんくらぶ」を設立、独立系映画が創り易い環境を整えようと尽力。
表現において、かなり意識が高かったことがうかがえます。
ですから『女の園』(54)の出演などは、オファー云々ではなく自ら出演したかった作品だったのではないか・・・などと想像します。
『噂の女』(54)、『この広い空のどこかに』(54)、『億万長者』(54)、『風立ちぬ』(54)。
『新・平家物語』(55)、『太陽とバラ』(56)、『夕やけ雲』(56)、『女囚と共に』(56)、『黄色いからす』(57)、『柳生武芸帳』(57)、『挽歌』(57)、『柳生武芸帳 双龍秘剣』(58)、『女であること』(58)、『季節風の彼方に』(58)、『彼岸花』(58)、『風花』(59)、『お早よう』(59)。
60年、鬼才オオシマの『青春残酷物語』に出演、桑野みゆきの姉を演じる。
オオシマの映画に久我さんが・・・というのも意外でしたが、役柄もなかなかに刺激的です。
無軌道に生きる妹に批判的でありながら影響も受け、失われた青春を取り戻そうとするところが切なかったなぁ。
『大坂城物語』(61)、『ゼロの焦点』(61)、『風林火山』(69)。
この69年に『3時のあなた』(フジテレビ)の司会に抜擢され、これがきっかけで活動の場はテレビ中心になる。
80年代以降の映画作品に・・・
『ゴジラVSビオランテ』(89)、『226』(89)、竹中直人が初監督した『無能の人』(91)、『空がこんなに青いわけがない』(93)、『119』(94)、『東京日和』(97)、『時をかける少女』(97)など。
2000年の秋元康が監督した『川の流れのように』以降、スクリーンには登場していません。
80代後半ということは、香川京子さんと同世代ですね。
香川さんは黒澤の特集上映などでたびたび公の場に姿を現しますが、久我さんの元気な姿も見たいですよね。
次回のにっぽん女優列伝は、草笛光子さんから。
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明日のコラムは・・・
『ひかがみ、とはなんぞや』