Cape Fear、in JAPAN

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映画スタッフ別10傑(22)ミヒャエル・バルハウス

2021-07-18 00:10:00 | コラム
~ミヒャエル・バルハウスのキャリア10傑~

ドイツ出身、81歳で鬼籍に入ったバルハウスは、スコセッシの円熟期を支えた高度な技術を誇るカメラマン。

というわけで。
どうしたってスコセッシの映画ばかりが並んでしまうが、そこはご容赦を。。。




(1)『グッドフェローズ』(90)

これ以降の映画話法を一変させたといわれるスコセッシの大傑作。

何遍もリンクしているので今回は貼らないが、ステディカムによるワンシーンワンカットは鳥肌立ちまくり。


(2)『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(93)

血もファック・ユーもない、スコセッシによる残酷なコスチューム劇。

ラストシーンの切なさといったら、ない。



(3)『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(89)

官能的、ずっと観ていられる。




(4)『最後の誘惑』(88)

「ヒト」としてのキリストを描いた、スコセッシの問題作。

ピーター・ガブリエルの音楽といい、バルハウスの動きつづけるカメラといい、聖典のイメージからかけ離れた映画設計が新鮮で面白い。


(5)『ブロードキャスト・ニュース』(87)

ビデオテープをめぐる一連のアクションばかりが注目されるけれど、洒落た物語にあわせ、構図がいちいち洗練されており、しかも外していないのがすごい。


(6)『ドラキュラ』(92)

もう枯れた―と評されていたコッポラが、底力をみせてくれた力作。

黒澤に影響を受けたであろうカメラワークも見どころのひとつ。




(7)『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2001)

賛否が分かれた、スコセッシによる近代米国史。

ドアを蹴飛ばし、雪が積もる屋外が顔を出すショット。
聖書が海に放られるショット。
そして最後に映し出される、ツインタワーの亡霊。

このあたり、バルハウスの力を知るには最適かと。


(8)『クイズ・ショウ』(94)

やらせ騒動を通し、メディアの倫理を問うレッドフォード監督作。

派手さを期待すると肩透かしを喰らうかもしれないが、細かな描写にレッドフォードの知性が光って好き。



(9)『ハスラー2』(86)

テーブルを四角いリングにたとえて撮った、スコセッシらしいビリヤード版の『レイジング・ブル』(80)。


(10)『エアフォース・ワン』(97)

やや大味なアクション映画―といってしまえばそれまでだが、カメラが案内人となって、大統領専用機の内部がどうなっているのかを見せてくれるのは面白い。

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明日のコラムは・・・

『夢じゃなかったんだよね、あんだけ捕まえたこと?』
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