Cape Fear、in JAPAN

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映画スタッフ別10傑(23)ラズロ・コヴァックス

2021-07-27 01:21:37 | コラム
~ラズロ・コヴァックスのキャリア10傑~

先日取り上げたヴィルモス・スィグモンドと同郷のコヴァックスもまた、ハンガリー動乱に巻き込まれ、米国亡命を果たしたカメラマン。

74歳で亡くなるまで沢山の映画に携わったが、クレジットなしで「お、コヴァックスだろう」とピンとくるのは、大作というよりは低予算の作品ばかり。

どこで能力が発揮されるのかは、やってみなくちゃ分からないってことでしょうか。

ただはっきりといえるのは、どの作品にせよ、彼が捉える移動撮影はすべて素晴らしいってこと。




(1)『イージー・ライダー』(69)

アメリカンニューシネマの金字塔。
カウンターカルチャーということばを知ったのも、この映画のおかげかな。

映像のすべてが鮮烈だったが、とくに幻覚を模した映像は、当時の空気感がダイレクトに伝わってきて歴史的な価値も高いと思う。



(2)『ラスト・ワルツ』(78)

ザ・バンドのファイナルステージをスコセッシが監督した記録映画。

コヴァックスは、マイケル・チャップマンとともに複数のカメラを指揮している。


(3)『ファイブ・イージー・ピーセス』(70)

ニューシネマの一大特徴は、乾いた映像かな。
こういうところに、なぜか感動を覚えるわけです。




(4)『ペーパー・ムーン』(73)

テータム・オニールが最年少のオスカー助演賞に輝いたロードムービーの佳作。

うん、コヴァックスが得意なのはまちがいなく屋外のロケーションなのでしょう。


(5)『パラダイス・アレイ』(78)

スタローンの初監督作品。
悪くないんですよスライの演出って、顔に似合わず繊細だし。


(6)『ゴーストバスターズ』(84)

大作だってこなします。
見どころはSFXだから、コヴァックスの技術がどうのこうのっていうのは難しいけれど…。

あっ、でも夜のシーンはどれもクールでいいんだよなぁ。


(7)『女優フランシス』(82)

悲劇の女優として知られるフランシス・ファーマーの半生をジェシカ・ラング主演で映画化、寒々しい映像で背筋の凍る思いがした。


(8)『ラストムービー』(71)

デニス・ホッパーが長いこと「ハリウッド追放」された、いわくつきの怪作。

このデタラメな撮影に付き合ったクルー全員を褒めてあげたい。



(9)『夜霧のマンハッタン』(86)

はっきりいって中身は二流のサスペンス、
けれどもレッドフォードやウィンガーのスター性と映像美で「それなりの映画」に仕立てられている。


(10)『コピーキャット』(95)

シガニー・ウィーバー、ホリー・ハンター共演のサスペンス。

犯罪心理学者が犯罪者のターゲットになるというのはアリガチかもしれないが、演出が巧いのですごく楽しめた。

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明日のコラムは・・・

『Don't 「ルックバック」 in Anger』
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