~秋山成勲の巻~
第一夜:秋山成勲のキャリアを我流紹介
第二夜:秋山成勲への手紙
きょうは、その第二夜。
…………………………………………
「間違えちゃいけないのは、別に芸人さんはコカインをやったわけでもないし、誰かをあやめたわけでもないんですね。
犯罪しているんではなく、犯罪者集団が脅して週刊誌に色々なことを告げ口して、俺たちのところに来たぜっていってるのに振り回されると、彼ら行ってしまった芸人さんたちは、善良な市民として生きていこうとしているのに、私たちが社会から排除してしまったら本当によくないんですね。だからそこはセカンドチャンスを与えるべきだと思います」
※三浦瑠麗、『ワイドナショー』(フジテレビ)での発言
…………………………………………
拝啓、秋山成勲様。
映画では黒澤とスコセッシ、
音楽では坂本龍一、
文学では夏目漱石と松尾スズキ、
そしてスポーツではモハメド・アリと桜庭和志。
自分が愛してやまないひとたちです。
ですから、格闘技に詳しいひとからは「じゃあ、秋山とか大っ嫌いでしょ」といわれます。
本人への手紙でこう記すのは気が引けますが、もちろん好きではありません。
ではありませんが、大っ嫌いでもありません。
あの一件「直後」は、たしかに拒否反応が出ましたけれど。
三崎和雄のことばのとおりです、
「スポーツマンシップもなければ、武道の精神もない男を、なぜ…」と。
あなたを「未だ」大っ嫌いとする格闘技ファンはひじょうに多いです。
格闘技とは無関係のネット記事―奥様とのことや、バラエティ番組のこと―でさえ、「ぬるぬる野郎」とコメントされるのですから。
あなたの行為は褒められたものではありませんが、あの一件を俯瞰して眺めてみると、やはり、相手が悪かったのだと思います。
当然ですが、誰にやっても批判は受けていたでしょう。
ただ相手がちがっていれば、ここまで尾を引かなかったと思います。
いちばんやってはいけなかったひと―だって桜庭和志って、我々のレジェンドだったわけですから!!
それと、もうひとつ。
あまり反省しているように見えなかった点も、ブーイングにつながったような気がします。
あなたは謝罪のことばを口にしたものの「そんな、悪いことだったんやろか」と考えていたふしがあります。
もちろんこれは推測です、
ただ、『ジャンクスポーツ』での発言や、カメラの前でボディクリームを「悪びれずに」塗っていたところを見ると、「これだって戦術のひとつでしょ」と本気で思っていたような気がするのです。
現在だって日本のMMAは競技化されていませんが、当時はもっと「なんでもあり。」でした。
柔道着のまま戦ってもOK、レスリングシューズを履くものも居たし、ロングスパッツだって禁止ではありませんでした。
誰が見たって、公平とはいえない―彼らは無問題で、俺だけ問題? なんで?? みたいな。
冗談っぽく書きますが、反省するには肌を焼き過ぎていたし、その後のバラエティ番組における活躍も火に油を注いだようなものです。
大っ嫌いであると同時に、あなたの強さを認めている格闘技ファンも多かったはず。
強いのに、なぜそんな姑息な手を・・・そんな風に捉えるひとが大多数だったのではないでしょうか。
これじゃああの強さも、「ぬるぬる。があってこそ」と思ってしまうじゃないか! と。
あなたの強さは、「UFC」に渡ってからの数々の激闘が証明しています。
それで見直した格闘技ファンも、多くはありませんが存在したことは事実です。
内訳でいうと・・・
あの一件直後は「0-10」で、あなたの支持者は「ほぼゼロ」だった、
しかし現在は、たぶん「3-7」くらいにはなっていると思います、あくまでも予想ですが自分の予想はけっこう当たるので信用していいです。
悪くない数字だと思いますよ、レジェンドとの試合で、あんな失態を犯したひととしては。
そして自分は、驚くべきことに(!)「3」に含まれる人間なんですよ。
なぜか。
ここで、冒頭の三浦さんのことばがカギになってきます。
芸人の闇営業/反社会的勢力との関係性と、格闘技における反則の「余波」をいっしょくたにするのはいろいろ問題がありそうですが、セカンドチャンスが与えられるべき、、、という意味では同じだと思うんです。
ネット社会になって以降、とりあえず自分自身のことは置いておいて、、、というか、置きっ放しにしておいて、失態を犯したものを徹底的に叩き抹殺しようという悪意が暴走する世の中になりました。
抹殺されたものにセカンドチャンスを与えようとする考えは、少なくともネット社会にはありません。
それでいいんだろか?
という考えがあったとしても、そう発言しただけで袋叩きに遭ってしまうからです。
自分は他者を断罪出来るほど立派な人生を歩んでいません。
何度も失態を犯してきたし、そのために会社を解雇になったこともあります。
けれども、そんな自分に手を差し伸べてくれるひとが居ました。
だから思うんです、
あなたには前科があって、あの一件は初犯ではなかったかもしれませんが、充分な社会的制裁を受けたのではないかと。
母親も観に来ている会場で、あれほどの敵意・ブーイングを浴びれば、そりゃあ日本を抜け出したくなるでしょう、
望んでヒールを演じるひとも居ますが、あなたはそうではなかったはず。
柔道代表に選ばれ、メダルをかがけて英雄視されたかったのですよね?
「UFC」の挑戦は、だからあなたにとってのセカンドチャンスでした。
オクタゴンのなかで戦うあなたの雄姿に、米国の格闘技ファンは「出自などを持ち出すことなく」喝采を送りました。
ほんとうは、これを日本や韓国で実現したかったのだろうな・・・そう思うと、あなたを嫌う理由が見つからなくなったというわけなのです。
だから。
あなたが現役ファイターであるかぎり、自分は応援をつづけますよ。
敬具。
※佐藤Dが手がけた煽りVのなかで、五指に入る完成度。音楽の使いかたも最高。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『holiday』
第一夜:秋山成勲のキャリアを我流紹介
第二夜:秋山成勲への手紙
きょうは、その第二夜。
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「間違えちゃいけないのは、別に芸人さんはコカインをやったわけでもないし、誰かをあやめたわけでもないんですね。
犯罪しているんではなく、犯罪者集団が脅して週刊誌に色々なことを告げ口して、俺たちのところに来たぜっていってるのに振り回されると、彼ら行ってしまった芸人さんたちは、善良な市民として生きていこうとしているのに、私たちが社会から排除してしまったら本当によくないんですね。だからそこはセカンドチャンスを与えるべきだと思います」
※三浦瑠麗、『ワイドナショー』(フジテレビ)での発言
…………………………………………
拝啓、秋山成勲様。
映画では黒澤とスコセッシ、
音楽では坂本龍一、
文学では夏目漱石と松尾スズキ、
そしてスポーツではモハメド・アリと桜庭和志。
自分が愛してやまないひとたちです。
ですから、格闘技に詳しいひとからは「じゃあ、秋山とか大っ嫌いでしょ」といわれます。
本人への手紙でこう記すのは気が引けますが、もちろん好きではありません。
ではありませんが、大っ嫌いでもありません。
あの一件「直後」は、たしかに拒否反応が出ましたけれど。
三崎和雄のことばのとおりです、
「スポーツマンシップもなければ、武道の精神もない男を、なぜ…」と。
あなたを「未だ」大っ嫌いとする格闘技ファンはひじょうに多いです。
格闘技とは無関係のネット記事―奥様とのことや、バラエティ番組のこと―でさえ、「ぬるぬる野郎」とコメントされるのですから。
あなたの行為は褒められたものではありませんが、あの一件を俯瞰して眺めてみると、やはり、相手が悪かったのだと思います。
当然ですが、誰にやっても批判は受けていたでしょう。
ただ相手がちがっていれば、ここまで尾を引かなかったと思います。
いちばんやってはいけなかったひと―だって桜庭和志って、我々のレジェンドだったわけですから!!
それと、もうひとつ。
あまり反省しているように見えなかった点も、ブーイングにつながったような気がします。
あなたは謝罪のことばを口にしたものの「そんな、悪いことだったんやろか」と考えていたふしがあります。
もちろんこれは推測です、
ただ、『ジャンクスポーツ』での発言や、カメラの前でボディクリームを「悪びれずに」塗っていたところを見ると、「これだって戦術のひとつでしょ」と本気で思っていたような気がするのです。
現在だって日本のMMAは競技化されていませんが、当時はもっと「なんでもあり。」でした。
柔道着のまま戦ってもOK、レスリングシューズを履くものも居たし、ロングスパッツだって禁止ではありませんでした。
誰が見たって、公平とはいえない―彼らは無問題で、俺だけ問題? なんで?? みたいな。
冗談っぽく書きますが、反省するには肌を焼き過ぎていたし、その後のバラエティ番組における活躍も火に油を注いだようなものです。
大っ嫌いであると同時に、あなたの強さを認めている格闘技ファンも多かったはず。
強いのに、なぜそんな姑息な手を・・・そんな風に捉えるひとが大多数だったのではないでしょうか。
これじゃああの強さも、「ぬるぬる。があってこそ」と思ってしまうじゃないか! と。
あなたの強さは、「UFC」に渡ってからの数々の激闘が証明しています。
それで見直した格闘技ファンも、多くはありませんが存在したことは事実です。
内訳でいうと・・・
あの一件直後は「0-10」で、あなたの支持者は「ほぼゼロ」だった、
しかし現在は、たぶん「3-7」くらいにはなっていると思います、あくまでも予想ですが自分の予想はけっこう当たるので信用していいです。
悪くない数字だと思いますよ、レジェンドとの試合で、あんな失態を犯したひととしては。
そして自分は、驚くべきことに(!)「3」に含まれる人間なんですよ。
なぜか。
ここで、冒頭の三浦さんのことばがカギになってきます。
芸人の闇営業/反社会的勢力との関係性と、格闘技における反則の「余波」をいっしょくたにするのはいろいろ問題がありそうですが、セカンドチャンスが与えられるべき、、、という意味では同じだと思うんです。
ネット社会になって以降、とりあえず自分自身のことは置いておいて、、、というか、置きっ放しにしておいて、失態を犯したものを徹底的に叩き抹殺しようという悪意が暴走する世の中になりました。
抹殺されたものにセカンドチャンスを与えようとする考えは、少なくともネット社会にはありません。
それでいいんだろか?
という考えがあったとしても、そう発言しただけで袋叩きに遭ってしまうからです。
自分は他者を断罪出来るほど立派な人生を歩んでいません。
何度も失態を犯してきたし、そのために会社を解雇になったこともあります。
けれども、そんな自分に手を差し伸べてくれるひとが居ました。
だから思うんです、
あなたには前科があって、あの一件は初犯ではなかったかもしれませんが、充分な社会的制裁を受けたのではないかと。
母親も観に来ている会場で、あれほどの敵意・ブーイングを浴びれば、そりゃあ日本を抜け出したくなるでしょう、
望んでヒールを演じるひとも居ますが、あなたはそうではなかったはず。
柔道代表に選ばれ、メダルをかがけて英雄視されたかったのですよね?
「UFC」の挑戦は、だからあなたにとってのセカンドチャンスでした。
オクタゴンのなかで戦うあなたの雄姿に、米国の格闘技ファンは「出自などを持ち出すことなく」喝采を送りました。
ほんとうは、これを日本や韓国で実現したかったのだろうな・・・そう思うと、あなたを嫌う理由が見つからなくなったというわけなのです。
だから。
あなたが現役ファイターであるかぎり、自分は応援をつづけますよ。
敬具。
※佐藤Dが手がけた煽りVのなかで、五指に入る完成度。音楽の使いかたも最高。
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明日のコラムは・・・
『holiday』