Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画監督別10傑(54)フェデリコ・フェリーニ

2019-07-05 00:10:00 | コラム
~フェデリコ・フェリーニのキャリア10傑~

「人生は祭りだ。共に生きよう」

イタリア映画界、いや、20世紀の映画史そのものの「顔」のひとつといえる、フェリーニ御大。

好き嫌いはあるかもしれないけれど、映画好きの誰もが「その才能」は認めるはずで、刺激的な描写がつづく映画に慣れている現代のアンチャンネーチャンだって、このひとの「自由な表現スタイル」に驚くのではないかな。

創作に行き詰まったら、フェリーニの映画を観る・・・そんな、絵描きの友達も居たっけ。

そうこのひとは、映画を志す学生だけでなく、画家やカメラマンの卵からも愛されているのだった―。


(1)『8 1/2』(63)

奇々怪々、イマジネーションの可能性というものが、ほとんど無限であるということを教えてくれる。

ちなみにタイトルの意味は、監督作の通算であり、「8本」と、オムニバスがあったから、これは「1/2本目」の映画ですよ、、、ということ。




(2)『甘い生活』(60)

初見は中学3年だったか。

上流階級の退廃などといったメインテーマに関しては??? だったが、腐敗した魚やヘリコプターに吊るされるキリスト像といったイメージショットが強烈で、よく分からないけどすごいものを観た、、、とは思った。

そして、アニタ・エクバーグの美貌に慄いた。




(3)『サテリコン』(68)

古代ローマを舞台としたコスチューム劇。

といってもフェリーニなので、ふつうの史劇が展開されるはずもなく・・・。

ただ、目に楽しくて時間はあっという間に過ぎていく。

西荻窪だったかな、いや吉祥寺か、このタイトルを冠したスナックがあった(と記憶する)。


(4)『カビリアの夜』(57)

自分にとって初のフェリーニ映画だった。

娼婦カビリアの日常をリアリティたっぷりに描き、なかなか悲惨な物語だが、最後の最後に見せる笑顔に救われる。


(5)『フェリーニのアマルコルド』(73)

自伝的作品と位置づけられているが、ほんとうかどうかは怪しい。

誰かがいっていたが、このひとはほんとうにふくよかな女性、、、というより、大女が好きだなぁ!笑


(6)『道』(54)

これが代表作といっていいでしょう、なんてことない話のようにも思うが、強く胸を打(撃)たれる。




(7)『無防備都市』(45)

脚本執筆に参加。

ネオリアリズモを完成させた、ロベルト・ロッセリーニの代表作。

このショットが、あまりにも有名ですね。




(8)『ボイス・オブ・ムーン』(90)

長編としては最後の作品。

才気ばしった作風とは無縁であるかのような静かな語り口であり、若干の物足りなさをロベルト・ベニーニの「うるさい感じ笑」が補ってくれてはいる。


(9)『女の都』(80)

助平な視点で観ていたはずなのに、やがて女性賛歌に辿り着くという快作。

監督の分身を演じつづけた、マルチェロ・マストロヤンニもなんだか楽しそうだぞ。




(10)『フェリーニのローマ』(72)

『8 1/2』とセットで観ると、この監督の幅の広さが分かると思う。

というか、その才能に圧倒されて、され過ぎて、イヤになってしまうかもしれない。

どちらもイマジネーションの限界に挑んでいるようなところがあり、解釈することをあきらめたときに、この映画の真の面白さが見えてきたりする。

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明日のコラムは・・・

『紙か、水か。』
コメント (2)
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