Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

茶化すにも思慮が要るはず

2021-07-12 00:10:00 | コラム
前評判が頗るよい映画を試写会で、前評判から荒れに荒れた映画を公開初日に劇場で観てきた。

前者は米オスカー脚本賞に輝いた『プロミシング・ヤング・ウーマン』、
後者は『100日間生きたワニ』。


前者は簡単にいえば復讐譚、
しかし「mee too」時代の新たな潮流か、ポップな施しを受けた(よい意味で)じつに騒がしいスタイルで、あぁ先端を行ってるなぁとすごく感心した。

始まったばかりだけど、下半期で突出した映画になりそう。



問題は後者。
というのも、観る前からノイズがすごい。

ノイズだらけ、、、といっていい。

原作はTwitterで連日更新され話題を呼んでいた漫画『100日後に死ぬワニ』。

結末が分かってはいながら、ワニさんがどのような最期を迎えるのかでフォロワーを増やし、トレンド入りも果たした。
けれども最終回直後にグッズ販売や書籍化などの告知が流れたため、感動していた層から「興覚め」「結局は商売かよ」といった批判が噴出し、「電通案件」などと揶揄されるにいたる。

映画化のニュースを聞いたときは「マジで!? この流れでウケると思ってる?」と自分も思った。

監督を引き受けたのは、『カメラを止めるな!』(2017)で「ときのひと」となった上田慎一郎。
(夫人、ふくだみゆきと共同)

ただ、この映画を「ネットのおもちゃ」と捉えた層が居て、
観る前からレビューサイトで低評価を連発、
劇場の座席予約ページではこんな風に文字を表現したりして、


ヒトではなく作品に対する誹謗中傷が問題になる―これがノイズ、ということ。

漫画完結直後の戦略に白けたり、「せっかく感動しているところなのに!」とムッとするのは理解出来る。

しかし、ここまで茶化すほどのことなのか?

本気で怒っているのであれば、キャラクター販売も映画公開も無視しておけばいいじゃないか。
要はたいして怒っていない連中による「暇潰しの標的」にされたってわけですよ。

バイト中にふざけた動画を撮影、それが拡散されて大問題になるアレと変わらない。

このなかに映画好きを自称するヤツが居たら、それは撤回してもらいたいね。
映画好きのなかにもおかしなヤツは居るけれど、こんなクソッタレは存在しない。こんな思慮の浅いヤツは居ないですよマジで。

映画そのものは、、、まぁ嫌いではないけれど好きでもないっていう出来で、ただ監督は黒澤の『生きる』をやろうとしていたんだろうなぁ、その心意気は買いますよと。

いちばん可哀想なのは、無邪気なはずのワニさんだよなぁ。。。



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明日のコラムは・・・

『映画スタッフ別10傑(21)ヴィルモス・ジグモンド』
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